松田哲夫の王様のブランチ出版情報ニュース

「王様のブランチ」本コーナー(2009.7.25)

2009年07月26日

『ともしびマーケット』と「外山滋比古『思考の整理学』」


<文庫ランキング> (三省堂書店全店調べ・7/13~7/19) 
① 伊坂幸太郎『終末のフール』(集英社)
② 佐伯泰英『侘助ノ白』(双葉社)
③ 外山滋比古『思考の整理学』(筑摩書房)
④ 道尾秀介『向日葵の咲かない夏』(新潮社)
⑤ 城山三郎『官僚たちの夏』(新潮社)
⑥ 佐藤多佳子『一瞬の風になれ 1』(講談社)
⑦ 森見登美彦『きつねのはなし』(新潮社)
⑧ 林真理子『本朝金瓶梅』(文藝春秋)
⑨ 明野照葉『汝の名』(中央公論新社)
⑩ 道尾秀介『片眼の猿』(新潮社)


<特集・外山滋比古『思考の整理学』>
◎外山滋比古『思考の整理学』(筑摩書房)



<VTR>
N トップクラスの知能が集結する東京大学と京都大学、その大学生たちに今、一番読まれている本……。
東大生A すごい引き込まれる感じで、すごく楽しんで読みました。
東大生B 大学に入って勉強する時に使える本です。
東大生C 読むと、考えることについて、また考えるようになると思います。
N 天下の東大生たちがこぞって絶賛するのがこちら、『思考の整理学』。昨年、東大と京大の生協で一番の売上げを達成。今年もますますの売上げをみせています。さらに一般書店での売上げでも快挙、今週の文庫ベストテンで3位、三ヶ月連続でランクインしているんです。発行部数は80万部以上。全国的にもベストセラーとなった『思考の整理学』、その作者を直撃。
英玲奈 「王様のブランチ」の英玲奈と申します。外山さんでいらっしゃいますか。
外山 はい、そうです。外山です。
N こちらが作者の外山滋比古さん、86歳。お茶の水女子大学名誉教授でいらっしゃいます。
英玲奈 『思考の整理学』が東大生、京大生に一番読まれているということですが、その理由はなぜでしょうか?
外山 全然わかりませんね。身に覚えがないですね。
N 実は、この本、外山さんが20年以上前に書いたもの。独創的なアイディアを産み出すためのヒントがたくさん詰まったエッセイ集。
外山 新しいことを考える力をつけるには、どうしたらよいかということを、読者の人と一緒に考えるつもりで書いたんですね。
N その内容も、もちろんユニーク。常識にとらわれない目からウロコの考え方が満載です。例えば、「知識があるほどアイデアは湧かない」。えっ、知識ってあればあるほどアイデアの素になるんじゃないですか?
外山 本を読むとか人の話を聞くとかいうことで、知識を得られますが、考えるというのは、人から教えてもらうわけにはいきませんから、自分でやる。面倒なんです。面倒だから、知識があればわざわざ考えない。知識が増えれば増えるほど、考えることは少なくなる。
N 外山さんによれば、考える力が一番あるのは、言葉を覚える前の赤ん坊なんだとか。
外山 赤ん坊は3年も経てば、だいたいしゃべることができるようになっちゃう。その能力というのは、学校で教えるんじゃないんです。生まれてから数年の間、考えて考えて考えて、そして文法をこしらえるんですからね。普通、大学で勉強している人でも、文法つくるなんて簡単にできないんですよ。その能力をもっているのに、学校教育で、知識を覚えなさい、忘れちゃダメってやってるから、頭が知識で全てのことを解説しようというコンピューター人間のようなものを作っちゃったんですよ。
N 目からウロコの外山理論。実は東大生たちも……。
東大生D 東大生だからこそ、知識に偏った勉強をしてきたからこそ、それじゃいけないんだなという……。
N 知識だけでは、社会で通用しない。『思考の整理学』が売れたのは、東大生自身もそう強く感じていたからなんです。さらに支持された理由がもう一つ。読者論、日本語論などさまざまなジャンルで活躍してきた外山さんの経験を生かし、アイデアを生み出す具体的方法を幅広く提示してくれているんです。中でも注目なのが、「メモとノートとメタ・ノート」。
外山 何か思いついたとしますね。それをそのままにしていたら、必ず忘れちゃうんです。いっぺん忘れたら、絶対に返らない。そこで枕元に紙切れを置いておいて書くんです。
N 年に1万項目をメモしたこともあるという外山さん、いつでもどこでも書けるように、紙を持ち歩いています。しかし、気付いたことをメモするというのは、比較的スタンダードな方法。実践している人も多いのでは。しかし、ここからが外山流。
外山 メモで、これはましかもしれないと思うものをね、写すんですよ。
N これはと思うものだけ、メモからノートに写す。しかし、その時に重要なポイントが。
外山 その場で写しちゃったらダメですから、一晩おくと、忘れるんですよ、かなりのものは。なんで、こんなこと書いたかと、自分で書いててわからなくなっちゃうんですよ。これは、もちろんダメね。
N 頭をスッキリさせるために、一日寝かせ、いいと思ったものだけを写す。しかし、これで終わりじゃあありません。
外山 ここでしばらく寝させておくんです。
英玲奈 まだ、寝かせるんですか。
外山 もう一度、寝させて、ノートの中で眠らせたり、あたためたり、熟させたりしているもので、ちょっとおもしろいものを、このメタ・ノートに写して……ノートのノートだからメタ・ノート。
N 日々、書き留めている気になったこと。それをノート、さらに熟成させてメタ・ノートへと写していく。この三つの段階を踏むことによって、思考が整理され、オリジナルなアイデアが生まれてくるんです。
 先日行われた『思考の整理学』講演会(東大駒場キャンパス)では外山さんが東大生相手に熱弁。他にも新刊の発表や雑誌の連載を精力的にこなす外山さん、86歳にして、その若さの秘訣とは。
外山 歳なんて忘れちゃうんです。歳なんか考えるのは、そもそも間違いなんです。年齢という数字の知識にやられちゃってるんです。いまは、100歳になるとワーワーワーとかやるでしょう。それによって、歳を取ったとかね……。ぼくが歳取ったなんて考えないのは、歳をあんまり気にしないんです。
<スタジオ>
谷原 松田さん、この本はいかがでしたか。
松田 とっても読みやすい本なんですね。それで、読んでいるとスーッと頭の中に風が通っていくような爽快感があって……。四半世紀前に書かれた本なんですが、まったく古びていないんですね。自分の頭で考えることの基本をしっかりおさえているからじゃないかなあと思いますね。


<今週の松田チョイス>
◎朝倉かすみ『ともしびマーケット』(講談社)



松田 朝倉かすみさんの『ともしびマーケット』、リズミカルな語り口がとても楽しい小説です。
N 札幌の閑静な住宅街にある「ともしびスーパーマーケット鳥居前店」。そこには、思いを伝えられない片思いの女の子、定職をもたず自分探しをしている若者など、さまざまな事情を抱えた人たちがやってきます。そんな彼らの日常に訪れる「いい日」。人生の転機となる「いい日」の一場面には、必ず「ともしびスーパーマーケット」と、そこに集まる人たちの姿がありました。作者の朝倉かすみさんも、実際にスーパーで働いた経験をお持ちだそう。心にポッと灯がともるハートウォーミングな作品です。>
谷原 今週の「松田の一言」をお願いします。
松田 「人生、捨てたもんじゃない。」(*松田の一言*)このお話には、華やかな登場人物が出てくるわけではないですし、派手な活劇やロマンチックなドラマがあるわけではないんですね。出てくるのは、普通の、どちらかというと冴えない人たちばかりなんです。そういう人たちの中にも「物語」はあるし、それなりに輝く瞬間もある。そういうお話をリズミカルな語り口で語ってくれるので、読んでいると、なんだかとっても良くできたミュージカルを観ているような楽しい雰囲気になってくるんですね。それで最終章では、そういうノリの良い感じが一気に弾けていく感じで、すごく素敵なエンディングが待っているんです。先行き暗いというか、見えにくい時代、こういう世の中にちょっとした「ともしび」を灯してくれる、本当にあたたかいお話だなと思いました。
優香 私も読みまして、本当に派手な人たちが出てくるわけではないんですが、だからこそ、その人たちの日常を1ページ切り取って、こっそり見ているような感じで、終わり方も「ハイ、終わりです」というんじゃないので、まだまだ続いていくんだなという感じがしました。私が特に好きだったのは、片思い中の女子中学生のお話があるんですけども、それが特にミュージカルっぽいですね。
松田 そうですね。なんか、音楽が聞こえてくる感じなんですね。
優香 中学生の時に、好きな男の子に電話するときに、お金入れて電話しようとするんだけど、なかなかその手が動かなかったり、繋がったけど、なにしゃべっていいかわかんないし、そのもどかしさ、「好き」ということを伝えられないもどかしさ、その懐かしい感じの思いが蘇ってくるお話でした。

「王様のブランチ」本コーナー(2009.7.18)

2009年07月20日

『弩』と「祝!直木賞作家・北村薫を直撃!」


<総合ランキング> (文教堂書店全店調べ・7/6~7/12)
① 『ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 大冒険プレイヤーズガイド』(集英社)
② 村上春樹『1Q84 BOOK1(4月-6月)』(新潮社)
③ 村上春樹『1Q84 BOOK2(7月-9月)』(新潮社)
④ 天野明『家庭教師ヒットマンREBORN!隠し 3』(集英社)
⑤ 蛇蔵・海野凪子『日本人の知らない日本語』(メディアファクトリー)
⑥ くるねこ大和『くるねこ 其の4』(エンター・ブレイン)
⑦ 藤井旭編『欠ける太陽を見よう!皆既日食』(星の手帖社)
⑧ 小林よしのり『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』(小学館)
⑨ 加藤由子ほか『くらべる図鑑』(小学館)
⑩ エリカ・アンギャル『世界一の美女になるダイエット』(幻冬舎)


<特集・祝!直木賞作家・北村薫を直撃!>
◎北村薫『鷺と雪』(文藝春秋)



7月15日に第141回芥川賞・直木賞が発表されました。そこで、急遽、私(松田)と英玲奈さんで北村薫さんを訪れ、直撃インタビューしてきました。北村さんはデビューから20年、直木賞候補に選ばれたのは6回目でした。受賞作は昭和初期を舞台にした作品、当時の世相を織り交ぜながら上流階級のお嬢様英子とおつきの女性運転手ベッキーさんの活躍を描いたミステリー短編集です。インタビューでは「魅力その① 女の子が大活躍」、「魅力その② 殺人のないミステリー」、「魅力その③ 超!読書家」など北村作品の魅力を徹底解剖しました。
谷原 松田さん、今回の北村さんの受賞作、いかがですか。
松田 北村さんのファンとしては嬉しいですね。今回の受賞作は北村ミステリーの集大成みたいな作品なんですね。昭和初期という時代を背景にして、日常の中の謎を優しい語り口で解き明かしていくお話なんですが、そこに日常を踏みにじる戦争の足音が聞こえてくる。最後には劇的なクライマックスがやってくるんです。面白いです。


<今週の松田チョイス>
◎下川博『弩』(小学館)



松田 ドラマチックな歴史小説の傑作、下川博さんの『弩』です。
N およそ650年前、今の鳥取県智頭町に侍を雇った村が実在した。野心はあるが、無名の農民・吾輔。家族を、そして村を豊かにしたい、彼は溢れる行動力で道を開いていく。そんな村に巻き起こる悪党集団との戦い。吾輔たちの味方したのは青い目の侍、そして日本には馴染みの薄い武器「弩」(クロスボウ)だった。史実をもとに描かれた農民たちの熱き人間ドラマ。>
谷原 さあ、松田さんの一言は?
松田 <*松田の一言*「村人たちの息づかいが聞こえる」>
これは、ある村の人たちが自ら武装して悪党集団を撃退する、というお話なんです。でも、クライマックス・シーンに行くまでの、この人たちの悩みや葛藤などがドラマチックに描かれていて、最後の人びとが戦に立ち上がっていくシーンも感動的です。こういう時代に、こういう人たちが一生懸命生きていたんだということが切々と迫ってくるお話なんですね。人間ドラマとしても戦の物語としても素晴らしい傑作だなあと思いました。
谷原 時代小説好きなもんで、読ませていただきました。今回のお話はノンフィクションをベースに、とても読み応えのあるフィクションが展開されているんですね。もともとは、一つの史実をもとにしてるんですよ。この小説は、史実から始まり、壮大なフィクションが展開されて、最後はたんなるハッピーエンドに終わらず、ちょっとしたリアリティのある、納得の終わり方をするんですよ。
松田 歴史の中にとけ込んでいくという感じが素晴らしいですね。

「王様のブランチ」本コーナー(2009.7.11)

2009年07月12日

「直木賞予想」と「森見登美彦『宵山万華鏡』」


<総合ランキング>  (有隣堂全店調べ・6/29~7/5)
① 村上春樹『1Q84 BOOK1(4月-6月)』(新潮社)
② 村上春樹『1Q84 BOOK2(7月-9月)』(新潮社)
③ 蛇蔵・海野凪子『日本人の知らない日本語』(メディアファクトリー)
④ 藤井旭『欠ける太陽を見よう!皆既日食2009/7/22』(星の手帖社)
⑤ エリカ・アンギャル『世界一の美女になるダイエット』(幻冬舎)
⑥ 山崎豊子『運命の人 4』(文藝春秋)
⑦ トレーシー・アンダーソン『ザ・トレーシーメソッドDVD-BOOK』(マガジンハウス)
⑧ くるねこ大和『くるねこ 其の4』(エンター・ブレイン)
⑨ 三木谷浩史『成功の法則92ヶ条』(幻冬舎)
⑩ 森見登美彦『宵山万華鏡』(集英社)


<特集・森見登美彦『宵山万華鏡』>
◎森見登美彦『宵山万華鏡』(集英社)



森見登美彦氏さんの新刊『宵山万華鏡』は、奇怪、痛快、あったかい、傑作幻想小説。祇園祭宵山の京都。現実と妖しの世界が入り乱れる夜に、幼い姉妹、ヘタレ大学生、怪しい骨董屋、失踪事件に関わる叔父と姪などが次々と迷い込み……。森見流ファンタジーの新境地がここに誕生。京都に住んで京都についての作品を書いてきた森見さんに、作品の生み出し方などを、いつも持ち歩いているメモや小学生の時描かれた初作品を見せていただきつつインタビューしました。また今回は、出版を記念して、ファン感謝イベントが開催されており、なぜ女性に人気なのか、ファンの方や、イベントに参加されていた本上まなみさんに伺いました。
谷原 松田さん、森見さんの新作はいかがでした。
松田 <*松田の一言*「妖しの世界に連れてって!」>
お祭りっていうのは、町をあげての一大ページェントですけども、胸躍る妖しい世界でもあるんですね。そういう風に、お祭って魅力とともに魔力もあるんで、それをふんだんに盛り込んだ面白い物語なんです。本上(まなみ)さんもおっしゃっていたんですが、連作短編なんですが、前のお話に出てきた場面や出来事に、次の話で違う光が当てられていって、どんどん大きなパノラマが見えてくるという迫力満点の物語でもあるんですね。


<今週の松田チョイス>
*直木賞・芥川賞予想!*

優香 今週は、松田チョイス特別編ということで、先日発表された直木賞ノミネート作品を松田さんに解説していただきます。
松田 どれも面白く、魅力的な作品ばかりなので悩ましいですね。
出水 来週15日に決定する芥川賞の候補作品はこちらとなっています。
<芥川龍之介賞候補作品>
●磯崎憲一郎「終の住処」(「新潮」)
●戌井昭人「まずいスープ」(「新潮」)
●シリン・ネザマフィ「白い紙」(「文學界」)
●藤野可織「いけにえ」(「すばる」)
●松波太郎「よもぎ学園高等学校蹴球部」(「文學界」)
●本谷有希子「あの子の考えることは変」(「群像」)
谷原 この中で、松田さんが気になるのは?
松田 今回は、劇作家が二人、戌井昭人さんと本谷有希子さんがノミネートされていますが、ぼくは本谷さんに注目したいなあと思っています。
谷原 続いては直木賞ですね。
出水 直木賞の候補作品はこちらです。
<直木三十五賞候補作品>
●北村 薫『鷺と雪』(文藝春秋)
○西川美和『きのうの神さま』(ポプラ社)
●貫井徳郎『乱反射』(朝日新聞出版)
●葉室 麟『秋月記』(角川書店)
●万城目学『プリンセス・トヨトミ』(文藝春秋)
●道尾秀介『鬼の跫音』(角川書店)
出水 北村薫さんは6度目の候補。映画監督の西川美和さん、映画「鴨川ホルモー」の原作者万城目学さん、「このミステリーがすごい!」で1位に輝いた道尾秀介さんも候補となっています。
谷原 こちらはどうですか?
松田 前回の天童荒太さんのように、「この人!」という決め手がないんですが、ぼくは敢えて映画監督の西川美和さんを本命にしたいと思います。
N 以前、「ブランチ」の特集でも紹介。僻地の医療をテーマに描いた短編集。公開中の映画「ディア・ドクター」のアナザーストーリーでもある。>
松田 この短編集は、単なる映画のアナザーストーリーじゃないんですね。映画では絶対に表現できないような心の揺らぎや気配や匂い、そういうものをものすごくうまく使って小説を書いているんですね。ところが、読んでいるとぼくたちの頭の中には鮮やかな映像が浮かんでくる。すごい文章力だと思いますね。

「王様のブランチ」本コーナー(2009.7.4)

2009年07月05日

『IN』と「タレント本ランキング」


<今週の松田チョイス>
◎桐野夏生『IN』(集英社)



松田 蒸し暑い季節にピッタリ、背筋も凍る小説、桐野夏生さんの最新作『IN』です。
N 小説家のタマキは恋人で担当編集者の青司と別れた。深く愛していた思いは憎しみへと変わる。自分の都合で相手との関係を絶ち、その存在を消すことはできるのか? 『OUT』から12年、桐野夏生が恋愛の奥底を描く衝撃作『IN』。小説は悪魔ですか。それとも、作家が悪魔ですか?>
谷原 さあ、松田さんの一言は?
松田 「『怖さ』にシビレル!!」(*松田の一言*)本当に怖い小説なんですね。なまじのホラーやスプラッターなんかが敵わないような怖さなんです。二つの愛の物語が、息苦しいまでに絡まり合っていって、読んでいると、背筋がゾクゾクしてきます。それに、激しい恋愛の果てにたどり着いたの世界というのは、目を背けたくなるようなすさまじい世界なんですが、桐野さんの独特の文章力で引っ張られて読んでいくと、暗さの底から怪しい光が見えてきて、なんか、その正体を見届けたいという気持ちになっていくんですね。恋愛と小説のもっている怖さと美しさみたいなものを、とことん見せつけてくれる傑作だと思いましたね。
谷原 ただの恋愛小説ではないという。
松田 読んでみるとわかるんですが、なかなか複雑な仕組みになっていて……。でも、怖いです。


<特集・タレント本ランキング> (日販オープンネットワークWIN調べ・5/19~6/18)
① ベッキ-『ベッキ-の・心のとびら』(幻冬舎) ※
② 君島十和子『ザ・十和子本』(集英社)
③ 中山美穂『なぜならやさしいまちがあったから』(集英社)
④ 郷ひろみ『Next』(講談社) ※
⑤ 長門裕之『待ってくれ、洋子』(主婦と生活社)
⑥ さだまさし『アントキノイノチ』(幻冬舎)
⑦ 上原美優『10人兄弟貧乏アイドル』(ポプラ社) ※
⑧ 市原隼人『HigH  LifE』(SDP) ※
⑨ 桃華絵里『ももえり』(竹書房) ※
⑩ くわばたりえ『クワバタのくびれダイエット』(アスコム)


<BOOKニュース>
◎柳原可奈子『柳原可奈子の気になっちゃう感じですか?』(幻冬舎) ※
◎坂東英二『天然坂東英二のゆでたまご伝説』(ワニブックス) ※


<※印がついているタレントさんにはコメントをいただきました。>

「本のコーナー」をネットしているのは、TBS・HBC(北海道)・TUY(山形)・TUF (福島)・SBC(長野)・UTY(山梨)・TUT(富山)
MRO(石川)・SBS(静岡)・ RCC(広島)・RSK(岡山)・ITV(愛媛)・NBC(長崎)・RBC(沖縄)・BS-iです。

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