「芥川賞・直木賞受賞作発表」と「太田チョイス②」


<速報・第140回芥川賞・直木賞受賞作品発表!>
<VTR>
N おとといの木曜日、第140回芥川賞・直木賞の受賞者3名が決定。「ブランチ」では、受賞決定直後の皆さんをいち早く直撃しました。直木賞を受賞したのは、弱者の立場になって小説を書き続ける、孤高の作家・天童荒太さん。
◎天童荒太『悼む人』(文藝春秋)



英玲奈 直木賞受賞、おめでとうございます。
天童 ありがとうございます。
英玲奈 この受賞を一番伝えたいのは、どなたですか?
天童 えー、「王様のブランチ」の皆さん。
英玲奈 あらあ。ありがとうございます。
天童 ずっと「王様のブランチ」の皆さんには応援していただいて、そのことは、本当にお世辞やおべんちゃらではなく、ありがたく思ってきたし、皆さんの言葉がすごく支えになってきたので。
英玲奈 お待ちになっていたときは、天童さんでもドキドキしましたか?
天童 割と自然体で今回はいられたなという感じですね。というのは、『悼む人』というのは、ぼく自身がすべて出し切った作品だったし、これ以上のものは、少なくともぼくにとっては表現できないところまでは高めることができていたので。それがどう受け止められるかは、お任せするしかないなって。
英玲奈 じゃあ、落ち着いた気持ちで……。
天童 人から見たら、分からないけど。
英玲奈 ちょっといやらしい話なんですが、今回いただいた賞金は、何に使うんだろうって気になったんですが。
天童 うーん、ヒミツ。
英玲奈 ヒミツですか。
天童 「王様のブランチ」をご覧の皆様、本当に支えて下さったり、応援して下さったりして、本当にありがとうございます。これからも、「王様のブランチ」のBOOKコーナーをよろしくお願いします。


N そして、もう一人の直木賞受賞者が時代小説作家・山本兼一さん。
◎山本兼一『利休にたずねよ』(PHP研究所)



英玲奈 直木賞受賞、おめでとうございます。
山本 ありがとうございます。
英玲奈 今のお気持ちはいかがでしょうか?
山本 あの、嬉しいです。けども、だんだん冷めてきました。締め切りが一杯あるんでね。締め切りをどうクリアしていくかが大変です、これから。
英玲奈 締め切りのことが頭の中に一杯になって……。
山本 そうですね。
英玲奈 山本さんならではの、新しい利休像というのが、今回あったと思うんですが。それは、どこから生まれたんでしょうか?
山本 利休っていうと「侘び寂び」って言うじゃないですか。「侘び寂び」って、どういう世界だと思います。
英玲奈 ちょっと地味に、おごそかにというイメージがありますが。
山本 ぼくもそう思っていたんです。ですけども、利休好みの水指(みずさし)というものを見たときに、とっても、そんなに枯れたもんじゃないと、わたしは思ったんです。とっても艶やかで、ある意味エロチックでさえある。これは「恋」の美しさだと、わたしは思ったんです。
英玲奈 恋につながっているんですね。


N 芥川賞を受賞したのは、デビュー4年目の新進作家津村記久子さん。
◎津村記久子『ポトスライムの舟』(群像11月号)
英玲奈 芥川賞受賞、おめでとうございます。
津村 ありがとうございます。
英玲奈 「王様のブランチ」の英玲奈と申します。
津村 よろしくお願いします。やだ、めっちゃ可愛い人がいると思って……。
英玲奈 今回は受賞されて、どんなお気持ちですか。
津村 えーと、いろんな人に伝えはしましたけれども、あとは自分の実感を持つのを待つのみって感じですね。
英玲奈 まだ、実感は湧いてないですか。
津村 ちょっとないですね。
英玲奈 なぜ、会社を辞めずに二足のわらじで働かれているんですか?
津村 そうですね、会社員であることがとても面白いからです。
英玲奈 OLさんとして、お昼休みとか、みんなとご飯食べたりしてるんですよね。
津村 してます、してます。
英玲奈 そういう中で、面白い会話が出てきたりするんですか。
津村 あります、あります、それは。みんなで「いいとも」を見て、誰がテレホンショッキングに出るのとか。今してる話が、「相棒」の次の相棒は誰やねんという話をずっとしてます。
(「視聴者の皆さんに一言」と聞かれて)
津村 面白い小説を書いていきますし、今回の話も面白いと思いますので、どうぞ、お手すきのときに、お読みいただければ、たいへん幸いです。よろしくお願いします。


<スタジオ>
優香 素敵なキャラの方ですね。
谷原 松田さん、天童さん、直木賞受賞しましたね。
松田 嬉しいですね。この本のコーナーでは、10年前の『永遠の仔』以来、折に触れて、天童さんの作品を応援してきたので、本当に、ともに歓びを分かち合いたいという気持ちですね。
優香 天童さん、本当におめでとうございます。
一同 おめでとうございます(拍手)。
谷原 嬉しいですね。そして、もう一人の直木賞受賞者の山本兼一さんですが、ぼくは『千両花嫁』を読んだことがあったので、『利休にたずねよ』もぜひ読んでみたいと思います。優香 そうして、芥川賞は先週の「松チョイ」でやりましたね、津村さんでしたが。松田さんは、はじめから注目されていたとか。
松田 そうですね。4年前のデビュー作から、力のある作家だなあと思っていました。先週も『ミュージック・ブレス・ユー!!』を紹介しましたけれども、若い女性の、ちょっとイケてないんだけど、元気に生きようみたいな作品で、読んでいるとなんとなく元気もらえる、楽しい小説ですね。これからも注目したい作家の一人だと思いますね。
谷原 さきほどのVTRでも、とても人柄が出ていて……。
優香 読みたくなりますよね。
松田 明るい人ですね。


<特集・爆笑問題太田光の「太田チョイス」②>
先週は上記3冊について語った本の虫・太田光さん。今週は、太田さんが5冊チョイスしてくれたうち、先週紹介できなかった2冊を紹介します。


◎オルハン・パムク『雪』(藤原書店)



2006年ノーベル文学賞を受賞したオルハン・パムク。『雪』は、トルコの東北、アルメニアやグルジアとの国境に近く、民族的にも宗教的にも複雑に入り組むカルスという町が舞台。今は貧しく、多くの失業者を抱える灰色の街。そこにやってきた世界的に知られる詩人Kaとイベッキの恋愛に加え、トルコの政治的問題やイスラム教徒の苦悩をも描く大作。太田さん評「ざっくり言うとトルコを舞台にした恋愛小説」「小難しい印象を受けるかもしれないけど、恋愛を織り交ぜて書いてあるので大丈夫」。


◎ジェフリ・ディーヴァー『ウォッチメイカー』(文藝春秋)



“松田チョイス”で紹介された本はたいてい購入しているという太田さんの“BEST OF 松田チョイス”として紹介。「何も考えずに楽しみたいときはコレ!」という太田さんは、以前からジェフリ・ディーヴァーの大ファン。“松田チョイス”でジェフリ・ディーヴァーの新作が出たことをチェックしているらしい。
優香 (太田さんは)さすがに本をすすめするのが上手ですけれど、松田さんと直接対決というのはいかがですか?
松田 いやあ、トークでは太田さんにはかなわないですから……。
優香 いやいや。
松田 ただ、本当に本が好きな方なので、本の話をしたら、楽しいだろうなあと思いますね。機会があったら、ぜひやりたいと思いますね。
谷原 おっ、そうですか。じゃあ、ぼくも参戦しようかな。夢の対決をぜひ。
松田 バトルロワイヤルでね。