『喋々喃々』と「田淵久美子『女の道は一本道』」


<総合ランキング>  (三省堂書店全店調べ・2/16~2/22)
① 出口宗和『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房)
② 渡辺淳一『欲情の作法』(幻冬舎)
③ 勝間和代『断る力』(文藝春秋)
④ 押切もえ『モデル失格』(小学館)
⑤ 宮部みゆき『英雄の書(上・下)』(毎日新聞社)
⑥ M・シャイモフ『「脳にいいこと」だけをやりなさい!』(三笠書房)
⑦ 酒巻久『「会社のアカスリ」で利益10倍!』(朝日新聞出版)
⑧ バクラ・オバマ、English Expres編集部『オバマ大統領就任演説』(朝日出版社)
⑨ 野村克也『あぁ、監督』(角川書店)
⑩ 平子理沙・中村和孝『E'toile』(講談社)


<特集・田淵久美子『女の道は一本道』>
◎田淵久美子『女の道は一本道』(小学館)



宮崎あおいという国民的ヒロインを生んだNHK大河ドラマ「篤姫」。「波乱万丈の人生だった」と自らの半生を語る同ドラマの脚本家・田淵久美子さんが命を吹き込むようにして作り上げたヒロイン像・篤姫は、「不自由な時代に自由に生きた」姿が多くの女性視聴者の心を掴んだ。本書は、ドラマ「篤姫」生みの親・田淵さんが、自らの半生を振り返りながら現代女性たちに説く、語り下ろしの「篤姫的生きかた指南書」。「篤姫」脚本執筆に際し大きな支えとなり、篤姫の夫で将軍・家定のモデルでもあったという夫・瑞徳さんが撮影終了後に死去した今、責任と覚悟をもって自らの道を選び生き抜く「女の一本道」を語っている。著者の田淵さんにインタビューし、息子さんと娘さんにもコメントを頂きました。


<今週の松田チョイス>
◎小川糸『喋々喃々』(ポプラ社)



松田 皆さん、お待ちかねだったんじゃないかと思います。『食堂かたつむり』で印象的なデビューを飾った小川糸さんの第二作『喋々喃々』です。
N 処女作が大ヒットとなった小川糸、待望の第二作『喋々喃々』。ある日、店に訪れた男性客と、許されざる恋に落ちる。この小説の中に登場する飲食店は、ほとんどが谷中に実在するお店。主人公の恋模様とともに、情緒ある下町の様子がていねいに描かれた、きらめくような物語。>
優香 私も大好きな糸さんなんですけども、谷中はじめとする下町のガイドブックみたいな感じもあるんですね。
松田 そうですね。そういう部分もありますね。一つ一つの場面や描写がすごくていねいに描かれているんで、印象深いんです。東京の下町の情緒とか、町やお店の雰囲気とか、特に、美味しい料理やお菓子が出てくる場面がすごく素敵なんですね。
優香 糸さんらしいですね。『食堂かたつむり』と比べるとどうですか?
松田 「喋々喃々」という言葉は「男女がむつまじく語り合う様子」っていう意味なんですけども、そういうタイトルからもわかるように、ぐっと大人度が増したという感じです。主人公のお店「ひめまつ屋」というのですが、「秘めて」「待つ」恋が静かに静かに成長していくさまを描いているんですね。まあ、許されない愛なんで、読んでて切なくなる部分もあるんです。たぶん、若い女性の方たちが読むと、色んな思いを重ねて読まれて、素敵な恋物語として楽しめるんじゃないかなあっていう気がしますね。
優香 へえ、読みたーい。いいですね、借りていきます。