『戦後腹ぺこ時代のシャッター音』と「阿川弘之」


<総合ランキング>  (1/13~19 有隣堂書店全店調べ)
 1位 坂東真理子『女性の品格』(PHP研究所)
 2位 坂東真理子『親の品格』(PHP研究所)
 3位 大庭史榔『1分間骨盤ダイエット』(三笠書房)
 4位 勝間和代『お金は銀行に預けるな』(光文社)
 5位 田村裕『ホームレス中学生』(ワニブックス)
 6位 『広辞苑 第六版』(岩波書店)
 7位 阿川弘之『大人の見識』(新潮社)
 8位 森博嗣『タカイ×タカイ』(講談社)
 9位 勝間和代『効率が10倍アップする新・知的生産術』(ダイヤモンド社)
10位 ロンダ・バーン『ザ・シークレット』(角川書店)


<特集・阿川弘之『大人の見識』>
◎阿川弘之『大人の見識』(新潮社)



文壇の最長老、現在87歳の阿川弘之さんが「ブランチ」に初登場します。阿川さんは、「古き善き日本人」を取り戻すべく、旧制高等学校時代・海軍時代などの経験や見聞、読書や思索、人との交流などからえた叡智を満載した『大人の見識』を書きました。この本は昨年11月に発売されて以来、30万部突破の大ヒットになっています。今回は、阿川さんの横浜のお宅を訪問し、インタビューとともに、その暮らしぶりも拝見しました。また、娘の阿川佐和子さんにも、お父さんの横顔を「娘の見識」をもって語っていただきました。
松田 「見識」なんてついていると、上からお説教されるんじゃないかという風に思うかも知れませんが、(VTRの中で阿川さんが)おっしゃったように、長い人生の中で、いろんな人と出会って、たくさんの本を読んで、その中から得た豊かな知恵を、ユーモアも交えて、穏やかに語りかけてくれているんですね。だから、若い人たちにも、生きる上での大切なヒントみないなものを教えてくれる素晴らしい本になっていると思いますね。


<今週の松田チョイス>
◎赤瀬川原平『戦後腹ぺこ時代のシャッター音』(岩波書店)



松田 「路上観察」や「老人力」でおなじみの赤瀬川原平さんの『戦後腹ぺこ時代のシャッター音』という本です。
N 1950年代にヒットしたフォトドキュメント『岩波写真文庫』。「東京案内」「スポーツ」「芸術」など、時代の空気をとらえた1冊1テーマの写真百科です。これは、写真好きで名高い赤瀬川原平さんが、そんな『岩波写真文庫』を厳選してまとめた1冊。貧しくも夢を忘れなかったあの時代を振り返ると、懐かしさを味わえるとともに、楽しい発見が一杯です。>
松田 この『岩波写真文庫』が出されていた1950年代というのは、ちょうど「三丁目の夕日」の時代なんですね。みんな物もなくて、貧しくて腹ぺこで、だけど、未来に向かっていろんなものが光り輝いていた。そういう時代なんですね。そして、おなかも減っていたんだけども、知識や文化とか、写真とか映像とかへの飢えもすごくあったんですね。そういう人たちのニーズに応えたのが、「写真文庫」というシリーズなんです。もう一つ、写真というものが、今より大事なものだったんで、1カット1カット、シャッターチャンスを狙って撮っている写真が、すごく力があるんですね。だから、時代を超えて、いま、じっくり見ていくと……赤瀬川さんの絶妙な解説を読みながら見ていくと、いろんな発見がある楽しい本ですね。
優香 本当に活気があるというか、なんかしゃべりかけてくる感じですよね。この時代をまったく知らないんですけど、なんか懐かしいというような気持ちになれるってすごいですね。
松田 ぼくらは、さっき出てきた小学生ぐらいだったんですね。自分が行っていた教室という感じで懐かしいんですけども。
谷原 たしかに、古い写真を見ていると、自分たちの親たちの世界をかいま見られて、ちょっと温かい気持ちになったりしますよね。