「重松清『かあちゃん』」


<総合ランキング>  (日販オープンネットワークWIN調べ・6/15~6/21)
① 村上春樹『1Q84 BOOK1(4月-6月)』(新潮社)
② 村上春樹『1Q84 BOOK2(7月-9月)』(新潮社)
③ 蛇蔵・海野凪子『日本人の知らない日本語』(メディアファクトリー)
④ エリカ・アンギャル『世界一の美女になるダイエット』(幻冬舎)
⑤ 出口宗和『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房)
⑥ 森田まさのり・濱崎達弥・いずみ吉紘『映画ROOKIES一卒業―』(集英社)
⑦ 小林よしのり『ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論』(小学館)
⑧ 出口宗和『読めそうで読めない間違いやすい漢字 2』(二見書房)
⑨ 吉崎達郎『子育てハッピーアドバイス 知っててよかった小児科の巻』(1万年堂出版)
⑩ 西尾維新『偽物語 下』(講談社)
谷原 『1Q84』、今週も1位、2位ですよ。ぼくは2巻を読み終わったんですが、「これは終わっているのか?」、「どうなっていくのか?」っていう感じですよね。
松田 ものすごく大きな謎が残りますよね。
谷原 そうですよね。
松田 3巻があるんじゃないかって思いますよね。
谷原 思いますよね。
松田 村上春樹さんのインタビューを読むと、チラッとそういう感じがありますよね。
谷原 終わってほしくないですよね、あそこで。
松田 まだ読みたいですよね。
谷原 ですよね。


<特集・重松清『かあちゃん』>
◎重松清『かあちゃん』(講談社)



生まれてきた瞬間、いちばんそばにいてくれるひと。――あなたのおかげで、僕はひとりぼっちではありません。昭和の母から平成の母、強い母から優しい母。連鎖するストーリーとともに登場するかあちゃんたちが、胸と涙腺を揺さぶる。母が子どもに教えてくれたこと、子どもが母に伝えたかったことを重松清が初めて描く、母と子の感動の物語。なぜ母と子の物語を描かれたのか? 母と子をモチーフに今回初めて描いた理由、重松さんとお母さんのとの関係、さらに重松さんと家族との関係などを仕事場でインタビューしました。
谷原 優香ちゃん、『かあちゃん』は号泣したということですが、そのポイントは?
優香 はい。重松さんて、泣かせよう泣かせようとしないんですよね。でも、深く響いてくるんですが、自分で泣けるポイントじゃないなと思っているのに、ホロッとやられてしまうんですね。だから電車で読まない方がいい。わたしはこの中でも、28歳の女性教師が出てくるところがあるんですけども、その女性は、学校では本当にしっかりしている方なんですが、子育てと家事に追われていて、本当はものすごく大変で、それをお母さんに頼むんですけども、それも気が引けたりもするんですが、でも、お母さんと他愛のないことでけんかをしてしまったりとかするんです。わたしは歳も近いし、そういうことがあるので、その人にすごく感情移入して、なんでこんなことでけんかしちゃうんだろう、こんなことを言っちゃうんだろうって思うんですけども、お母さんは、それをわかっていて、許してくれるというか、そういう優しさが……。この『かあちゃん』というタイトルが素晴らしくてね、松田さん。
松田 はい。一言で言いますと、この作品は「重松ワールドのさらなる進化と深化。」(*松田の一言*)です。重松さんはこれまでも、心温まる物語をたくさん書いているんですが、今回も、さらに深い感動をぼくたちに届けてくれたっていう感じですね。いろんな母親が登場してくるんですが、難しい問題を抱えて苦しんでいる子どもたちの姿から決して目を逸らさないんですね。そして、本当に必要な時には、そっと支えてくれるっていう、本当に素敵なお母さんばかりで。本当に、深ーい感動をもらったという感じでしたね。
優香 ジーンと染みわたりますよね。「かあちゃん」て呼びたくなりますよね。
谷原 皆さんも、『かあちゃん』で温かい涙を流してみたらいかがでしょうか。電車の中では気をつけて。