『IN』と「タレント本ランキング」


<今週の松田チョイス>
◎桐野夏生『IN』(集英社)



松田 蒸し暑い季節にピッタリ、背筋も凍る小説、桐野夏生さんの最新作『IN』です。
N 小説家のタマキは恋人で担当編集者の青司と別れた。深く愛していた思いは憎しみへと変わる。自分の都合で相手との関係を絶ち、その存在を消すことはできるのか? 『OUT』から12年、桐野夏生が恋愛の奥底を描く衝撃作『IN』。小説は悪魔ですか。それとも、作家が悪魔ですか?>
谷原 さあ、松田さんの一言は?
松田 「『怖さ』にシビレル!!」(*松田の一言*)本当に怖い小説なんですね。なまじのホラーやスプラッターなんかが敵わないような怖さなんです。二つの愛の物語が、息苦しいまでに絡まり合っていって、読んでいると、背筋がゾクゾクしてきます。それに、激しい恋愛の果てにたどり着いたの世界というのは、目を背けたくなるようなすさまじい世界なんですが、桐野さんの独特の文章力で引っ張られて読んでいくと、暗さの底から怪しい光が見えてきて、なんか、その正体を見届けたいという気持ちになっていくんですね。恋愛と小説のもっている怖さと美しさみたいなものを、とことん見せつけてくれる傑作だと思いましたね。
谷原 ただの恋愛小説ではないという。
松田 読んでみるとわかるんですが、なかなか複雑な仕組みになっていて……。でも、怖いです。


<特集・タレント本ランキング> (日販オープンネットワークWIN調べ・5/19~6/18)
① ベッキ-『ベッキ-の・心のとびら』(幻冬舎) ※
② 君島十和子『ザ・十和子本』(集英社)
③ 中山美穂『なぜならやさしいまちがあったから』(集英社)
④ 郷ひろみ『Next』(講談社) ※
⑤ 長門裕之『待ってくれ、洋子』(主婦と生活社)
⑥ さだまさし『アントキノイノチ』(幻冬舎)
⑦ 上原美優『10人兄弟貧乏アイドル』(ポプラ社) ※
⑧ 市原隼人『HigH  LifE』(SDP) ※
⑨ 桃華絵里『ももえり』(竹書房) ※
⑩ くわばたりえ『クワバタのくびれダイエット』(アスコム)


<BOOKニュース>
◎柳原可奈子『柳原可奈子の気になっちゃう感じですか?』(幻冬舎) ※
◎坂東英二『天然坂東英二のゆでたまご伝説』(ワニブックス) ※


<※印がついているタレントさんにはコメントをいただきました。>