「特集・益田ミリ『すーちゃん』」


 <総合ランキング>  (2/25~3/2 三省堂書店全店調べ)
 1位 坂東真理子『女性の品格』(PHP研究所)
 2位 Jamais Jamis『B型自分の説明書』(文芸社)
 3位 ドアラ『ドアラのひみつ』(PHP研究所)
 4位 茂木健一郎『脳を活かす勉強法』(PHP研究所)
 5位 坂東真理子『親の品格』(PHP研究所)
 6位 水野敬也『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社)
 7位 山田真哉『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大違い』(光文社)
 8位 勝間和代『お金は銀行に預けるな』(光文社)
 9位 川上未映子『乳と卵』(文藝春秋)
10位 つつみみか『ルポ貧困大国アメリカ』(岩波書店)
谷原 松田さん、『女性の品格』がいまだにランキングで1位ということは、どういう層が買っているんですか。
松田 そうですね。今や300万部を超えて『バカの壁』の410万部に追いつくんじゃないかって言われていますけれど。面白いんですけども、新書っていうのは『バカの壁』もそうなんですが、最初は中高年のオジサンが買いだすんですね。それで売れだすと若い人と女性が買いだすんです。ところが『女性の品格』だけは、はじめっから男女比が75対25で変わらないですし、20代、30代、40代、50代、60代、だいたい同じパーセントで、売れ始めたときも今も売れ続けている。だから、まんべんなくいろんな層にズーッと売れ続けているんですね。たぶん、最近テレビなんかに露出なさっていますが、テレビの影響力が効きやすいかたちなんでしょうね。
優香 「ブランチ」にも出ていただきましたしね。
松田 そうですね。


<BOOKニュース>
◎「GLAMOROUS」4月号(講談社)蜷川実花×10人のヌード


<特集・益田ミリ「すーちゃん」>
◎益田ミリ『すーちゃん』(幻冬舎)
◎益田ミリ『結婚しなくていいですか。 すーちゃんの明日』(幻冬舎)



60万部突破の上野千鶴子『おひとりさまの老後』(法研)をはじめ、いま本屋さんで平積みコーナーができているのが女性の生き方を考える本。そんな『おひとりさま……』と並んで、いま、じわじわと独身OLの間で人気上昇中なのが異色の4コマ漫画『結婚しなくていいですか。』。主人公は、お金も美貌も男もいない三十路半ばの「すーちゃん」。「このままおばあさんになって、仕事もお金もなくて、寝たきりになって、頼る人もなかったら」……。ネギが安いと思って買い物をしながら、すーちゃんは考え続ける。「そしたら、あたしの人生は、歩いてきた人生全部が台無しになってしまうの?って考えたら震えてしまうんだ」。漠然とした将来への不安、大逆転のない「ふつう」な日々。やたらポジティブに走らず、悲劇のヒロインにもならず、「これが私だよな」と淡々と思うすーちゃんに共感が集まっています。そんな「すーちゃん」を描く著者益田ミリさんの仕事場にお邪魔して、この本が生まれたきっかけ、日々のネタ集め、この作品を通して伝えたかったことなどを伺いました。
谷原 ほのぼのとした絵と対照的に、主人公のすーちゃんはとても考えているキャラクターなんですね。えみちゃんも読んだんですよね。
はしの 読みました。30代の独身女性の独り言が、悩みとか思いとかが淡々と飄々と描かれていて、「あ、そういうことを思うことっておかしくないんだな。みんな、ポソッと思っているんだなあ」って思える本ですね。
優香 私も読みました。私もホロッとした一人なんですけれども。ほんとに、絵はほのぼのとして可愛いらしい感じなんですけども、言ってることの一つ一つが重みがあって、ジーンと胸に響くんですよね。本当に鈍感になってしまってはいけないことっていうこともいっぱいあるし、そういうことをわからせてもらえたという本で、なんか面白かったです。
はしの 30代の独身女性にも共感してもらえるし、30代の独身男性も同じようなことを思っているのかなあって……。
松田 そうですね、益田さんという人は、そもそも「つぶやき川柳」というものでデビューした人なので、川柳みたいに短い言葉で気持ちなりをピシッと言う感じがよく出ているんですね。だから、一人の時にポツリとつぶやくことに真実があって、みなさん、自分を鏡に映しているような感じで読んでいるんじゃないかなあって思いますね。
優香 共感できるんですね。
谷原 独身じゃありませんが、ぼくも読んでみます。