『流星の絆』と「特集・大宮エリー『生きるコント』」


<BOOKニュース*「本屋大賞2008」発表!>
◎伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』(新潮社)



4月8日、全国の書店員1000人が、「いま、一番売りたい本」を選ぶ「本屋大賞2008」の発表がありました。その表彰式の模様をお送りしました。受賞者の伊坂さんの挨拶から、以下の言葉が紹介されました。
伊坂 後になって、あんな奴選ばなきゃよかったなあとか言われないように、とりあえず、もう少し頑張りたいと思います。>
谷原 今年、伊坂さんが本屋大賞を受賞した一番の理由といえば。
松田 本屋大賞は今回で5回なんですが、5回ともノミネートされたのは伊坂さんだけなんですね。毎回、ベスト5に入っていて、今回初めて受賞ということになったんですね。書店員さんからも「伊坂作品の中では最高傑作だ」という熱いメッセージを贈られていますし、これまでの受賞作よりも部数をどれだけ伸ばしていくか期待したいですね。
谷原 ぼくは映画は観たことあるんですが、本はまだなので、是非読んでみたいですね。
松田 はい。面白いですよ。


<特集・大宮エリー『生きるコント』>
◎大宮エリー『生きるコント』(文藝春秋)



大宮エリーさん。1975年大阪生まれ。映画監督・脚本家・放送作家。東京大学薬学部卒業後、電通に入社。06年、退社してフリーに。NHK「サラリーマンNEO」「エル・ポポラッチがゆく!!」、映画「海でのはなし。」など、話題作を次々と手がけ、多数のヒットCMを生み出す傍ら、スピッツ、山崎まさよしのMVも手がける。5月には「GOD DOCTOR」で舞台初演出に挑戦。幅広い分野にわたる活躍で、いま注目されている彼女の「週刊文春」連載エッセイが刊行されました。毎日、真面目に生きているつもりなのに、なぜか、すべてがコントになってしまう人生。吉本芸人もびっくり、天然系笑いの女王エリーさんにインタビューしました。彼女には、芸能人のお友達もいっぱい。お友達を代表してオスギさんと小泉今日子さんにもコメントをいただきました。


<今週の松田チョイス>
◎東野圭吾『流星の絆』(講談社)



松田 東野圭吾さんの最新ミステリー『流星の絆』です。
N 東野圭吾の感動のミステリー『流星の絆』。幼くして、両親を惨殺された功一、泰輔、静奈の三兄妹。14年後、偶然出会ったある人物を真犯人と確信。緻密な復讐計画を着実に実行に移していく。しかし、そこに起こった大きな誤算。妹の静奈が仇の息子に恋をしてしまったのだ。しだいに崩れていく、彼らの計画の行方とは。>
松田 東野さんのミステリー作品というのは、謎解きの面白さもあるんですが、人間心理のきめ細かく描いていて、それがキリキリと読者の胸に迫ってくるんですね。家族だったり、夫婦だったり、恋人だったり、相手を思いやる気持ちが、すごく切々と迫ってくるという作品なんです。この作品でも、親を惨殺された三兄妹が復讐の計画を立てて、着実に進めていくんですけども、妹が仇と思われる男の息子に恋してしまう。その二つの葛藤が、ものすごいサスペンスになっていく。しかし、ラストのクライマックスは、さすがに東野さんだなという見事な終わり方なんですね。それともう一つ、おまけに面白いのは、ハヤシライスが、すごくおいしそうに出てくるので。ハヤシライスがキーになっているんですけども、読んでいると、やたらハヤシライスが食べたくなるという、そういうミステリーでもあります。
谷原 食べたいですよね。ぼくも読んだんですけども、ぼくにとってミステリーの面白さって、道具立てだったり、伏線を読んでいって、どういうオチにもっていくのかっていうのを自分の中で想像しながら読んでいくんですが、それが、この本は、すべてぼくの想像を超えていて、やられたなあという思いが、読み終わった後ありましたね。そして、いっぱいの優しさが詰まった本で、お兄ちゃんの妹への愛とか、いろんな優しさが詰まっています。この中に、ぼく、すっごくやりたい役があります。この役やりたいという。
松田 あの役ですね。
谷原 あの役です。
松田 谷原さんがピッタリだと思います。
谷原 皆さん、是非読んで確かめてみて下さい。