『もやしもん』と「特集・『上地雄輔物語』」


<BOOKニュース>
◎小林武史+AP BANG!『環境と欲望』(ポプラ社)



今年3月、小林武史の呼びかけによって集まったクリエイターやアーティストたちによって催されたイベント「AP BANG! 東京環境会議 TOKYO CREATORS MEETING」。ここから、昨今の環境問題のキーワードが見えてくる1冊の本が生まれました。SHIHO、茂木健一郎ほかのインタビュー、井上陽水と小泉今日子の対談などを収録しています。


<特集・初フォト&エッセイ『上地雄輔物語』>
◎上地雄輔『上地雄輔物語』(ワニブックス)



「ホントに俺が書きましたっ!」と強調するかのように、執筆のみならず、企画、構成、デザイン案まで手がけたという自信作。なんと、15日に締め切られた予約だけで6万部突破! 発売前からベストセラー間違いなしといわれる本書は、やんちゃだった少年時代、松坂選手(現レッドソックス)らとともに野球に明け暮れた青春時代、そしてブレイクした現在までを綴ったエッセイ。それに、故郷・横須賀をはじめ、思い出の地を巡るオール撮り下ろし写真を収録しました。このフォト&エッセイ集の発売直前、多忙きわめる上地さんへの独占インタビューにブランチだけが成功しました。少年時代のこと、青春をかけた野球のこと、偉大なる後輩・松坂のこと、本には書かなかった恋愛観などを伺いました。さらには、本に込めた熱い思いについても、惜しむことなく語った素顔満載のインタビューをお送りしました。


<今週の松田チョイス>
◎石川雅之『もやしもん』1~6(講談社)



松田 かなり風変わりだけど面白いコミック、石川雅之さんの『もやしもん』です。
 今年、二つの漫画賞(第12回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第32回講談社漫画賞・一般部門)を受賞したことで話題が高まっているコミック、石川雅之『もやしもん』。「かもすぞー」。キャラクター化された菌たちが空中を飛び交い、しゃべる、世にも奇妙な菌漫画。タイトルの「もやし」とは酒造りなどに使う種麹のこと。主人公は「某農業大学」に入学した沢木惣右衛門直保。もやし屋の跡取りである彼は、菌が見え、さらに会話までできるという特殊能力をもっていた。直保は風変わりな教授やくせのある仲間たちと出会い、さまざまな騒動に巻き込まれていく。>
松田 これは、農業大学を舞台にした、ある種の学園ドラマ、青春ドラマなんです。いろんな奇妙な行事があったり、変な酒屋の謎を追求したり、そうかと思うと、突然、ブルゴーニュに飛んで、ワインのことを研究したりとか、不思議な話なんです。実は、読んでいくと、本当の主役は何かということがわかって来るんですね。菌やウィルスなんですね。発酵菌とか乳酸菌とかばい菌とか、そういう菌たちが発酵とか腐敗のメカニズムを説明してくれるんですね。すごく可愛いキャラクターなんですよ。最初は、「なんだか説明の多い漫画だな」と思うのですが、それが、だんだん楽しみになってきて、実は、この世の中っていうものは、フラフラしている人間たちが支えているんじゃなくて、しっかり働いている菌たちが支えているんだっていうことがよくわかるっていう面白い漫画です。
谷原 はい。世界は菌に満ちている。