『私の男』と『ホームレス中学生』


<総合ランキング>  (11/12~18 三省堂書店全店調べ) 
 1位 田中裕『ホームレス中学生』(ワニブックス)
 2位 ロンダ・バーン『ザ・シークレット』(角川書店)
 3位 加島祥造『求めない』(小学館)
 4位 「ユリイカ臨時増刊号・総特集荒木飛呂彦」(青土社)
 5位 渡辺健介『世界一やさしい問題解決の授業』(ダイヤモンド社)
 6位 美嘉『君空』(スターツ出版)
 7位 村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋)
 8位 吉本佳生『スタバではグランデを買え!』(ダイヤモンド社)
 9位 古市幸雄『「1日30分」を続けなさい!』(マガジンハウス)
10位 上野千鶴子『おひとりさまの老後』(法研)
<BOOK NEWS>
 ◎中山和義『大切なことに気づく24の物語』(フォレスト出版)


<特集・田村裕『ホームレス中学生』>
◎田村裕『ホームレス中学生』(ワニブックス)


 
発売から二ヶ月半で140万部突破を達成。麒麟・田村の切なくも面白い貧乏生活を綴った笑えて泣ける貧乏自叙伝。中学生の時に、父親が「家族解散宣言」したためにホームレスに。ハトのえさであるパンくずを拾い集めた日々。そして、いつでも遠くで見守ってくれていた母親への思い。今回は、どうしてこの本がこんなに売れているのか、田村さん本人へのインタビューを軸に、相方の川島さん、担当編集者などからもお話を伺いました。


<今週の松田チョイス>
◎桜庭一樹『私の男』(文藝春秋)



松田 人気も評価もうなぎ登りの作家桜庭一樹さんの最新作『私の男』です。
VTR 桜庭一樹の最新作『私の男』。うらぶれた養父淳悟と、彼を愛するしかなかった娘の花。二人の禁断の愛の物語はアルバムをめくるように時をさかのぼっていく。著者は『赤朽葉家の伝説』で直木賞候補にも選ばれた注目の作家。北国の海辺の町で、逃げるように移り住んだ東京で、何があったのか。かいま見える殺人事件の影。そして、衝撃の過去が蘇ってくる。>
松田 この小説は、読み始めると、あまりに強烈な登場人物のキャラクターと、重苦しいまでの暗さに圧倒されてしまいます。孤独な男女の愛が、読者をたじろがせてしまうほどの迫力があるんです。ただ、桜庭さんの筆の力でグイグイと引き込まれてどんどん読んでいくと、過去をズーッとさかのぼっていくと、なぜこういう愛が生まれたのかということがわかってくる。そうすると、ギリシャ悲劇を観ているような、禁断の愛の美しさみたいなものが、最後には輝いて見えてくるんです。これだけ力がある作品なので、たぶん、次の直木賞候補になるんじゃないかと思いますし、大きな賞を取る作品になると思いますね。
優香 私も読みまして。こういう感じのは初めて読んだんですけども、表紙も結構衝撃的じゃないですか。で、読み始めても、刺激的なことがすごくあって、うーんちょっと難しいなあって思いながら読んでいったんですが、途中から、サスペンスなんだということに気がついて、そこからはグーンと引き込まれていったんです。とにかく、刺激が欲しい方にはいいですよね。
松田 過去にさかのぼっていくというところがミソですよね。いろんなことが見えてくる、そこが面白いです。
谷原 みなさんも禁断の愛に溺れてみてはいかがですか。