『きのうの世界』と「箭内道彦『サラリーマン合気道』」


<総合ランキング> (三省堂書店全店調べ・9/22~9/28)
① Jamais Jamais『O型自分の説明書』(文芸社)
② 監修:岡田斗司夫『カロリー・書くだけhappyダイエット』(学習研究社)
③ 瀬尾幸子『もう一軒おつまみ横丁』(池田書店)
④ 姜尚中『悩む力』(集英社)
⑤ 茂木健一郎『脳を活かす仕事術』(PHP研究所)
⑥ Jamais Jamais『A型自分の説明書』(文芸社)
⑦ 副島隆彦『恐慌前夜』(祥伝社)
⑧ Jamais Jamais『B型自分の説明書』(文芸社)
⑨ 監修:板木利隆『からだにおいしい野菜の便利帳』(高橋書店)
⑩ 金本知憲『覚悟のすすめ』(角川書店)


<特集・箭内道彦『サラリーマン合気道』>
◎箭内道彦『サラリーマン合気道』(幻冬舎)



アイディアは書き留めない、積極的に緊張する、相手の力を利用すれば実力以上の仕事ができる。気鋭のクリエイティブディレクターが挫折と失敗から編み出した45の仕事術。自分には個性やこだわりがないという人にこそ役立つ、具体的なアドバイス。
箭内道彦 1964年生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒。博報堂を経て、2003年、「風とロック」設立。CFプランニング、グラフィックデザイン、プロモーション等の広告キャンペーンから、ミュージシャンのアートワーク、ショートフィルム、商品企画、空間演出、イベントまでジャンルを超えて幅広く話題のクリエイションを手掛ける。05年、フリーペーパー「月刊風とロック」創刊、08年4月からNHK「トップランナー」のMCを務める。


<今週の松田チョイス>
◎恩田陸『きのうの世界』(講談社)



松田 1作ごとに新しい世界を繰り広げて、僕たちを楽しませてくれている恩田陸さんの最新長編小説『きのうの世界』です。
N 恩田陸の最新長編小説『きのうの世界』。舞台は、塔と水路がある「M町」。その「水無月橋」で見つかった死体。一年前に失踪したはずの男は、なぜここで死亡したのか? そして、その町に隠された大きな「謎」とは? 「世の中には、掘り返さないほうがいい場所、手を触れないほうがいい場所というのがあるのかもしれない」。「これは私の集大成」と作者が語るエンタテインメント大作。>
谷原 実は、ぼくも読ませていただいて、まだ途中なんですが、ぼくは、どちらかというと恩田さんの短編集を読むことが多かったんですけども、今回のは一つのお話になっているんですね。さすがだなあ、と思うのは、恩田さんの独特な世界観というんですか、一見、普通なんですけども、何か現実の世界とは、同じようなコピーが、ずれたものが入れ替わっているといいますかね。それが、読み進んでいくうちに、不思議な世界に巻き込まれていく感じがして……。
松田 そうですね。本当に、キラキラと色鮮やかな覗きからくりを見ているような感じで、リアルなんだけど、ちょっとずれている、不思議な感じがあって。で、だんだん読んでいくと、この「M町」という町には大きな「謎」が隠されているらしい、それから、もう一つ殺人の「謎」があって、その「謎」と「謎」が絡まり合っていくんですね。それを、どんどんどんどん解きほぐしていくと、壮大なクライマックスが待っているんです。なんだか、ものすごくスケールの大きなジグソーパズルをやっているような感じで、最後、ピタッとはまった時に何が起こるか、というのが楽しみなんですね。
谷原 ぼくは、まだ途中なんで、それが楽しみですね。本当に文章力のある方ですよね。
松田 そうですね。一人一人の登場人物、一つ一つの風景がものすごく鮮やかに描かれているんで、小さい部分だけでも、ショートストーリーとして独立して楽しめるという感じですね。
谷原 形式としてはオムニバスとして進めていますよね、バラバラに。
松田 そうですね。
谷原 気になった方は、是非、チェックしてみてください。