「王様のブランチ」出版情報ニュース(2007.11.17)

『人妻魂』と『自虐の詩』

松田哲夫

<総合ランキング> (11/4〜11/11 有隣堂書店全店調べ)

1位 田中裕『ホームレス中学生』(ワニブックス)
2位 坂東眞理子『女性の品格』(PHP研究所)
3位 ロンダ・バーン『ザ・シークレット』(角川書店)
4位 加島祥造『求めない』(小学館)
5位 美嘉『君空』(スターツ出版)
6位 有川浩『図書館革命』(メディアワークス)
7位 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社)
8位 『明るい暮らしの家計簿2008』(ときわ総合サービス)
9位 浅田次郎『中原の虹 第4巻』(講談社)
10位 岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』(新潮社)

<BOOKニュース>

◎日本推理作家協会60周年記念イベント「作家と遊ぼう!MYSTERY COLLEGE」

<特集・日本一泣ける4コマ漫画『自虐の詩』>

◎業田良家『自虐の詩』(竹書房)

現在公開中の映画「自虐の詩」(堤幸彦監督)の原作は業田良家さんの伝説的な漫画です。1985〜1990年に週刊誌に連載されたこの作品は、当初は複数のシリーズのある、普通の4コマ漫画でした。それが、途中から、怒るとすぐにちゃぶ台をひっくり返すイサオとけなげに仕える薄幸の妻幸江、この二人のシリーズだけに変化していきました。そして、この二人の過去がしだいに明らかになっていくうちに、普通のギャグ漫画だった世界が一変してしまいます。終盤にさしかかって号泣してしまった読者も多いといわれています。この名作漫画がどうして誕生したのか、作者の業田さんに伺いました。

<今週の松田チョイス>

◎嵐山光三郎『人妻魂』(マガジンハウス)

松田 去年から今年にかけて文学賞を次々に受賞しています嵐山光三郎さんの最新作『人妻魂』です。
VTR 「人妻という言葉ほど男心をしびれさせるものはありません」と語る著者の最新作は、有名人妻たちのドラマチック人生。漱石、?外らの文豪夫人や、12人の子供を産んだ歌人の与謝野晶子、4回結婚した宇野千代など、個性的で、自分の人生を精一杯生きたてきた人妻53人。嫉妬に不倫、流浪に心中、昼メロも顔負け、女と男の面白さ満載の一冊です。>
松田 嵐山さんのキレのいい文章で紹介される人妻の話っていうのが53話あるんですが、本当に圧倒されるんですね。特に、明治大正というと、一般的には女性は社会的に恵まれていない時代だったんですけども、でも中には、自由奔放に生きた人たちもいて、不倫をして心中まで突っ走っちゃう人がいたり、とんでもない悪妻がいたりとか、個性的に人生を生きた人たちがたくさんいたんだなあという気がして……。わりに最近でも、宇野千代さんなんていう人は4回結婚して4回離婚して、99歳まで生きて、本当に元気で最後まで作品を発表していたという人でして。今の若い人たちは、結婚とか、妻になるとかいうと、同じようなイメージしかないと思うんですけど、結婚生活にしても人生にしてもいろいろ楽しんでいいよ、こんな可能性もあるよということを教えていくれるカタログみたいな感じで、楽しく読めると思います。
谷原 過去の人っていうと、貞淑だったり、慎ましかったりというイメージがあるんですが、そうだけではなかったということですね。
松田 そうですね。
谷原 女性にはかないません。