③ まとめとして
このような俳句の特徴を押さえて、授業では次のヒミツを強調しています。
a 感動の中心は何か。
「季語」「切れ字」に注意に注意し、何を発見(気づき・詠嘆・感動・挨拶・ユーモアなど)し、何に驚いたのか、ということを具体に即して考える。
b なぜこの言葉が選ばれたのか。
なぜ、作者がこのような語を選んだのかということを考え、心情と情景及び、句の調べについて考える。
以上のことを踏まえて、俳句の授業を始めたいと思います。
●教材
1 秋三句
- この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉 三橋鷹女
(筑摩書房『精選国語総合 現代文編 改訂版』P.152)
- 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 正岡子規
(筑摩書房『精選国語総合 現代文編 改訂版』P.152 『国語総合 改訂版』P.166)
- 啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々 水原秋桜子
(筑摩書房『精選国語総合 現代文編 改訂版』P.152)
2 冬三句
- いくたびも雪の深さを尋ねけり 正岡子規
(筑摩書房『国語総合 改訂版』P.166)
- 海に出て木枯帰るところなし 山口誓子
(筑摩書房『精選国語総合 現代文編 改訂版』P.153)
- 冬深し柱の中の濤の音 長谷川櫂
(筑摩書房『精選国語総合 現代文編 改訂版』P.153)
3 春三句
- バスを待ち大路の春をうたがはず 石田波郷
(筑摩書房『精選国語総合 現代文編 改訂版』P.151)
- 春風や闘志いだきて丘に立つ 高浜虚子
(筑摩書房『国語総合 改訂版』P.166)
- 春ひとり槍投げて槍に歩み寄る 能村登四郎
(筑摩書房『精選国語総合 現代文編 改訂版』P.151)
4 夏三句
- 万緑の中や吾子の歯生え初むる 中村草田男
(筑摩書房『精選国語総合 現代文編 改訂版』P.152 『国語総合 改訂版』P.168)
- 子を殴ちしながき一瞬天の蝉 秋元不死男
(筑摩書房『精選国語総合 現代文編 改訂版』P.152)
- 白牡丹といふといへども紅ほのか 高浜虚子
(筑摩書房『国語総合 改訂版』P.166)