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2008.11.12

津村記久子さん、第30回野間文芸新人賞を受賞!

 11月7日(金)に、野間文芸新人賞の選考会が行われ、第21回太宰治賞を受賞してデビューした津村記久子さんの「ミュージック・ブレス・ユー!!」(角川書店)が受賞作に選ばれました(選考委員は、角田光代、多和田葉子、堀江敏幸、町田康、松浦理英子の各氏)。
 津村さんは大阪在住。東京で選考会の結果待ちをしようと、担当編集者が集まるホテルに向かう途中のタクシーの中で吉報を受け取りました。16時を少し回ったところ。かなり早い決着でした。
 その後、帝国ホテルで記者発表が行われました。松浦理英子氏によると、第1回の投票で早くも大勢が決したとのこと。青春小説のようでありながら、限られた世界ではなく大きなスケールで社会を見つめており、個別的な男女の交流を通してという今までの定石からはずれ、日常を描くことで、今までの少女像とはまったく違った少女の戦いを、ナチュラルな筆致で端整に描いているところがいい、と評価しました。
 津村さんは、太宰賞を受賞した直後に、この主人公を思いついた。女の子が、なにもせず、だらだらしているだけの話。そういう人はけっこういるのに、あまり描かれていないので、それを書きたかった。書けただけでも満足だったので、こんなふうに読んでもらえて、こんな賞までいただけるなんて、とてもうれしい、と語りました。
 受賞の一報を聞いたときはどうでしたか?という質問には、受賞させてあげる詐欺かな、と思ったと述べ、緊張の面持ちから一瞬、素顔を覗かせました。
感想文の対象に選ばれた本たち

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