逃走論 ─スキゾ・キッズの冒険

浅田 彰

パラノ人間からスキゾ人間へ、住む文明から逃げる文明への大転換の中で、軽やかに〈知〉と戯れるためのマニュアル。

逃走論 ─スキゾ・キッズの冒険
  • シリーズ:ちくま文庫
  • 990円(税込)
  • Cコード:0110
  • 整理番号:あ-5-1
  • 刊行日: 1986/12/01
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:320
  • ISBN:978-4-480-02107-6
  • JANコード:9784480021076

この本の内容

《パラノ人間》から《スキゾ人間》へ、《住む文明》から《逃げる文明》への大転換の中で、軽やかに《知》と戯れるためのマニュアル。―現代思想の最前線を疾走する若き知性がドゥルーズ=ガタリ、マルクスなどをテクストに語る《知》的逃走のための挑発的メッセージ。

この本の目次

逃走する文明
ゲイ・サイエンス
差異化のパラノイア
スキゾ・カルチャーの到来
対話 ドゥルーズ=ガタリを読む
マルクス主義とディコンストラクション
ぼくたちのマルクス
本物の日本銀行券は贋物だった
共同討議マルクス・貨幣・言語
ツマミ食い読書術
知の最前線への旅
N・G=レーゲン『経済学の神話』
今村仁司『労働のオントロギー』
広松渉『唯物史観と国家論』
栗本慎一郎『ブタペスト物語』
山本哲士『消費のメタファー』
柄谷行人『隠喩としての建築』
山口昌男『文化の詩学1・2』
蓮実重彦『映画誘惑のエクリチュール』

読者の感想

2011.9.14 樋口淳一郎


 日本のポストモダンは借り物だったといわれる。しかし、スキゾとパラノの対概念を詳細に見れば、「スキゾ」がポストモダン、「パラノ」がモダンであると解釈できる。

 
 『構造と力』は優れた総合的解説書であるとしても、彼の提示する「スキゾ」には、ポストモダンの予感的実態としての感覚がこもっている。

 当時わが国は、「モダン」から「ポストモダン」への移行期にあった。その「移行期」はその後、数回にわたって展開されるが、その幕開けの貴重な書である。

2011.9.14 樋口淳一郎

ニーチェがアポロとディオニュソスの対概念を古典世界から抽出したことはよく知られている。本書においては、前者がパラノ、後者がスキゾに相当すると思われる。パラノとスキゾの一対を精神病理学から広く文化一般における有効な対概念として指定した著者の功績は初版刊行から30年が経過しようとしている現在、むしろその命題における生命を保つことを証明している。巻末のブック。ガイドは、読むに値する本が要領よく示されている。「ゲイ・サイエンス」的書物である。

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