映画 誘惑のエクリチュール

蓮實 重彦

フィルムの誘惑にさからいつつ身をゆだねる……その必敗の記録として束ねられた70年代末―80年代初頭の外国映画論集。
【解説: 石原郁子 】

映画 誘惑のエクリチュール
  • シリーズ:ちくま文庫
  • 924円(税込)
  • Cコード:0174
  • 整理番号:は-2-3
  • 刊行日: 1990/12/04
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ISBN:4-480-02502-2
  • JANコード:9784480025029
蓮實 重彦
蓮實 重彦

ハスミ シゲヒコ

1936年東京生まれ。60年東京大学仏文学科卒業。同大学大学院人文研究科仏文学専攻修了。65年パリ大学大学院より博士号取得。東京大学教養学部教授(表象文化論)、東京大学総長を歴任。東京大学名誉教授。仏文学にとどまらず、映画、現代思想、日本文学など多方面で精力的な評論活動を展開し続けている。著書に『表層批評宣言』『凡庸な芸術家の肖像』『映画の神話学』『シネマの記憶装置』『映画はいかにして死ぬか』『映画 誘惑のエクリチュール』『監督 小津安二郎〔増補決定版〕』『齟齬の誘惑』『映像の詩学』『『ボヴァリー夫人』論』『伯爵夫人』ほか多数。

この本の内容

70年代末から80年代初頭にかけて死去したルノアール、ウォルシュらシネアストへの追悼にはじまり、同時代のアメリカ映画とヨーロッパ映画に関する作品論、作家論を中心に編まれた外国映画論集。フィルムの誘惑に敗れ続ける甘美な快楽と映画について言葉を産み出しつづける戦闘的な意志の拮抗が、今なおしなやかに斬新な誘惑をたたえている。

この本の目次

フィルムを追悼する(ルノワール、または横笛の誘惑
ジョン・ウェインという記号
いまひとりのキャメラを持った男 ボリス・カウフマン追悼
運動=物質=死 ラオール・ウォルシュ追悼
ルネ・クレール追悼)
アメリカ映画(浮上の滑走 フランシス・コッポラ『地獄の黙示録』の一挿話を読む
マイケル・チミノの『天国の門』曖昧な弱さの魅力
ロバート・アルトマンまたは大胆な繊細さ『ウエディング』の自然と不自然
映画作家クリント・イーストウッド
七の奇蹟 バッド・ベティカー論)
ヨーロッパ映画(フィルム的磁力の誘惑 フランソワ・トリュフォー論
フェリーニの『カサノバ』または機械の孤独
エルマンノ・オルミの『木靴の樹』
ダニエル・シュミット試論
『奇跡』の奇跡 ドライヤーの場合)
シネアストたちの素顔(四の悲劇 ビートルズと映画
映画と色彩
触覚的体験としての批評
『ゴダール/映画史』を読む
シネアストたちの素顔)
若干の反=理論的な考察(制度としての映画
映画と批評
映画と文学
物語、説話、そしてその言説
説話論的な知と映画的欲望)

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