会社員の父から息子へ

勢古 浩爾

生きていくことの意味。

会社員として長い年月を生きた一人の男として、子どもに伝えておきたいことがある。そう思うお父さんは少なくないだろう。定年退職を迎えた男の人生節目の手記。

会社員の父から息子へ
  • シリーズ:ちくま新書
  • 748円(税込)
  • Cコード:0295
  • 整理番号:686
  • 刊行日: 2007/10/09
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:208
  • ISBN:978-4-480-06389-2
  • JANコード:9784480063892
勢古 浩爾
勢古 浩爾

セコ コウジ

一九四七年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社勤務ののち執筆活動に専念。市井の一般人が生きてゆくなかで、運命に翻弄されながらも自身の意志を垂直に立て、何度でも人生は立てなおすことができると思考し、静かに表現し続けている。一九八八年、第7回毎日21世紀賞受賞。著書に『まれに見るバカ』(洋泉社)、『自分様と馬の骨』(三五館)、『結論で読む人生論』(草思社)、『ぼくが真実を口にすると 吉本隆明88語』(ちくま文庫)、『会社員の父から息子へ』(ちくま新書)ほか。

この本の内容

「会社員」として長い年月を勤め上げたひとりの人として、息子(娘)に伝えておきたいことがある―そう思うお父さんは決して少なくないだろう。だがそれは、謹厳実直な人生訓ではない。立派な申し渡しでもない。遺言ともちがう。しいて言えば、自己証明の記録だろうか。すべての無駄を排除したのちになお残る言葉があるとすれば、それのみを掬い上げて伝えたい、父から子への手記。

この本の目次

第1章 なにもいわない
第2章 会社員であるということ
第3章 愛した人は愛した人
第4章 金と心
第5章 世の中を生きるということ
第6章 男に「幸せ」などない
第7章 いつか訣れる

読者の感想

2008.4.09 クールK

これほど魂を揺さぶられる本を初めて読みました。この世の全ては無意味だ。著者の勢古氏は、そんなニヒルな世界観に敢えて正面から臨み、徹底的に受け入れています。そして、そこで開ける新しい世界観が、本書にははっきりと示されています。それは、「いま生きている」という「根本的な無意味」の中に、敢えて明確な意味を「見出し」生きること。著者が会社員として生きた半生、父母を無くした経験、自分が2人の子の父であるという状態。誰にでも起こりうる普遍的な経験でありながら、且つ命を生きる個々人にとっては唯一無二の現象を、自身の生きる「意味」として捉え、我々に語りかけます。息子へのメッセージという形式のせいか、小説や哲学書と違い、より直接的に胸に迫ってくるものがありました。今後、私がどれ程生きるかは分かりませんが、同じ「会社員」として、人の「子」として、いつかは「父親」として、一日一日を誠実に生き、そこで得られる一つ一つの関係の中に、私の生きる意味を見出せそうな気がします。そんな力強さを本書は与えてくれました。ただ、勢古氏が散々に嫌う「合コン」だけは、細々と続けるような気がします。

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