創刊の社会史
雑誌!
ポパイ族から盛王GUYまで。アンノン族からage嬢まで。若者雑誌の創刊号をたどり、70年代以降の社会を読み解く。めくるめくタイムトリップへ読者をご案内。
- シリーズ:ちくま新書
- 836円(税込)
- Cコード:0200
- 整理番号:763
- 刊行日:
2009/01/06
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:新書判
- ページ数:256
- ISBN:978-4-480-06455-4
- JANコード:9784480064554
- 在庫 ×
創刊号をひもとくこと、それは封印された過去を追体験することに他ならない。そこには、時代の情念がねばりつき、出版人の生あったかいドラマが織り込まれている。本書では、「an・an」「POPEYE」「non・no」「JJ」「CanCam」「Olive」「Hot‐Dog PRESS」「BOON」「GON!」「egg」「小悪魔ageha」などなど、70年代以降の若者雑誌をたどりながら、読者がメディアをどのように受容してきたのかをみていく。
第1章 それは「山師」である。
第2章 それは「柳の下」である。
第3章 それは「瀬踏み」である。
第4章 それは「黒船」である。
第5章 それは「伴走者」である。
第6章 それは「兄弟姉妹」である。
第7章 それは「カレ誌」である。
第8章 それは「アウトサイダー」である。
第9章 それは「キャットファイト」である。
第10章 それは「青田刈り」である。
第11章 それは「忘れたい過去」である。
2009.4.13 豊平川
『創刊の社会史』は、雑誌好きには堪らない一冊でした。
こんなに知的興奮を覚えたのは、坪内祐三『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』(05年)を読んで以来でしょうか。
何より、雑誌創刊号の濫読(創刊号フェチ)が「学問」として成立する点が、新鮮な発見でした。その意味で、本書は 本編以上に、番外章(「はじめに」「おわりに」)の存在感が大きかったです。曰く、表紙に貼りつく情念、雑誌の悦楽・創刊の愉悦、創刊号マニアの世界、・・・曰く、創刊号の語るもの、「雑」の時代の終焉、・・・等々。
本編では、特に 第4章(それは「黒船」である)の「カタログ雑誌の時代」、第5章(それは「伴走者」である)の「パートナーとしての光文社男」辺りに、著者の真骨頂を感じました。
しかし、『POPEYE』創刊(1976年)を論ずるなら、『大学マガジン』(79年)誕生にも触れて欲しかった。同様に『BRIO』創刊(99年)を云々するなら、『メンズウォーカー』(96年)も採り上げてほしかったですね。
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