ニーチェと悪循環

ピエール・クロソウスキー 著 , 兼子 正勝 翻訳

永劫回帰の啓示がニーチェに与えたものは、同一性の下に潜在する無数の強度の解放である。二十一世紀にあざやかに蘇る、逸脱のニーチェ論。

ニーチェと悪循環
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,650円(税込)
  • Cコード:0110
  • 整理番号:ク-11-1
  • 刊行日: 2004/10/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:544
  • ISBN:4-480-08879-2
  • JANコード:9784480088796

この本の内容

妻の肉体を次々と客人に提供するという衝撃的な小説三部作『歓待の掟』(1953‐60年)で欲動の共同体を望見したクロソウスキーが、フランスにおける有力なニーチェの翻訳者・研究家の一人として68年5月直後のフランス思想界に投じた、驚嘆すべきニーチェ論。人格の同一性の下にざわめく言語以前の無数の欲動、すなわち強度の解放という本書の提示した光によって、ニーチェの悲劇的生と思想はまったくあらたな相貌を明らかにする。大小の断片を積み重ね、自在な引用をつむいでゆく、それ自体破天荒で啓示的な反‐論述は、21世紀の今も誇らしく異端的な地位を失っていない。優れた翻訳による、みずみずしく真に独創的なニーチェ論の蘇り。

この本の目次

文化との闘い
欲動の記号論の起源としての病的諸状態
永劫回帰の体験
頽廃、躍動、集団、個別的ケース―四つの基準の起源としての病的諸状態
永劫回帰の科学的説明の試み
選別の教説としての悪循環・永劫回帰の政治的ヴァージョン・悪循環の陰謀
父の亡霊との対面
病者によるもっとも美しき発明
トリノの陶酔
ニーチェの記号論に関する付記

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