増補 〈歴史〉はいかに語られるか ─1930年代「国民の物語」批判
「国民の歴史」を生んだもの
「国民の物語」としての歴史は、総動員体制下いかに機能したか。多様なテキストから過去/現在を語る装置としての歴史を問い直す。
【解説: 福井憲彦 】
- シリーズ:ちくま学芸文庫
- 1,210円(税込)
- Cコード:0121
- 整理番号:ナ-18-1
- 刊行日:
2010/03/10
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:文庫判
- ページ数:368
- ISBN:978-4-480-09284-7
- JANコード:9784480092847
- 在庫 ×
“歴史”とは、決して客観的で自明なものではない。どの出来事を取り上げ、どう叙述するかで、全く異なった貌を見せる―。本書では、総動員体制へと向かう1930年代、「日本」における歴史意識がどのようなものであったのかを追う。当時の多様なテクストの「語り」から見えてくるのは、“歴史”が、均一的な「日本人」を主語とする「国民の物語」へと変貌し、排他的な共同体意識を生んでいくメカニズムだった。歴史小説『夜明け前』、戦争文学『麦と兵隊』、生活記録『綴方教室』など、多くの人が愛読した作品を通して、過去/現在を語る装置としての“歴史”のあり方を問い直す。
序章 なぜ、“歴史の語り”が問われるのか
第1章 「歴史」の語り―一九三〇年代の明治維新像
第2章 「戦争」の語り―日中戦争を報告する文体
第3章 「現場」の語り―記録と「啓蒙」の一九三〇年代
終章 広島と沖縄戦の語りから―「国民の物語」を超えて
補論1 『小島の春』のまなざし
補論2 『小島の春』の旅
補論3 『綴方教室』の世界
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
(ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
歳
公開可 公開不可