禅に生きる 鈴木大拙コレクション
困難な時代を生きた
仏教者の真摯な肉声
静的なイメージで語られることの多い大拙。しかし彼の仏教は、この世をよりよく生きていく力を与えるアクティブなものだった。その全貌に迫る著作選。
日本が生んだ世界で一番有名な仏教者・鈴木大拙。禅に関する書物を数多く英語で出版し、たびたび海外に招かれ講演を行った大拙の仏教は、日本の仏教徒のみならず、ユングやハイデガーといった西洋の思想家をはじめ、ビート・ジェネレーションと呼ばれる人々をも魅了した。本書では、今では読むことが難しい、雑誌への投稿論文や、西田幾多郎ら近しい人たちへ宛てた書簡を、編年体で収録。すべてを知ることのできる仏の智慧=「般若」と、すべての生きとし生けるものを救う仏の慈悲心=「大悲」が融合する大拙特有の「禅」がどのように作り上げられていったのか、その思想の道すじが分かる、学芸文庫オリジナル編集。
在米時代(一八九七〜一九〇八年)(旅のつれづれ(抄)
一八九八年三月三十日 西田幾多郎宛書簡 ほか)
帰国後(一九〇九〜一九二〇年)(緑陰漫語(抄)
一九一一年二月二十三日 ポール・ケーラス宛書簡 ほか)
京都時代(一九二一〜一九三〇年)(政治より宗教へ
起て若い君等よ ほか)
十五年戦争期(一九三一〜一九四五年)(日本精神と禅の側面観
一九三六年二月二十七日 山本良吉宛書簡 ほか)
敗戦後(一九四五〜一九六六年)(一九四五年八月十六日 加納実宛書簡
一九四五年八月二十二日 務台理作宛書簡 ほか)
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