自然とギリシャ人・科学と人間性

E・シュレーディンガー 著 , 水谷 淳 翻訳

量子的世界像によって
自然の謎はいっそう深まった。

量子力学の発展は私たちの自然観・人間観にどのような変革をもたらしたのか。『生命とは何か』に続く晩年の思索。文庫オリジナル訳し下ろし。

自然とギリシャ人・科学と人間性
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,100円(税込)
  • Cコード:0140
  • 整理番号:シ-15-2
  • 刊行日: 2014/07/09
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:224
  • ISBN:978-4-480-09617-3
  • JANコード:9784480096173
E・シュレーディンガー
E・シュレーディンガー

シュレーディンガー,E

1887‐1961年。ウィーン生まれの理論物理学者。電子の波動の従うべき方程式を導き、「波動力学」を確立。その業績が認められ1933年にノーベル物理学賞を受賞した。その一方で科学と人間存在、科学と精神の問題などについての思索を深め、晩年には物理学の枠を超えた壮大な哲学を展開した。著書に『生命とは何か』(岩波文庫)、『精神と物質』(工作舎)などがある。

水谷 淳
水谷 淳

ミズタニ ジュン

翻訳家。東京大学理学部卒業、同大学院修了。博士(理学)。訳書に『宇宙 起源をめぐる140億年の旅』(タイソン)、『重力の再発見』(モファット、以上早川書房)『もっとも美しい対称性』(スチュアート、日経BP社)『数学の秘密の本棚』(スチュアート、ソフトバンククリエイティブ)他多数。

この本の内容

古代ギリシャ人が思い描いた「原子」の世界観は、量子力学の確立によって現代に甦ったかに見える。けれども量子の奇妙な振る舞いは、「自然とは何か」という問に答えるどころか謎を深めるばかりであった。波動力学の提唱者として物理学の最前線に立っていたシュレーディンガーは科学の役割を、そして人間存在の意味をどのように考えていたのだろうか?高名な『生命とは何か』に続く晩年の講演録。新訳。

この本の目次

自然とギリシャ人(古代の思想に立ち返る動機
理性と感覚の争い
ピタゴラス学派
イオニアの啓蒙運動
クセノパネスの信条、エペソスのヘラクレイトス
原子論者
科学の特別な特徴とは何か?)
科学と人間性(生き方における科学の精神的意味合い
真の重要性を打ち消しかねない科学の実際的成果
物質に対する人々の考え方の根本的な変化
基本的概念は物質でなく形である
わたしたちの「モデル」の本質
連続的記述と因果性
連続性の複雑さ
付け焼き刃の波動力学
主体と対象との境界は崩れたとされる
原子か量子か―連続性の複雑さから逃れるための古くからの呪文
物理的不確定性は自由意志にチャンスを与えるか?
二ールズ・ボーアのいう、予測を妨げるもの)

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