日本陸軍と中国 ─「支那通」にみる夢と蹉跌
中国スペシャリストとして活躍し、日中提携を夢見た男たち。なぜ彼らが、泥沼の戦争へと日本を導くことになったのか。真相を追う。解説_五百旗頭真
中国スペシャリストとして、戦前の対中外交を率いた陸軍「支那通」。その代表的人物・佐々木到一は、孫文はじめ中国国民党の要人と深い親交を結び、第二次北伐に際しては国民革命軍にも従軍した。しかし、その後、支那事変(日中戦争)では南京攻略戦に参加して、いわゆる南京「虐殺」の当事者となり、戦後、激しい批判にさらされることになる。革命に共感を寄せ、日中提携を夢見た彼らが、結果としてなぜ泥沼の支那事変へと両国を導くことになったのか。われわれは、どこで道を誤ってしまったのか?「支那通」の思想と行動を通して、戦前の日中関係の深層に迫る。
序章 陸軍支那通とは何か
第1章 陸軍支那通の誕生
第2章 中国軍閥と支那通
第3章 新支那通の登場
第4章 ナショナリズムの相剋
第5章 日中衝突
終章 支那通の功罪
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