文学部をめぐる病い ─教養主義・ナチス・旧制高校

高田 里惠子

戦中・戦後の独文学者を主な素材に、日本のエリート=〈二流〉のメンタリティを豊富な引用を使って鮮やかに意地悪に描く。
【解説: 斎藤美奈子 】

文学部をめぐる病い ─教養主義・ナチス・旧制高校
  • シリーズ:ちくま文庫
  • 1,045円(税込)
  • Cコード:0110
  • 整理番号:た-51-1
  • 刊行日: 2006/05/10
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:416
  • ISBN:4-480-42215-3
  • JANコード:9784480422156
高田 里惠子
高田 里惠子

タカダ リエコ

1958年神奈川県生まれ。東京大学大学院博士課程(ドイツ文学専攻)単位取得満期退学。現在、桃山学院大学教授。著書に『グロテスクな教養』(ちくま新書)、『文学部をめぐる病い――教養主義・ナチス・旧制高校』(ちくま文庫)、『学歴・階級・軍隊――高学歴兵士たちの憂鬱な日常』(中公新書)、『失われたものを数えて――書物愛僧』(河出ブックス)などがある。

この本の内容

戦時中はナチスにコミットし、戦後はヘッセの「よき理解者」として活躍する独文学者。しかし、それは決して“変節”などではない。“一流”を断念した、エリート=“二流”たちの誠実な仕事ではあったのだ。豊富な引用と、愛情(皮肉?)たっぷりの註釈を満載して「文学」ではなく「文学部」のメンタリティを鮮やかに浮かび上がらせる。ますます大衆化する現代日本の中で、内なる“二流”を抱えたすべての人にささげる哀感コメディ。

この本の目次

自覚症状―まず、何が問題なのか
病歴―大政翼賛会文化部と第一高等学校
病源―さらば、東京帝国大学
自己診断―高学歴者の悲哀
症例―学校小説としての『ビルマの竪琴』
伝説―『車輪の下』、あるいは男の証明
余病―中野孝次、カフカから清貧へ

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