大本営発表という虚構
太平洋戦争中の情報操作は戦局の悪化とともに激しくなる。主導した大本営発表の実態と構造を解明する。歴史の教訓に学ぶための1冊。解説 望月衣塑子
戦況の悪化にともない、偽りの情報を流すことによって、人々を欺いた大本営発表。それは軍事主導体制内部でも深刻な対立・錯誤を招き、さらに犠牲を生じさせた。最悪のフェイク・ニュースは太平洋戦争期間中にどのような変遷をたどり生まれたのか。情報隠蔽・記録改竄という問題に直面する私たちが、昭和の負の歴史を教訓化するために必読の1冊。
第1章 大本営発表の開始(第一回目の衝撃
諦め、熱狂、無関心 ほか)
第2章 大本営発表という組織(曖昧な組織
二つの報道部 ほか)
第3章 大本営発表の思想(悩める知識人
東條がつくった国民囲い込みの「外壁」 ほか)
第4章 大本営発表の最期(「大本営発表」から「大本営及帝国政府発表」へ
シビリアンコントロールの定着 ほか)
第5章 大本営発表からの教訓(大本営発表の歪みからみる日本軍の特質
アッツ島玉砕にみる日本軍の欠陥 ほか)
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