読者の皆様、小説『包帯クラブ』へ寄せてくださったメールを拝読しました。
ありがとう、ありがとう、ありがとう。本当にありがとうございます。
感動で胸がほかほかしています。皆さんの送ってくださった感想を、意見を、ご自身の体験を、読み進めていくうち、じんわりと心の奥深いところから熱いものがこみ上げてきて、知らないうちに、泣いていました。涙がしばらく止まりませんでしたし、止めたくもありませんでした。本当に、本当に、うれしい涙でした。
こんなにも多くの読者に想いが届くなんて、なんという幸福でしょう。
このようなすばらしい人々と、本を介して、つながり合うことができるなんて、実に実に恵まれた作家だと思います。
この『包帯クラブ』には、自分が子どもの頃に受けたいくつかの傷も、それぞれの人物に託して書いています。リアリティのために必要だと思ったからですが……今回、皆さんによって、そうしたかつての自分の傷にも、しっかり包帯を巻いてもらった想いです。
心のなかにいまも息づく、子ども時代の自分が、皆さんが巻いてくださった包帯を眺め、にっこり笑っている感覚を、強く抱きしめています。
さて現在、映画『包帯クラブ』が完成し、上映が始まりました。
私はこの映画が大好きです。原作者として、[誇り]と言える作品です。
私は、小説『包帯クラブ』を、人々が受け渡していくリレーのバトンのようなものになればと思って書きました。映画のスタッフ・キャストは、その意向を汲んで、『包帯クラブ』の核となる想いのバトンを、より多くの人へ、より遠くの人へ渡そうと、すばらしい映画にしてくれました。小説のまんまではないけれど、そこがよいと思っています。バトンですから。受け取った人が、さらに自分の想いをのせ、人から人へ渡していくことが大事ですから。でも、小説の核心の部分は的確に、熱く、表現されています。
(高橋瞳さんの主題歌もとても感動的で、彼女にもバトンが渡っているのを感じます。)
この映画を、皆さんに、また多くの人に観ていただけたらと思っています。
宣伝で言うのではなく、感動を一緒に分かち合いたくて、親友の背中を押すように、「いいんだけど、どう」と、勧めたいと思ったのです。
小説『包帯クラブ』の続編も、つづきを望まれる皆さんの声に後押しされて、しっかり書きたいという気持ちが湧いてきています。こんなにも素敵な読者が待っていてくれるのだから、ちゃんと信頼に応えないと、という想いです。
では、皆様、どうぞおからだを大切にお過ごしください。傷を受けても、きっと人は幸せになれます。そのためにも、からだは大切になさってください。
2007.9.20
天童荒太
