各地のメーデー

雨宮4月末から5月中旬まで全国各地でインディーズ系メーデーデモやイベントがありましたね。私は札幌、福岡、岐阜に行きました(★メーデースケジュール表や各地のメーデーについてはwebちくまの雨宮氏連載参照)。  札幌ではパンクの人たちがたくさん参加してました。福岡では歩道でデモをやろうとしたら、「デモ申請をしてない」という理由で警察が公園から出してくれなかった。

松本今回、俺の行った5月4日の仙台ではオルタナティブな生き方をするみたいなテーマを出していて、従来の労働運動とだいぶノリが違ってました。生き方そのもののほうがテーマになっててよかったです。

雨宮そうですね。一番感慨深かったのは5月2日の岐阜のメーデーですね。ただの飲み会なんですよ(笑)。自由気ままなメーデー。それで、私も実行委員に参加してますが、5月3日の新宿の「自由と生存のメーデー」デモはどうでした? (http://freeter-union.org/mayday/

松本とりあえず人がいっぱい来て、すごかった。最後はとりあえず大混乱になった。でももっと混乱を起こしたかったですね。

鶴見あれは1000人ぐらいいたんでしょう? あれだけの人がいて、最終地点のアルタ前でどうなっちゃうんだろうとドキドキしたよ、ほんとに。ガード下をくぐって、新宿通りのほうに行く辺りのコースはすごいよね。

5月3日の「自由と生存のメーデー」のコーラー、雨宮氏。

新宿大ガード下を通る「自由と生存のメーデー」のデモ隊。手前はホームレスのブルーシート。

貧乏人の増殖

雨宮ほんとに貧乏人の増殖、繋がりみたいなものがすごく強いですよね。

鶴見引きこもりの人も世の中にはたくさんいるわけでしょう。そういう人たちも、出番を待っていたのかもしれない。従来のメーデー、デモだと、あまり出番じゃなかったけど、そういったインディー系のメーデーなどは出番ですよね。

雨宮4月29日の熊本の「KY(くまもと よわいもの)」メーデーがまさにそうだったようです。シュプレヒコールが「練炭を買う金がないぞ」とか、あと、途中でなくなったそうですが、はじめの頃は「樹海に行く金がねえぞ」とかもあったそうです(笑)。やっぱり、みんなこういう運動に出会っていなければ、自分は死んでいたと言っていましたね。たぶん熱心な鶴見さん読者だと思いますよ。

鶴見練炭を買わないで、メーデーのデモに行ったほうがまだマシだと。そういうはけ口ができてよかったですね。俺はレイヴも好きで、山の中で踊るのは素晴らしいことだけど、街頭で踊ると何かメッセージが伝わるし、そっちも気持ちいい。

雨宮山もいいけれど、やっぱり路上や街頭というのが一番「言うべき所」ですよね。

鶴見最後に、この本が売れて、いきなり金持ちになったらどうするの?

松本一応、リサイクルショップでメシを食ってるので、それ以外の収入はなるべくとんでもないことに投入しようと思っています。この本の印税は全部何かに使いますから、大変なことになりますよ。だって『貧乏人の逆襲!』という本で俺が金持ちになったらまずいでしょう。「タダで生きる方法って、そういうことかよ」みたいな(笑)。
(2008年5月9日 素人の乱セピアにて)

この鼎談のロングバージョンが小社のPR誌「ちくま」8月号(8月1日発売)に掲載されます。
(筑摩書房HPでも8月以降立ち読みできるようになります)

*この本の刊行イベントが都内各地で次のように行なわれます。

★6月20日 20時から 高円寺の「茶房 高円寺書林」にて。
毛利嘉孝氏と松本哉氏両氏著書出版記念トーク。1ドリンク500円 "http://www.geocities.jp/fuzainoisu/shorin.top.html"
東京都杉並区高円寺北3ー34ー2 電話:03ー6768ー2412


6月21日 17時~20時 墨田区の現代美術製作所主催。
"http://www15.ocn.ne.jp/~g-caf/"
電話03・5630・3216 松本哉トークライブと映画「素人の乱」上映 500円


6月24日 19時半~ Naked Loft(新宿)。
"http://www.loft-prj.co.jp/naked/"