『深夜食堂』と「篠山紀信 at 東京ディズニーランド」


<総合ランキング> (文教堂書店全店調べ・2月23日~3月1日)
① 渡辺淳一『欲情の作法』(幻冬舎)
② 出口宗和『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房)
③ 松本ぷりっつ『うちの3姉妹特別編 ハワイでおっぺけぺ』(主婦の友社)
④ 天童荒太『悼む人』(文藝春秋)
⑤ M・シャイモフ『「脳にいいこと」だけをやりなさい!』(三笠書房)
⑥ 『珍獣ハンターイモトの動物図鑑』(日本テレビ放送網)
⑦ 清原和博『男道』(幻冬舎)
⑧ 押切もえ『モデル失格』(小学館)
⑨ 勝間和代『断る力』(文藝春秋)
⑩ 五木寛之『人間の覚悟』(新潮社)


<特集・篠山紀信 at 東京ディズニーランド>
◎篠山紀信『MAGIC』(講談社)



写真集『MAGIC』とは? 誰もいなくなった東京ディズニーランドやディズニーシーでキャラクターたちは一体何をしているのだろうか? 誰も見たことのない秘密の時間。魔法の力を使って、巨匠・篠山紀信が見てしまった。篠山さんは、久々にミッキーたちに会うため、再び、東京ディズニーランドにやってきた。レポーターの英玲奈と出会い、ミッキー&ミニーと再会しました。そして、篠山さんオススメフォトスポットへ移動し、ドナルド、プルート、グーフィーも合流しました。最後に、篠山さんにアドバイスしてもらって、英玲奈が篠山さんとキャラクターたちちを撮影しました。
松田 ぼくは篠山さんに写真を撮ってもらったことが何回かあるんですが、絶妙のトークで、写される人を笑わせて、いつの間にかシャッターを押しているんですね。あの篠山さんの明るさとディズニーランドの楽しさとがあいまって、こんなに素敵な一冊が誕生したんでしょうね。


<今週の松田チョイス>
◎安倍夜郎『深夜食堂』1~3(小学館)



松田 しみじみと味わい深いコミック、安倍夜郎さんの『深夜食堂』です。
N 盛り場の片隅にあるめしや「深夜食堂」。営業時間は夜12時から朝7時まで。メニューは「豚汁定食、ビール、酒、焼酎」だけ。「あとは勝手に注文してくれりゃあ、できるもんなら作るよ」というのが主人の営業方針。このお店に集うわけありのお客さんたちの人生が交錯する人情物語。>
松田 このお店で、お客さんたちが食べるのは、赤いタコウインナー、きのうのカレー、猫まんま、インスタントラーメン、魚肉ソーセージなどなど、料理とかグルメとはほど遠いものばかり。でも、それがとっても美味しそうなんです。それは、それぞれの食べ物に、人びとの大切な思い出や記憶が重なっているからなんですね。そういう人生ドラマが隠し味になっているので、この「深夜食堂」の何気ない食べ物がかけがえのないものだっていう気がしてくる。だから、この漫画を読むと、そこに出てくるものを、今すぐにでも食べたいという気持ちになってしまうんですね。作者の安倍さんは、41歳でデビューしたという遅咲きのコミック作家なんですが、そういう人生経験の豊かさが、この漫画の一つ一つのエピソードに活かされていると思いますね。