『パラドックス13』と「浅田政志『浅田家』」


<総合ランキング>  (三省堂書店全店調べ・4/13~4/19)
① 中村克『最後のパレード』(サンクチュアリ出版)
② 湊かなえ『告白』(双葉社)
③ 『LESPORTSAC 35th Anniversary Special!! Style1 ビューティガール』(宝島社)
④ 東野圭吾『パラドックス13』(毎日新聞社)
⑤ 『LESPORTSAC 35th Anniversary Special!! Style2 キャンディドッツ』(宝島社)
⑥ 『LESPORTSAC 35th Anniversary Special!! Style3 ボヤージュ』(宝島社)
⑦ 海堂尊『極北クレイマー』(朝日新聞出版)
⑧ 蛇蔵『日本人の知らない日本語』(メディアファクトリー)
⑨ 稲盛和夫『働き方』(三笠書房)
⑩ 梨花『Love myself・梨花』(宝島社)


<特集・浅田政志『浅田家』>
◎浅田政志『浅田家』(赤々舎)



父、母、兄、そして写真家本人の4人家族が、ラーメン屋や消防士や極道などに扮する『浅田家』。すべて、地元の三重県でいろいろな人の協力を得ながら撮影した写真は、「演出」の見事さ以上に、家族のかかわりがもたらす「記念写真」の力にあらためて驚かされる。浅田家の記念写真、それは自ら記念をつくっていく記念写真である。全員の休みを合わせ、場所を借り服を決め、シーンを皆で考え、タイマーのスイッチを押す。待っていてもなかなか来ない記念日を、写真を通じてつくり上げていく。そのとき写真は家族が集まるきっかけであり、記録でもある。この写真集『浅田家』が新人写真家に贈られる第34回木村伊兵衛賞を受賞。今回、写真家・浅田さんの撮影現場に密着しました。


<今週の松田チョイス>
◎東野圭吾『パラドックス13』(毎日新聞社)



松田 東野圭吾さん、ファン待望の最新作『パラドックス13』です。
N 運命の13時13分、突如、世界から人類が消えた。天変地異に襲われ、崩壊する東京。残された13人の中で善悪の価値観が壊れていく。大人気ミステリー作家東野圭吾が描く、究極のサバイバル・ストーリー『パラドックス13』。「世界が変われば、人殺しが善になることもある。」(東野圭吾)>
谷原 松田さん、こちらの作品を読み解くキーワードというのは?
松田 こちらです。(フリップに「サバイバル」「究極の謎解き」)
谷原 「サバイバル」ってどういうことですか。
松田 これまで、東野さんって、人間心理をきめ細かく描いたミステリーが多かったんですが、この作品では、壮大なサバイバル劇が展開されます。東京にとり残された13人。彼らに、想像を絶する天変地異が襲いかかるっていうお話なんです。そういう状況になると、善悪の基準とかですね、これまでの約束事が全部無効になっているということに、彼らは深い衝撃を受けるんです。
谷原 東野さんんというと、仕掛けの妙といいますか、とても筋立てがうまいと思うんですが、その中で「究極の謎解き」というのはすごいですね。
松田 本当に絶体絶命という状況になったときに、なんで、こんな過酷な世界が出現したのかという謎が解けるんですね。そして、驚くべきクライマックス・シーンががやってくる。本当にドキドキしますね。
谷原 一筋縄ではいかないんでしょうね、東野さんは。
優香 はい。なんかアピールがすごいみたいなんですが。
木本(「TKO」の一人。目の前に東野さんの本を積み上げて) ぼくは「東野圭吾依存症」なんです。大好きで、ほとんど全部作品を読んでいるんで。今回のもバッチシ読んでいるんですけども、感想とか求めません? ぼくもキーワードを書いてみました。「13人の共通点」。これはね、この東京に13人だけ生き残るんですよ。小さい子どもとか赤ちゃんとか青年とか、いろんな世代のいろんな人が出てくるんですけども、全部、ある共通点が浮かび上がってくるんですよ。
優香 何の共通点ですか?
木本 ゆうたらおもろないでしょう。そこを読むんやろ。
松田 そこに、謎解きがからむんですよね。
木本 東野さんの作品って90点以上あるんですが、どれも面白いんですが、今回は図抜けています。