『ちはやふる』『とめはねっ!』と「手塚治虫展」


<特集*GWはここへ行こう!>
◎「生誕80周年記念特別展 手塚治虫展」(江戸東京博物館)



手塚治虫さんは、日本における「ストーリーマンガ」のパイオニアとして、また「テレビアニメーション」の創始者として昭和の時代に活躍し、その生涯においてマンガ作品約 700 タイトル(原稿枚数約 15 万枚)、アニメ作品約 70 タイトルという膨大な作品を産み出しました。今回の展覧会には、直筆のマンガ原稿やアニメーションの資料、愛用品などが数多く展示されています。番組では、わたし(松田哲夫)が斉藤慶太さん、森山愛子さんを、手塚ワールドに案内しました。「手塚さんが初めてマンガを描いたのは何歳のとき?」「ペンネームの由来は?」など折々に“手塚治虫クイズ”を出しながら天才の足跡を追いました。


<今週の松田チョイスHYPER*GWはこれを読もう!>
優香 今回は、マッチョイもスペシャル! ということで、GWにオススメのコミックを2作品選んでくれたんですよね?
松田 いま、少女漫画でも青年漫画でも、人気の「文化系熱血コミック」というのがあるんですが、その中から2作品を取り上げさせていただきました。
◎末次由紀『ちはやふる』①~④(講談社)



<先日、「マンガ大賞」を受賞した『ちはやふる』。夢は自分の姉が有名モデルになること、という地味な小学生・千早。そんな彼女が競技かるたのチャンピオン・新と出会い、本当の自分の夢に目覚めていく。かるたでつながった友情を軸に描かれる、鮮烈青春ストーリー。読者も思わず熱くなる、主人公たちと競技カルタを戦っているような臨場感が魅力。実際にカルタの練習場に行き、担当編集者の坪田さんにインタビューをしました。かつては競技かるた・大学2年生の部で全国準優勝したこともあるほどの実力を持つ坪田さん。その実力を見せてくれると共に、競技かるたが、マンガの題材として、いかに面白いかを語ってくれました。>


◎河合克敏『とめはねっ!』①~④(小学館)



<書道に賭ける高校生を描いた『とめはねっ!』。上級生たちに脅されて書道部に入部することになった気弱な帰国子女・大江縁と、やはりだまされて入部した柔道の天才・望月結希。しかし、そこには思いもかけない奥深さと青春を賭ける切磋琢磨があった。でも、なぜいま書道なのか? 作者の河合さんが直筆メッセージをくれました。「ある日、たまたま高校の書道部を取り上げたドキュメンタリー番組をTVで観て、書道に打ち込んでいる女の子たちがカワイイなあと思ったことがキッカケです。」いま、高校部活動の一環として広まり始めた書道パフォーマンス、その要素を取り入れた『とめはねっ!』。思いもかけない面白さに、あなたもヒートアップするはずです。>


松田 両作品に共通するキーワードは二つあります。まずは「スポ根!!!」です。文化系のクラブ活動なのに、「友情・努力・勝利」というスポ根のお得意のテーマが満載されています。それだけじゃなくて、「ラブコメもの」の面白さもあるんですね。そして、二番目の「ウンチク満載!」というのは、書道とか百人一首とか、日本の伝統文化に関わるウンチクが盛りだくさんに入っていて、それも楽しめるんですね。谷原さんは『ちはやふる』をお読みになって……
谷原 はい、出ちゃいました(とフリップ「今年のNO.1!!」を示して)。百人一首とか、小さい頃、家とかでやるじゃないですか、お父さんやお母さんと。でも、『ちはやふる』の中で扱っているやりかたは、原平合戦といって、25枚、25枚で、相手と競っていくんですけども、5人で団体競技でやっていくんですよ。そのキャラクターがとても素晴らしくて、例えば、取ることだけに情熱を燃やしている子もいれば、もともとカルタが好きになったきっかけが、お祖父さんが名人で、そのお祖父さんの影響を受けたりだったり、初めて自分が得意なものを見つけたりだったり、もしくは歌そのものの世界観にひかれて打ち込んでいる子がいたりと、それぞれの切り口の面白さでグイグイ引き込まれていくんですよね、松田さん。
松田 『ちはやふる』も面白いんですが、『とめはねっ!』も書道という地味なものをテーマにしていながら、面白いキャラクターが次々出てくるんですね。コミカルで熱いお話なんで、谷原さんも是非読まれるといいと思いますね。
谷原 そうですね、「NO.1」という前に、読まなきゃいけないですね。