『くまちゃん』と「ビートたけし『漫才』」


<総合ランキング>  (有隣堂書店全店調べ・5/17~5/23)
① エリカ・アンギャル『世界一の美女になるダイエット』(幻冬舎)
② 小宮一慶『どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
③ 蛇蔵『日本人の知らない日本語』(メディアファクトリー)
④ 湊かなえ『告白』(双葉社)
⑤ 川島令三『<図説>日本の鉄道東海道ライン第3巻』(講談社)
⑥ 國貞克則『財務3表一体分析法』(朝日新聞出版)
⑦ 山崎豊子『運命の人 1』(文藝春秋)
⑧ 出口宗和『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房)
⑨ 宮台真司『日本の難点』(幻冬舎)
⑩ 宮部みゆき『名もなき毒』(光文社)


<特集・ビートたけし『漫才』>
◎ビートたけし『漫才』(新潮社)



ビートたけしさんの最新刊『漫才』。今回は、私(松田哲夫)と出水麻衣アナでビートたけしさんにインタビューしました。本は、結成35年ツービート復活!爆笑・元祖毒ガス漫才、新作完全収録しており、テレビでは絶対放映出来ない内容。「今の漫才しか知らない人にとってはまことに過激に思えるかもしれないし、昔のツービートを知っている人なら懐かしく思うかもしれない」とおっしゃるビートたけしさんに「漫才」の魅力、ツービート時代のたけしさんの衝撃(爆笑)エピソード、今と昔の「漫才」の違いなど、楽しいお話を伺いました。
<特集VTRとその前後に話した私のコメント+α>
松田 いやあ、緊張しましたが、話し始めると、まっすぐに言葉のやりとりをしてくださるので、とっても楽しかったですね。厳しさと優しさ、そしてお茶目なところもある、スケールの大きい人ですね。そういうたけしさんの書いた『漫才』という本は、30数年前のツービートがタイムマシンに乗ってやってきて、今の舞台で、ふんだんに毒舌をまぶした笑いを披露してくれた、そんな感じです。とことん下品で、バカバカしくて、ふんだんに笑える本ですね。


<今週の松田チョイス>
◎角田光代『くまちゃん』(新潮社)



松田 角田光代さんの最新作、面白くてしみじみ考えさせられる恋愛小説『くまちゃん』です。
N お花見の飲み会で苑子はくまちゃんに出会った。食事をし、デートを重ねる日々。それがある日、終わりを告げた。「10人いれば10通りの恋があり、10通りの失恋がある」。角田光代最新作、仕事に、恋に、真っ直ぐ生きるあなたのための恋愛小説。「四回ふられても、私はまた、恋をした」。>
谷原 松田さん、この本の魅力というのは。
松田 一言で言うとこうです。「ふられ話に花が咲く」。この中には、7編の軽妙なタッチの恋物語が描かれているんですが、最初の5編は、前の話で「ふった」人が、次の話で別の人に「ふられる」という、ふってふられて、恋の輪が繋がっていくという構成になっているんですね。そこが絶妙に面白いですね。というのは、同じ人でも、恋する相手によって、性質や生活態度などが微妙に変わっていくんですね。そのへんを絶妙に描き分けているところが角田さんのうまいところだなあと思いました。
優香 私も読みましたけれども、松田さんがおっしゃったように、恋愛って、その時によって違うじゃないですか。前の時は、もっと消極的だったのに、相手によって積極的になってみたりとか、そういうのが面白いですよね。いろんな自分を発見できるというか。なんだか、自分がなくなってしまって、どうしようとか思うんだけど、それがいいんだって思えました。ああ、こんな恋愛でいいんだ、いろんな恋のかたちがあって。
松田 それで、最後の2編で思いがけない展開があって、そこがまた深いんですね。全体に軽妙なタッチなんだけど、実は深い恋愛小説だということが、最後まで読むとわかります。さすがは角田さんですね。
優香 是非、デミちゃんに読んでもらいたいですね。
出水 是非、読みたい。恋をしたい。