『東京島』と「特集・和田竜」


<総合ランキング>  (5/26~6/1 文教堂書店全店調べ)
 1位 水野敬也『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社)
 2位 Jamais Jamis『B型自分の説明書』(文芸社)
 3位 Jamais Jamis『A型自分の説明書』(文芸社)
 4位 松本ぷりっつ『うちの三姉妹 7』(主婦の友社)
 5位 『ファイナルファンタジー11電撃の旅団編ヴァナ・ディール公式ワールドガイド アルタナの神兵編』(アスキー・メディアワークス)
 6位 桐野夏生『東京島』(新潮社)
 7位 編集工房桃庵編『おつまみ横丁 すぐにおいしい酒の肴185』(池田書店)
 8位 氷川きよし『氷川きよしフォトエッセイ KIYOSEAON』(主婦と生活社)
 9位 奥野宜之『情報は1冊のノートにまとめなさい』(ナナコーポレートコミュニケーション)
10位 宮部みゆき『孤宿の人 上』(新人物往来社)


<特集・和田竜>
◎和田竜『のぼうの城』(小学館)



◎和田竜『忍びの国』(新潮社)



時は乱世、天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一落とせない城があった。それは、周囲を湖に囲まれ「浮城」と呼ばれていた武州・忍城。城主・成田長親は何があっても泰然としていて、領民から「のぼう様」と呼ばれ、誰も及ばぬ人気があった。この忍城とその城主の物語『のぼうの城』は、3月15日放送の「松田チョイス」で取り上げ、谷原さんが大絶賛。今回、この小説に登場するお城のゆかりの土地・埼玉県行田市を和田さんが案内してくれ、創作秘話を聞かせてくれました。また、あわせて新作『忍びの国』についても語っていただきました。この新作は、戦国大名不在の国、伊賀の国に織田軍一万余が攻め込み、そこで繰り広げられた壮絶な戦いを描く。自らの欲のみに生き、他人を平気で踏みにじる、人でなしの集団である伊賀の忍びの者たちの人間離れした術と、この戦いの陰に咲いた純愛など、個性的なキャラクターが次々に登場し、息を継がせない戦いの場面が連続する戦国エンタテインメント大作。
谷原 松田さん、新作の『忍びの国』、いかがでした。
松田 『のぼうの城』も引き込まれるように読みましたが、新作『忍びの国』は伊賀の話なんですが、なんだか伊賀の忍者に首根っこを掴まれて、戦国の戦乱の中に投げ込まれたような、本当に、ハリウッド映画のような臨場感があって……。力のある若手の時代小説作家がうまれて、これから楽しみだなと思いますね。
谷原 やはり、『のぼうの城』に続くエンタテインメント時代劇なんですね。
松田 そうですね。とっても映像的ですからね、これも是非、映画にしてほしいと思いましたね。


<今週の松田チョイス>
◎桐野夏生『東京島』(新潮社)



松田 いつも強烈な作品でぼくたちの心を揺さぶる桐野夏生さんの最新長編小説『東京島』です。
 桐野夏生の問題作『東京島』。「あたしは必ず、脱出してみせる」。32人が流れ着いた無人島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても助けは来ず、いつしか若者達は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か楽園か? 欲望をむき出しにして生きていく人間たちの姿を容赦なく描いて、読む者の手を止めさせない問題作、ここに誕生!>
松田 桐野さんは、これまでも極限状況に置かれた人間の、ギリギリと苛むようなシチュエーションを書いてきたんですけども、今回も凄まじい。31人の男と1人の女が無人島に漂着して、人間同士の対立とか嫉妬とか、人間のいやらしい部分がさんざんあって、それに直面せざるをえないような状況があって。だけども、読み進んでいくと、意外なことが次々と起こっていって、この人たちの運命が一変してしまうんですね。なかなか、読まないとわからないんですけども……。で、最後まで読むと、人間って結構強いんだなあ、たくましいんだなあという希望みたいなものが見えてくる、不思議なテイストの作品なんですね。なんか、優香ちゃんも読もうと思って……。
優香 本屋さんで、気になって買ってはいたんですけども……。きょう、紹介聞いて、やっぱり読もうと思いました。