『センネン画報』と「池上永一『テンペスト』」


<小説ランキング> (リブロ池袋本店調べ・9/15~9/21)
① 池上永一『テンペスト(上・下)』(角川書店)
② 和田竜『のぼうの城』(小学館)
③ 湊かなえ『告白』(双葉社)
④ 宮部みゆき『おそろし』(角川書店)
⑤ 角田光代『三月の招待状』(集英社)
⑥ 恩田陸『きのうの世界』(講談社)
⑦ 東野圭吾『流星の絆』(講談社)
⑧ 柳広司『ジョーカー・ゲーム』(角川書店)
⑨ 池澤夏樹『セーヌの川辺』(集英社)
⑩ 宮城谷昌光『三国志』第7巻(文藝春秋)


<特集・池上永一『テンペスト』>
◎池上永一『テンペスト(上・下)』(角川書店)



「作家の圧倒的博識と筆力にただただ唖然、翻弄された。読み終わっても、映像が次々に浮かんでくる!」(堤幸彦さん)、「こんなに恋を応援したいと思ったのははじめてだ。私も登場人物と共に生きているかのようにワクワクした。」(三浦しをんさん)などなど、いま、本好きの間で話題を独占している小説。それが、19世紀末の琉球王朝を舞台に、男装の美少女が歴史を変えてゆく、王朝ファンタジー『テンペスト』。著者は、前作の『シャングリ・ラ』で幅広い層からの支持を集めた池上永一さん。「見せ場は150回!」と語る本作について、舞台となった沖縄・首里城でインタビューしました。 ひときわ輝く主人公をはじめとする魅力的な登場人物たち、さらに疾風怒濤の展開で読者を魅了するストーリーの秘密に迫りました。
谷原 (白石)みきちゃんも「漫画のように読める」と言ってましたけども。松田さん……。
松田 とにかく、面白いことはうけおいですけども、感じとしては、「ベルサイユのばら」や「チャングムの誓い」みたいな、ものすごく語り口のテンポがいいですし、主人公はとても魅力的ですし、次々と思いがけない事が起こってきて、本当にサービス満点のエンタテインメントという感じですね。


<今週の松田チョイス>
◎今日マチ子『センネン画報』(太田出版)



松田 日常の中のちょっとした瞬間を鮮やかに切り取る1ページ漫画、今日マチ子さんの『センネン画報』です。
N 「たとえば輪ゴム、のびたぶんだけぶつかって、ときどき行方不明」柔らかな線と淡い色彩で、日々の微妙な気持ちの移ろいをリアルに描き出す「叙情マンガ家」今日マチ子さん。ブログで、ほぼ毎日、1ページずつ発表していた「センネン画報」が単行本化されました。文化庁のメディア芸術祭審査委員会推薦作品も2年連続受賞した話題作。>
優香 私も見まして、本当にブルーの色がきれいなのと、風とか動きを常に感じるなという印象でした。私が好きなのは、「三脚」これですね。
松田 可愛いですよね。
優香 可愛いんですよ、すごく。(カメラが)彼女の頭に三脚のように載って。それと、「巻き直し」という、このマフラー。彼と、最初は違う巻き方してたんですけども、隣を見たら、急いで巻き直しちゃうみたいな、可愛い心がわかるわかるみたいな感じですね。
松田 そうですね。女子高校生の日常の中の瞬間、「気配」とか「気分」とかを見事に描き切っているんですね。絵だけで、セリフもないし、文字もほとんどない。それで1ページでおさまっているんで、何となく絵で見る俳句みたいな気もするし、ある意味では、非常にいいスナップショットを集めた写真集みたいな感じで、本当に独特のテイストのある作品ですね。
優香 わかります。