『しずかな日々』と「カレンダー特集」


<特集・カレンダー>
 *丸善・丸の内本店・売れ筋ランキング*
 1位 A WORLD OF BEAUTY(JAL)
 2位 歳時記カレンダー(シーガル社)
 3位 猫めくり(カミン)
 4位 世界の文化遺産 日本編(山と渓谷社)
 5位 6万円貯まるカレンダー シャッフル型(アルタ)
*今年一年を賑わせた人物・事柄をカレンダーで振り返る*
 ◎ビーチバレー 浅尾美和選手 (コメントあり)
 ◎北海道日本ハムファイターズ ダルビッシュ有投手
 ◎大衆演劇・劇団朱雀2代目 早乙女太一
 ◎東京六大学野球 早稲田大学斎藤祐樹投手
 ◎エビちゃんカレンダー 蛯原友里 (コメントあり)
*アイドルカレンダー・ランキング*
 1位 新垣結衣
 2位 皆藤愛子
 3位 小林麻央 (コメントあり)
 4位 杉崎美香
 5位 AKB48 (コメントあり)


<今週の松田チョイス>
◎椰月美智子『しずかな日々』(講談社)



松田 今年の野間児童文芸賞を受賞した椰月美智子さんの『しずかな日々』です。
VTR 椰月美智子さんの野間児童文芸賞受賞作『しずかな日々』。誰ともなじめなかった小学5年生の「えだいち」は、ひょうきんで思いやりのある押野くんと友達になり、少しずつ自分の殻を破っていく。ところが、お母さんの都合で転校の危機。周りの人の手助けで、近所のおじいさんと暮らすことに。それは、キラキラと輝く、幸せな日々の始まりでした。>
松田 本当に心が温かくなる素晴らしい小説なんです。町の中にあるんですけれど、田舎の家みたいなところで、無愛想だけど優しいおじいさんと一緒に暮らすんですね、この少年は。そして、すごく気の許せる友達もできて、キラキラと輝くような少年時代の日々を送る。本当に理想的な少年時代という感じなんです。だけど、なんで、こういう理想的な少年時代が送れたのか、ということが最後になるとわかる。実は、そのまわりではそれなりの嵐というようなものがあったんだけど、そこから守られていたから、よけいに輝きが素晴らしかったんだなということがわかるんですね。本当に静かだけど温かい、素晴らしい小説でしたね。
谷原 ぼくも読ませていただいたんですけども、最初、友達もあまりいなくて、母親と二人だけの生活だったんですよね。自分の世界の中心は母親だし、すべてが母親だったんですが、親友ができ、外で遊べるようになり、そして、おじいさんの家にいって生活するようになって、だんだん世界が色づいてきて、自分と母親の違いというものを意識していく。母からの自立の物語という側面もあるんですよ。幼いときの自分と、一つ一つ大人になっていくステップが重なっているところもありまして、とても共感して読むことができました。