『冠・婚・葬・祭』と『神の雫』


<コミックランキングTOP5>
 (11/27~12/3 日販オープンネットワークWIN調べ)
 1位 井上雄彦『バガボンド』27巻(講談社)
 2位 井上雄彦『リアル』7巻(集英社)
 3位 浦沢直樹『PLUTO』5巻(小学館)
 4位 三浦健太郎『ベルセルク』32巻(白泉社)
 5位 若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』4巻(白泉社)


<こんな本どうでしょう!>
 ◎ほしよりこ『僕とポーク』(マガジンハウス)


<特集・『神の雫』>
◎亜樹直・作、オキモト・シュウ・画『神の雫』(講談社)



2004年から「週刊モーニング」で連載が始まり、現在も人気連載中の漫画「神の雫」。これまでのワイン漫画と違い、その深い造詣と、素人技とは思えないワインの表現描写がうけ、日本だけではなく、韓国ではビジネスマンの必読書として大ヒットし、ワインブームに火をつけたといわれています。原作者は亜樹直さん。実は、姉妹のユニット作家。弟はあの「HERO」の原作者でもあり、これまでも多くのアニメやドラマの原作を手がけている。今回は、亜樹さんの仕事場を訪問し、その独特な表現が生み出される現場をリポートしました。


<今週の松田チョイス>
◎中島京子『冠・婚・葬・祭』(筑摩書房)



松田 面白い小説を次々に発表しています作家・中島京子さんの最新作『冠・婚・葬・祭』という作品です。
VTR 成人、結婚、葬儀、お盆。これはそれぞれの人生の節目に立ち会った主人公たちが奇妙な体験をする連作短編集。成人式を取材した地方紙の新米記者。時代の波に押され引退した天才お見合いおばさん。当り前に行われるはずだった儀式が思わぬ方向に行ったとき、そこに人生の意味が鮮やかに浮かび上がった。>
松田 この小説集を読んでいると、本当にうまいなあ、とうならされる、本当に面白い小説集なんです。でも、小説を読んでいるというよりは、その人の人生を一緒に生きているような感じなんですね。人生って、物語みたいには思ったように動いていかないものんですね。とんでもないところに転がっていったりする。で、とんでもないところに転がっていって、最後に思いがけないハッピーエンドがあったりする。それが一緒に体験できるみたいな感じですね。たとえば、天才お見合いおばさんというのが出てくるんですけども、それまでもさんざんうまくカップルを結びつけてきたんだけど、昔取った杵柄で、あの手この手やるんですが、みんな外れちゃうんですよね。それで、どうしようもないなあと思っていると、最後に、実は見事な幸せなシーンが出てくるという。本当に、調子っぱずれの人生も、なかなかいいもんじゃないかと思わせてくれる、楽しい本でした。
小林 私も読ませていただいたんですが、新米記者が出てくるんですけども、まあ、とんでもない大きな事件に巻き込まれてしまって、私も、そこまで大きな事件には巻き込まれた事はないんですけども、仕事でちょっとミスするとすごく落ち込んじゃって、次に行くのにすごく時間がかかっちゃうんですが、そうじゃなくて、なんか落ち込んだ後に、見えてくる幸せだったりとか、ちょっとした嬉しいことが、本当は大切なのかなあっていうことを、本で学ばせていただいたなあって思いました。