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入試頻出キーワード対策の決定版!
読解 評論文キーワード 改訂版
頻出270語&テーマ理解&読解演習54題
斎藤哲也 編著
978-4-480-91090-5 本体940円+税
最新キーワードも大幅増補した改訂版。大学入試頻出用語を、「基本語」「哲学・思想」「言語・文化」「科学論」「法・政治・経済」「近代」「現代」の7テーマ別で収録しました。受験生が理解しづらい「近代→ポストモダン」という思潮の変化を意識した構成。54本の入試(評論文)を厳選して掲載し、キーワード解説との有機的な関連学習により読解力養成に最適です。図解・図版を多数用いて多角的な理解をサポート。
編著者のことば

このたび、入試現代文の傾向が大きく変わることをふまえて、改訂版を出版することになりました。大きく変更したのは、以下の三点です。
①「法・政治・経済」章を新設

二〇二一年から始まる「大学入学共通テスト」の国語の出題方針を考慮して新設しました。同テストの出題範囲である「実用的な文章」には、契約書や法令文、官公庁が発行する各種白書、新聞記事など、法・政治・経済にかかわるものが多いからです。
②最新キーワードや入試問題を大幅増補
入試評論文の最新の出題傾向をふまえ、45キーワードを追加したほか、新規の入試問題も多数収録しています。
③「小説の語句」頻出120選
付録として、入試で問われやすい「小説の語句」を取り上げました。単に意味を丸暗記するのではなく、例文とともに語句に馴染むことを心がけてください。
本書の解説を読み込み、掲載している評論文を難なく読解できるようになれば、入試に出題されるどんな評論文も怖くありません。本書を活用して、多くの高校生や受験生が評論文を得点源にできることを願っています。
目 次
【掲載されているキーワード】 ※赤字は新しく入った語・章
第1章 基本語
具体/抽象/捨象/普遍/特殊
絶対/相対/合理/非合理
本質/現象/推論/帰納/演繹
概念/観念/理念/超越
内在外在/内包/外延
顕在/潜在/自律/他律
逆説(パラドックス)/アイロニー(イロニー・皮肉)
ジレンマ/ダブルバインド(二重拘束)矛盾背理
一義(的)/多義(的・性)/両義(的・性)/一元/二元/多元
アナログ/デジタル/命題/敷衍/
規範/倫理/
第2章 哲学・思想
自己/他者
主体/主観/客体/客観
理性/感性/ロゴス/パトス
実体/物心二元論(心身二元論)
独我論/間主観性(共同主観性)
身体/間身体性
感情情動知覚感覚
自由意志/決定論/責任
歴史/時間論/想起
必然偶然運命
実在/イデア/形而上/形而下
ア・プリオリ(先験的・先天的)/ア・ポステリオリ(後験的・後天的)/唯心論/唯物論
弁証法/止揚(アウフヘーベン)/イデオロギー/フェティシズム(物神崇拝)
実存/実存主義/構造主義
懐疑(論)
第3章 言語・文化
記号/(言語の)恣意性/分節
表象/イメージ(イマージュ)
レトリック/メタファー(隠喩)/象徴(シンボル)/アナロジー(類推)
オリジナル/コピー(複製)/アウラ/シミュラークル
神話/虚構(フィクション)
コスモス(秩序)/カオス(混沌)/コスモロジー
文化/文明/西欧中心主義(ヨーロッパ中心主義)
自文化中心主義(自民族中心主義・エスノセントリズム)/文化相対主義/多文化主義(マルチ・カルチュラリズム)/オリエンタリズム
エスニシティ/クレオール
アニミズム/一神教/多神教/死生観
社会/世間/罪の文化/恥の文化
テクスト(テキスト)/コンテクスト(コンテキスト)
コード/アレゴリー(寓意)/言説(ディスクール)/エクリチュール
贈与互酬性
第4章 科学
仮説/検証/反証/法則/自然科学
分析/総合/対象化/因果関係
機械論的自然観/還元/要素還元主義(要素主義・還元主義)
科学革命/パラダイム/科学者共同体(科学者集団)/科学の制度化
科学主義/反科学/疑似科学
臓器移植/脳死/遺伝子/バイオテクノロジー(生物工学・生命工学)
生態系(エコシステム)/エコロジー/有機/無機
生命倫理学(バイオエシックス)/環境倫理
進化論/自然淘汰
第5章 法・政治・経済
自然法実定法義務権利
憲法立憲主義公的領域(公共圏)私的領域
自由平等/自由主義/民主主義(デモクラシー)
資本/労働力/市場/貨幣
資本主義/社会主義(共産主義)/産業革命/帝国主義
社会保障(所得)再分配セーフティネット
封建制/封建的/社会契約説(社会契約論)
リベラリズム/ネオリベラリズム(新自由主義)/コミュニタリアニズム(共同体主義)/リバタリアニズム
功利主義公衆衛生トリアージ
契約ガイドラインステークホルダートレードオフ
正義
第6章 近代
近代合理主義/世俗化
ルネサンス/宗教改革/ヒューマニズム/人間中心主義
啓蒙主義(啓蒙思想)/ロマン主義(ロマンティシズム)/個人
自我(近代的自我)/アイデンティティ(自己同一性)
共同体(コミュニティ)/市民社会
国民国家/ナショナリズム
国語/標準語/想像の共同体
均質な時間(抽象時間)/円環時間/均質な空間/トポス
都市/風景
個人主義/全体主義/疎外/ニヒリズム(虚無主義)
フォーディズム近代家族
第7章 現代
ポストモダン/大きな物語/脱構築(ディコンストラクション)
冷戦/グローバリゼーション(グローバル化)
消費社会/差異
フェミニズム/ジェンダー/構築主義(社会構築主義)
リスク/リスク社会/再帰性/再帰的近代
ケア(の倫理)QOL(クオリティ・オブ・ライフ)当事者
大衆/大衆社会/ポピュリズム
メディア/コミュニケーション
マス・メディア/ソーシャル・メディア/ポストトゥルース(ポスト真実)フェイクニュース
AI(人工知能)ビッグデータ(AI)プロファイリングプライバシー権
情報社会(情報化社会)/シンギュラリティ(技術的特異点)/監視社会/アーキテクチャー
パターナリズム/ナッジリバタリアン・パターナリズム
ポスト・ヒューマンサステナビリティ
【掲載されている入試問題】 ※赤字は新しく入ったもの・章
第1章 基本語
  • なし
第2章 哲学・思想
  • 自己は他者によってつくられる――阿部潔『彷徨えるナショナリズム』
  • 「もの」と「こと」の差異――木村敏『時間と自己』
  • 感覚のなかに理性は含まれている――中村雄二郎『哲学の現在』
  • ヨーロッパ哲学の身体観――野内良三『レトリックと認識』
  • 意識の起源――下條信輔『〈意識〉とは何だろうか』
  • 身体の共同性――三浦雅士『考える身体』
  • 情動とは何か――信原幸弘『情動の哲学入門』
  • 自由と責任の関係――小坂井敏晶「責任――責任概念と近代個人主義」
  • 物語としての歴史――佐藤健二「歴史と出会い、社会を見いだす」
  • 歴史は必然か、それとも偶然か――竹内啓『偶然とは何か』
第3章 言語・文化
  • 言語によって世界の意味付けは異なる――田中克彦『言語学とは何か』
  • 芸術作品は共同的なものである――管香子『共同体のかたち』
  • アナロジー思考――今井むつみ『ことばと思考』
  • 複製の後にオリジナルが来る――佐々木健一『美学への招待 増補版』
  • 神話の知の必要性――河合隼雄『神話と日本人の心』
  • 人間が文化を持った理由――竹内芳郎『文化の理論のために』
  • 文化と文明の違い――村上陽一郎『文明の中の科学』
  • 反・自文化中心的な文化相対主義――岡真理「「文化が違う」とは何を意味するのか?」
  • 文化は本来雑種である――関根政美『多文化主義社会の到来』
  • アニミズムと一神教――梅原猛「反時代的密語――アニミズムと生物学」
  • 日本人にとっての世間――鴻上尚史『「空気」と「世間」』
第4章 科学
  • 「さしあたりの真理」としての科学――若林幹夫『社会学入門一歩前』
  • 近代自然科学の方法――唐木順三『日本の心』
  • 近代科学の自然観――河野哲也『意識は実在しない』
  • 新しいパラダイムの出現――中山茂『パラダイムと科学革命の歴史』
  • 疑似科学が氾濫する理由――池内了『疑似科学入門』
  • 機械論の延長にあるバイオテクノロジー――福岡伸一『動的平衡』
  • エコノミーとエコロジーの対立――大野晃『山・川・海の環境社会学』
  • 生命倫理学と環境倫理学の対立――加藤尚武『環境倫理学のすすめ』
第5章 法・政治・経済
  • 人権思想は自然法から生まれた――橋爪大三郎『人間にとって法とは何か』
  • 立憲主義はなぜ必要か――長谷部恭男『憲法とは何か』
  • 民主主義と自由主義の関係――森政稔『変貌する民主主義』
  • 利潤はどこから生まれるか――岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』
  • 資本主義と社会主義との違い――佐伯啓思『「欲望」と資本主義』
  • 財産所有のデモクラシー――齋藤純一『不平等を考える』
第6章 近代
  • 近代合理主義の逆説――真木悠介『気流の鳴る音』
  • 機能の文明としての近代文明――今田高俊『意味の文明学序説』
  • 「自由な個人」は可能か?――大屋雄裕『自由とはなにか』
  • アイデンティティの多様化――上野千鶴子『増補〈私〉探しゲーム」
  • 近代市民社会の時間感覚――内山節『時間についての十二章』
  • 現代のナショナリズム――伊豫谷登士翁『グローバリゼーションとは何か』
  • 国語が国民を生み出す――梅森直之『ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る』
  • 円環時間から直線時間へ――今村仁司『近代性の構造』
  • 遭遇可能性から検索可能性へ――南後由和『ひとり空間の都市論』
第7章 現代
  • オタクの行動様式はポストモダンを反映している――東浩紀『動物化するポストモダン』
  • 冷戦終焉後に顕在化した差異――加藤節『政治学を問いなおす』
  • 消費と浪費の違い――國分功一郎『民主主義を直観するために』
  • ジェンダーと構築主義――中村桃子『〈性〉と日本語』
  • リスク社会と近代――大澤真幸『不可能性の時代』
  • ケアは意味の外で行われる――鷲田清一『「聴く」ことの力』
  • ポピュリズムは民主主義から生まれる――水島治郎『ポピュリズムとは何か』
  • メディアの変動が人間関係に与える影響――加藤篤志「社会学でわかる「人間関係」」
  • あいまいな情報に耐える力――佐藤卓己『流言のメディア史』
  • 個人化の嘘――山本龍彦『おそろしいビッグデータ』
内容見本
内容見本 p. 152, 153

①それぞれのキーワード解説に入る前に、キーワードが使われやすい文脈や論点をわかりやすく整理する「ナビゲーション」の頁を設けました。いわば「予習」頁です。

内容見本 p. 232, 233

②「 どのような文脈で使われるか」「どんなパターンの使われ方が多いか」と大学入試で問われるポイントを重視して解説しています。また、理解しづらいキーワードには、できるだけ図解や例文を付けました。

内容見本 p. 302, 303

③キーワード解説の後には、実際に該当キーワードが用いられた入試問題や評論文を掲載しました。
理解が曖昧なキーワードは、その都度、該当頁を参照して読解を進められるように工夫してあります。生きた文章とキーワード解説を往復することで、知識の定着度も高まります。また、それぞれの文章には読解図と確認問題をつけています。

内容見本 p. 322, 323 内容見本 p. 344, 345

④⑤改訂版より、「小説の語句」頻出120選を新収録。例文は、教科書掲載の小説や近代文学を中心に選びました。

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