月刊ちくまのご案内です。一部の内容はホームページ上でお読みいただく事ができます。
まさに水先案内人か灯台守か 永江朗
こんな本が出るのを待っていたんだ! というのが『本の本』を手に取っての正直な気持ちです。お世辞ではありません。
『本の本』は斎藤美奈子さんの書評を集めたもの。一九九四年七月から二〇〇七年三月までの十二年半に新聞・雑誌等に発表された書評と読書エッセイが入っています。取り上げられた本は六五二点。これが七二〇ページに詰まっています。意外なことに、これが初めての書評集なんだそうです。[全文を見る]
古本屋になった女たち 近代ナリコ
いろいろないきかたがあるのだな。それはとりたてて、女性で、しかも古本屋の店主だからというわけでもないだろうが、これまであまたの古本屋をめぐり歩き、その姿を私たちに伝えてきてくれた岡崎さんのこのたびの仕事に接してまずえたのは、そんなシンプルな感想である。 [全文を見る]
「心の時代」の正体 高橋哲哉
物の時代から心の時代へ。——戦後の高度経済成長も一段落した頃から、この種の掛け声が盛んに聞かれるようになったと記憶している。そんな時代がいつやってくるのか、そもそも「心の時代」とはどんな時代なのか、皆目見当もつかぬまま掛け声ばかりが繰り返され、いつしか「心の時代」はクリシェ(紋切り型)と化し、誰もそんな時代の到来を信じなくなった——ように見えた。 [全文を見る]
「加害者」という言葉の魔術 芹沢一也
『加害者は変われるか?』、一見、シンプルな内容の本に思われるかもしれない。加害者といえば、何らかのかたちで他人に危害を加えた存在だし、それが変われるのかというのだから、どうすればそうした加害行為を反省させて、善良な人間にすることができるのかということかと、タイトルから連想してしまうかもしれない。 [全文を見る]
『高校野球「裏」ビジネス』を読む 大林素子
日本では、野球はほかのスポーツとどう違うのか?
私、大林素子はバレーボールの世界で生きてきました。
東京の小平二中の一年生からバレーを始め、高校はバレーのスポーツ推薦で八王子実践に入学しました。
そこに壁はない ── 抵抗としての芸術文化論 大橋洋一
昨年、エドワード・W・サイードの遺著『晩年のスタイル』を翻訳し、幸い、おおむね好評をもって迎えられたのだが、気になることもあった。サイードといえばパレスチナ問題である。 [全文を見る]
〈臨床の社会学〉に寄せて ── 『友だち幻想』をめぐって 菅野 仁
この度、ちくまプリマー新書で、『友だち幻想』という本を上梓させていただいた。
この本を書こうとした動機には、大学で教鞭をとっている者としてのある感触が大きく働いている。 [全文を見る]
清張さんの骨法 半藤一利
昭和二十七年下半期の芥川賞を清張さんが受賞したとき、選考委員であった坂口安吾さんが選評にこう書いている。
「文章甚だ老練、また正確で、静かでもある。 [全文を見る]
連載
[いにしへ東京歳事記]8・海の香り|鈴木理生
[大島渚と日本]2・宴会と配役|四方田犬彦
[明日への回想]20・春の惑い|菅野昭正
[東京物体]12・樋口一葉旧居跡の井戸|大川渉
[平成コメディアン史]7・芦屋雁之助・確かな”ドサ”の芸(6))|澤田隆治
[それなりに生きている]7・お天道さまは見ている|群ようこ
[絶叫委員会]24・エクステ|穂村弘
[オタク文化の現在]13・ハジメテノオト、原初のキャラ・キャラの原初|伊藤剛
[青春の光芒——異才・高橋貞樹の生涯]10・第三章 新しい出会いの時代(その一)|沖浦和光
[旅情酒場をゆく]3・夜の仙台、どぶろく雪見酒|井上理津子
[ネにもつタイプ]73・転職の夢|岸本佐知子
[真剣外伝]23・群青(第十三回)|海道龍一朗
[グッド・ラック]4|太田治子
[おはよう、水晶——おやすみ、水晶]21・タントリック・ツイン|笙野頼子
[八幡の湯]11|山本一力
コラム
[翻訳で出会った作家たち]3・ウィラ・キャザー|横山貞子
読者のひろば
編集室から
表紙作品 奈良美智 協力 小山登美夫ギャラリー
表紙・本文デザイン・カット 吉田篤弘・吉田浩美
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