ノーベル賞の舞台裏
人種・国籍を超えた人類への貢献というノーベルの理想、しかし現実は。受賞工作や政治利用など、世界最高の権威ある賞の舞台裏を、多くの証言と資料で明らかに。
湯川と朝永の嫉妬と友情、川端受賞の陰にあった、谷崎や三島の名前、繰り返される日本メディアの「ハルキ狂想曲」。科学を愛し平和を希求した、偏屈者の発明家・ノーベルの命日、最高に権威ある賞が、物理、化学、医学、文学、経済、平和貢献で功績を挙げた人々や団体に授与される。だが、賞の舞台裏は思いのほか取り散らかっている。ノーベルが遺言した「人種・国籍を超えた人類への貢献」という理想とは裏腹に、国家や著名大学の名誉欲が交差し、政治利用も見え隠れする現実。多くの関係者の証言を聞き、無数の資料をめくった記者たちの、ノーベル賞取材の集大成。
プロローグ ベールに包まれたノーベル賞
第1章 文学賞―誰が評価するのか。評価できるのか?
第2章 物理・化学・医学生理学賞―発見と開発の熾烈な競争
第3章 平和賞―政治への影響とあやふやな理想
第4章 経済学賞―批判が尽きない理由
第5章 ノーベル狂想曲と舞台裏
第6章 ノーベル賞の重み
エピローグ ノーベル賞が求める創造性とは
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