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著者:國分功一郎

近代政治哲学——自然・主権・行政 國分功一郎 著

あの思想家たちの格闘がリアルによみがえる、著者渾身の書き下ろし。

今日の政治体制は、近代政治哲学が構想したものだ。
ならば、その基本概念を検討すれば、
いま我々の体制が抱える欠点についても把握できるはず!
基礎からわかる必読講義。

ちくま新書 978-4-480-06820-0 本体990円(10%税込)
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    【 目 次 】
  • はじめに 「政治哲学」は存在するか?/本書にとっての「近代政治哲学」
  • ジャン・ボダンJean Bodin
  • 第1章 近代政治哲学の原点——封建国家、ジャン・ボダン

ジャン・ボダン Jean Bodin

1530年、フランス・アンジェ生まれ。トゥールーズ大学でローマ法を修め、同大で法学の教鞭をとった後、パリの法曹界で働く。宗教戦争の次代にあって、対立を調整するための政治実務に携わり、主著『国家六論』によって主権論の始祖と呼ばれることになる。しかし後年、その関心は次第に宗教そのものへ向かっていった。96年にレアンにて没。

  • トマス・ホッブスThomas Hobbes
  • 第2章 近代政治哲学の夜明け——ホッブズ
トマス・ホッブスThomas Hobbes

1588年、イングランド、マルムズベリに国教会牧師の息子として生まれる。オクスフォード大学でスコラ哲学を修める一方で、自然科学とりわけ幾何学への関心も高かった。絶対主権論が議会派の攻撃をうけたため、フランスに亡命。亡命生活中に主著『リヴァイアサン』を執筆する。イングランドに帰国後も、著作群は国内では発禁扱いとなっていたが、大陸ではスピノザらに影響を与えた。1679年、ダービーシャーで没。

  • スピノザ Spinoza
  • 第3章 近代政治哲学の先鋭化——スピノザ

スピノザ Spinoza

1632年、オランダはアムステルダムのユダヤ人居住地区に生まれる。24歳の時にはユダヤ人教会から破門の宣告を受ける。その後、居を移しつつ著作活動に専念。70年には思想の自由を論じた『神学・政治論』を匿名で出版するが、すぐにスピノザの書と特定されてしまい、その名は極悪な無神論者の別名とされた。主著『エチカ』は75年には完成していたが、危険思想との評判ゆえ、出版は断念せざるをえなかった。77年、ハーグにて息を引き取る。著作は死後、友人たちの手によって刊行された。

  • ジョン・ロックJohn Locke
  • 第4章 近代政治哲学の建前——ジョン・ロック

ジョン・ロックJohn Locke

1632年、イングランド、リントンに生まれる。オクスフォード大学に進学し、医学など自然科学も学ぶ。同大で教鞭をとったのち、貴族秘書として政治に関わったが、仕えていた貴族が反逆罪に問われ、ロックもオランダへ亡命。1688年の名誉革命を機に帰国して、その後主著が刊行される。1704年、エセックス州のオーツにて没。

  • ジャン=ジャック・ルソー Jean-Jacques Rousseau
  • 第5章 近代政治哲学の完成——ジャン=ジャック・ルソー

ジャン=ジャック・ルソー Jean-Jacques Rousseau

1712年、ジュネーヴ生まれ。青年期はさまざまな職業を転々としつつ、独学で学問を修めて著作活動に入ったとされる。小説『新エロイーズ』はベストセラーになり、また『社会契約論』などを刊行。ディドロら百科全書派との親交を結ぶも、その後断絶。スイス、イギリスなどへの亡命生活の後、78年にパリ郊外で没した。作曲や、音楽論・教育論の著作活動でも知られる。

  • デービッド・ヒューム David Hume
  • 第6章 近代政治哲学への批判——ヒューム

デービッド・ヒューム David Hume

1711年、スコットランド、エディンバラ生まれ。法律家になることを期待されてエディンバラ大学に入学するが、形而上学に没頭してフランスのラフレーシに渡り、執筆に専念。『人性論』の刊行に着手する。イギリス経験論哲学を完成させた思想家であると同時に、大部な『英国史』を執筆した歴史家としての一面もある。1776年エディンバラにて没。

  • イマヌエル・カント Immanuel Kant
  • 第7章 近代政治哲学と歴史——カント

イマヌエル・カント Immanuel Kant

1724年、ケーニヒスベルク(現ロシア)の厳格なルター派の家庭に生まれ、生涯を同地で過ごす。神学を修めるべくケーニヒスベルク大学に入学したが、当時最先端の学問となっていたニュートンらの自然学の影響を大きく受けた。初期は自然学の論文も多い。家庭教師などを経て、46歳の時にケーニヒスベルク大学哲学科での教授職を得る。81年の『純粋理性批判』刊行により、ドイツ哲学界での大きな論争の中心的存在となり、同大学総長もつとめるにいたる。1804年没。

國分功一郎(こくぶん・こういちろう)

    國分功一郎(こくぶん・こういちろう)

  • 1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、高崎経済大学経済学部准教授。専攻は哲学。著書に『暇と退屈の倫理学 増補新板』(太田出版)、『新統治論——民主主義のマネジメント』(大竹弘二との共著、太田出版)、『来るべき民主主義——小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』(幻冬舎新書)、『ドゥルーズの哲学原理』 (岩波現代全書)、『スピノザの方法』(みすず書房)、訳書にドゥルーズ『カントの批判哲学』などがある。