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朝ドラ『らんまん』主人公のモデル 牧野富太郎 『植物一日一題』牧野富太郎 著

朝ドラ『らんまん』主人公のモデル 牧野富太郎 『植物一日一題』牧野富太郎 著
植物学者・牧野富太郎が、第二次世界大戦終結後の昭和 21 年 8 月 17 日から毎日一題ずつ、100 題を書き溜めた 随筆集です。
朝ドラ『らんまん』主人公のモデル 牧野富太郎 『植物一日一題』牧野富太郎 著
牧野富太郎 (まきの・とみたろう)
オニバスの幼株を首にかけた牧野富太郎(高知県立牧野植物園提供)

牧野富太郎(まきの・とみたろう)

1862−1957。現高知県生まれ。植物分類学者。小学校を中退し、独学で植物学者を志す。東京大学理学部植物学教室で研究、同大学助手、講師を務める間に全国の植物の採集調査を続けて多数の新種を発見し、日本の植物分類学の基礎をつくる。『植物学雑誌』『植物研究雑誌』を創刊。理学博士、第1回文化功労者、没後文化勲章受章。『日本植物志図篇』(11冊)、『大日本植物志』(4冊)、『牧野植物学全集』(7冊)、『牧野日本植物図鑑』ほか著書多数。

『植物一日一題』の魅力

自由闊達、ユーモア炸裂!

牧野博士はおおらかな古代的、つまりは縄文的と言えるようなユーモアの人でもあった。例えば、「アケビ」の項では「女客あけびの前で横を向き」などと詠んでいる。この博士、困ったことに下ネタ全開なのである。ほとんど悪びれるところがない。 「馬糞蕈」の項では「食う時に名をば忘れよマグソダケ」「その名をば忘れて食へよマグソダケ」とも重ねて詠んでおり、ほぼ同じ内容のことを何度もしつこく言う様は、子供が糞尿の名を連呼するに等しい。このあたり、あたかも牧野博士の呵々大笑が聞こえてくるようで、まことに裏表がない。

── いとうせいこう(PR誌「ちくま」2008年3月号より)

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朝ドラ『らんまん』主人公のモデル 牧野富太郎 『植物一日一題 牧野富太郎 著
牧野の随筆の面白さのひとつは、表現の急速な、かつなりふり構わぬエスカレートぶりにあるが、本書でもそうした「牧野ぶり」は随所で遺憾なく発揮されている。

── 大場秀章(『植物一日一題』解説より)

どこからでも読める!

一つ一つがごく短い文章なので、どこから読み始めても、拾い読みしてもOK!

直筆挿絵多数!

緻密で愛情あふれる牧野直筆の植物スケッチを多数収録。
『植物一日一題』「アケビと𦼠」より朝ドラ『らんまん』主人公のモデル 牧野富太郎 『植物一日一題 牧野富太郎 著

100題一覧

馬鈴薯とジャガイモ/百合とユリ/キャベツと甘藍/藤とフジ/ヤマユリ/アケビと𦼠/アカザとシロザ/キツネノヘダマ/紀州高野山の蛇柳/無花果の果/イチョウの精虫/茶樹の花序/二十四歳のシーボルト画像/サルオガセ/毒麦/馬糞蕈/昔の草餅、今の草餅/ハナタデ/イヌタデ/ボントクタデ/婆羅門参/茶の銘玉露の由来/御会式桜/贋の菩提樹/小野蘭山先生の髑髏/秋海棠/不許葷酒入山門/日本で最大の南天材/屋根の棟の一八/ワルナスビ/カナメゾツネ/茱萸とグミ/アサガオと桔梗/ヒルガオとコヒルガオ/ハマユウの語原/バショウと芭蕉/オトヒメカラカサ/西瓜――徳川時代から明治初年へかけて/ギョリュウ/万葉歌のイチシ/万葉歌のツチハリ/万葉歌のナワノリ/蓬とヨモギ/於多福グルミ/栗とクリ/アスナロノヒジキ/キノコの川村博士逝く/日本の植物名の呼び方・書き方/オトコラン/中国の椿の字、日本の椿の字/ノイバラの実、営実/マコモの中でもアヤメ咲く/マクワウリの記/新称天蓋瓜/センジュガンピの語原/片葉のアシ/高野の万年草/コンブとワカメ/『草木図説』のサワアザミとマアザミ/ムクゲとアサガオ/款冬とフキ/薯蕷とヤマノイモ/ニギリタケ/パンヤ/黄櫨、櫨、ハゼノキ/ワスレグサと甘草/根笹/菖蒲とセキショウ/海藻ミルの食べ方/楓とモミジ/蕙蘭と蕙/製紙用ガンピ二種/インゲンマメ/ナガイモとヤマノイモ/ヒマワリ/シュロと椶櫚/蜜柑の毛、バナナの皮/梨、苹果、胡瓜、西瓜等の子房/グミの実/三波丁子/サネカズラ/桜桃/種子から生えた孟宗竹/孟宗竹の中国名/紫陽花とアジサイ、燕子花とカキツバタ/楡とニレ/シソのタネ、エゴマのタネ/麝香草の香い/狐ノ剃刀/ハマカンゾウ/イタヤカエデ/三度グリ、シバグリ、カチグリ、ハコグリ/朝鮮のワングルとカンエンガヤツリ/無憂花/アオツヅラフジ/ゴンズイ/辛夷とコブシ、木蘭とモクレン/万年芝/オリーブとホルトガル/冬の美観ユズリハ

牧野富太郎の本

『植物一日一題』牧野富太郎 著

植物一日一題

牧野富太郎
世界的な植物学者が、学識を背景に、植物名の起源を辿り、分類の俗説に熱く異を唱え、稀有な薀蓄を傾ける、のびやかな随筆100題。【解説:大場秀章】

定価:1,100円(10%税込)/ISBN:978-4-480-09139-0/刊行日:2008/02/06/ページ数:320

『植物記』牧野富太郎 著

植物記

牧野富太郎
万葉集の草花から「満州国」の紋章まで、博識な著者の珠玉の自薦エッセイ集。独学で植物学を学んだ日など、自らの生涯もユーモアを交えて振り返る。

定価:1,100円(10%税込)/ISBN:978-4-480-09192-5/刊行日:2008/12/10 /ページ数:320

『花物語──[続]植物記』牧野富太郎 著

花物語 ── [続]植物記

牧野富太郎
自らを「植物の精」と呼ぶほどの草木への愛情。その眼差しは学問知識にとどまらず、植物を社会に生かす道へと広がる。碩学晩年の愉しい随筆集。

定価:1,100円(10%税込)/ISBN:978-4-480-09272-4/刊行日:2010/01/06/ページ数:320

『牧野植物図鑑の謎 ── 在野の天才と知られざる競争相手』俵浩三 著

牧野富太郎にはライバルがいた!?

牧野植物図鑑の謎
 ── 在野の天才と知られざる競争相手

俵 浩三
1925年、牧野富太郎『日本植物図鑑』と同時に『大植物図鑑』を刊行した元・教師がいた。かつては牧野博士を頼り、その後の編集活動では博士の図鑑と当時の人気を二分しながらも、現在はほぼ忘れ去られた村越三千男とは一体何者だったのか?
二冊の刊行日から本国の図鑑黎明期における出版競争を見出した著者が、魅力溢れる「在野」二人の仕事と植物図鑑の歴史を探る。【解説:大場秀章】

定価:880円(10%税込)/ISBN:978-4-480-43885-0/刊行日:2023/05/10/ページ数:224

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