『完全自殺マニュアル』から『人間関係を半分降りる』へ生きづらさの問題について20年ぶりに書き下ろした最終的な解決法=優しい人間関係の作り方

人間関係はもっと醜いものだ。それなのに素晴らしいものとされているせいで、人と人が安易に密着して生きるようなしくみができている。近すぎる距離を少し離して、さらに外に開く。そういう流動的なつながりがたくさんできればいい。そうして固く閉ざされている人間の世界を外から崩してやりたい。心からそう思う。

鶴見済

お知らせ

目次
まえがき
第1章友人から一歩離れる

1

「人からどう思われるか」を基準に生きない

やさしい視線のなかに行こう

2

仲間はずしに従わない

仲間うちの力関係で動くことのむなしさ

3

友だちがいない時があってもいい

肯定されない関係ならなくていい

4

もうひとつ居場所を持つ

「不適応者の居場所」を作ってみた

5

嫌な相手とは「心の距離」を置けばいい

少しずつ疎遠になるのが一番

6

「みんなとちょっと違う人」でいい

「みんな同じ」にしようとする集団の力

7

攻撃してくる相手に近づかない

注意深く見わけて予防する

8

友人は大勢いなくていい

大勢がうらやましく思える不思議

9

どこにも通わなくても大丈夫

フリーランス三十年の経験から

10

オンラインに期待しすぎない

会うことで湧く親しみにはかなわない

11

ありのままでいられるグループを選ぶ

仮面をかぶって生きるつらさ

第2章家族を開く

1

家族は寄りそわなくていい

距離が近いと「嫌い」が爆発する

2

子どもがいなくてもいい

「子どもこそ幸せ」という最大の圧力

3

家庭は開いたほうがいい

閉じた場所では加害が起きやすい

4

毒親もただの個人と思ってみる

客観的に見れば憎しみもやわらぐ

5

家族の素晴らしいイメージにだまされない

真に受けてもつらいだけ

6

家族は人間でなくてもいい

植物でもふわふわのクッションでも

7

血のつながりにとらわれない

他人の子とも親子になれる

8

サードプレイスに逃げていい

家庭や会社に心を占領させない

9

家族とは一生離れ離れでもいい

うまくいかない相手とは一緒にいない

第3章恋人をゆるめる

1

そもそも恋愛をしなくていい

「恋愛は面倒」な人が増えている

2

セックスも無理にしなくていい

誰もが好きなものではなかった

3

けんかをしない相手を選ぶ

好意にも悪意にもお返しが来る

4

結婚はしすぎだった

身を固めなくてもいい時代

5

若くなくても恋愛していい

自分のために生きる人が増えてきた

6

一緒に住んでも近づきすぎない

相手を傷つけるのは近すぎる距離

7

別れてもいい

逃げられないから地獄が生まれる

8

一対一でなくてもいい

相手を独占しなくても恋愛はできる

9

相手はリアルでなくていい

空想を使えば恋愛は自由自在

第4章こうすれば気楽になれる

1

「もうどうしようもない」とあきらめる

最後に見切った人の持つ強さ

2

怒りは一晩寝てやりすごす

時間がたてば理性が勝る

3

嫌な相手に意識を集中しない

悪いことは気になるもの

4

「生きることは素晴らしい」から離れる

不自然な思想は苦しくなる

5

「誰がどうした」ばかり考えすぎない

SNSでなくなる心の平穏

6

「あなたはあなた、私は私」と割りきる

個人主義のススメ

7

いいかげんになる

心配をあおる文化に乗せられない

8

広い世界、長い時間を意識する

遠くを見わたせる場所に行こう

9

くだらないと笑いとばす

緊張からの解放

あとがき

著者からのメッセージ

今話題になっているいじめやDV、ハラスメントなど様々な人間関係の問題は、互いの距離が近すぎることが大きな原因です。この本では、人間には人を攻撃したくなる悪い側面があることを正面から見つめ、今様々に表れてきた友人、家族、恋人などと、少し離れるつながり方を紹介しています。作者自身が学校では、教室内の悪意ある視線から対人恐怖症になり、家庭では兄弟から暴力をふるわれていた体験なども赤裸々に書いています。家庭、会社ではない第三の居場所や、通わない働き方、少し距離を置く夫婦生活などについて、自らつながり作りの居場所を運営し、様々なゆるいつながりを実践しながら、体験をもとに書きました。また生きづらさの問題を取り上げるのも20年ぶりで、『完全自殺マニュアル』に関する話などもあります。

鶴見済

鶴見済(つるみ・わたる)

1964年、東京都生まれ。東京大学文学部社会学科卒。複数の会社に勤務したが、90年代初めにフリーライターに。生きづらさの問題を追い続けてきた。精神科通院は10代から。つながりづくりの場「不適応者の居場所」を主宰。
著書に『0円で生きる』『完全自殺マニュアル』『脱資本主義宣言』『人格改造マニュアル』『檻のなかのダンス』『無気力製造工場』などがある。
ブログ:鶴見済のブログ(tsurumitext.seesaa.net)
Twitter:鶴見済(@wtsurumi)

鶴見済 人間関係を半分降りる ── 気楽なつながりの作り方

鶴見 済

人間関係を半分降りる ── 気楽なつながりの作り方

大ベストセラ―『完全自殺マニュアル』の著者が、人間の生きづらさの根本、人間関係に苦しめられない方法、楽になる方法を伝授する。自らも、家族、友人、職場の人間関係で悩んだ悲痛な体験から、読者のために親身になって伝える。
「「みんな同じ」なんて気持ち悪い。どう思われるかばかり気にして生きなくていい。人間は素晴らしくない。こんなことを書いているだけで、本当に胸のすく思いだった。一度でもこれを本に書く機会に恵まれて幸運だ。」(あとがきより)

四六判並製/224頁/定価: 1540円(10%税込)/ISBN:978-4-480-84324-1

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