包帯クラブ ルック・アット・ミー! The Bandage Club Look At Me!

天童荒太

伝説の物語、ついに再始動!読書メーター読みたい本ランキング第1位単行本週間(2022年2月13日~2月19日)

書き下ろし長編小説

イラスト:田雜芳一
ベストセラー『包帯クラブ』から16年。悲しみがあふれた世界で、戦わずに大切なものを守ろうと、6人がふたたび動き出した。
わたしはここにいる。想いよ、どうか世界に届け。
わたしはここにいる。想いよ、どうか世界に届け。

関東のはずれの町に暮らす高校生、ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。彼らはそれぞれに傷ついた少年少女たちだった。戦わないで自分自身の大切なものを守りたい、そんな思いから彼らは包帯クラブを結成する。その活動を描いた前作『包帯クラブ』から16年。本作では前作の終わりから話が始まる。人が傷ついた場所に包帯を巻く活動は、無理解や反発などを受け、自粛を余儀なくされる。しかし、ひっそりと会うなかでバンドを始める。バンドの発表の場を求めながら、別の形での包帯クラブの実現を試みる彼ら。本作では、未来の、成人した彼らの姿も交差して描かれる。
この世界にあふれた悲しみのひとつひとつを手当することは難しいが、だから何をしたってむだ、とは言いたくない。自分たちのやり方 で、自分を守り、大切な人たちを守ろうと踏み出す彼らの第二幕が開く。

(「第二部 遠くて近い、あの日のきみに」より)
初めて『包帯クラブ』を読んだ頃を思い出しました。
あの頃の私はそれまでに負った心の傷が全て化膿してしまったようにとても不安定な時期でした。
包帯クラブがあれば、あそこにもあの場所にも包帯を巻いて欲しいと願うばかりでした。
私のあの頃の傷は少しだけ痛むけれど、読み終わり、今度は誰かのために包帯を巻ける側になりたいと感じました。
コロナ禍で直接の人との接触が制限され、オンラインが当たり前となり、会って感じる息遣いやちょっとした表情の違いから感じる親しい人達の変化に気付きにくくなっているように思います。
だからこそ、この作品の再始動は間違いなく望まれていたのだと思います。
誰かの痛みを感じること、大切な人を守ることをきっとまた教えてくれる作品であると思います。
読者・あおいさん
作中に出てくる人々の誰かを助けたいという想いがとても眩しい。
心が傷ついている人、助けを求めたくても声を上げることができない人が少しの勇気で自分がここにいることを伝えるため包帯を巻く。
近くにいる誰かがその人を見つけて手を差しのべる。もしそれが全世界に広がれば…。
一冊の本で世界が変わるかもしれない。日本だけじゃなく世界で読まれるべき作品。
全てが報われた奇跡のようなエンディングに心が震えた。
ジュンク堂書店 郡山店 郡司さん
離れ離れになっても、絶対に切れない何よりも強い“包帯”の絆で結ばれた6人。
「包帯クラブ」の絆に、途中何度も涙してしまいました。
そして物語全体が、傷の手当だけでなく、心の傷もそっと癒してくれる優しい包帯に包まれていました。
体と心の疲れを和らいでくれる、瑞々しいオアシスのような作品!!
読み終えた後も、ずっと胸に希望の灯がともっています。
紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん
人間は、いや生物や植物も生きているだけで奇跡なんだ、助けを求めるのを遠慮する必要なんてないんだ、「声をあげて助けを求めろ!」そんな著者の声が聞こえてきた作品でした。偶然にも同じ時代に生まれて同じ世界に生きている縁を信じて、きっと助けてくれる人たちがいるはずだ、と信じて生きていきたいものです。
NET21恭文堂書店 菅原豪さん
イラスト:田雜芳一
社会は差別、偏見におおわれて、傷みや苦しみに満ちている。
でももう一方でその傷に包帯を巻いて、傷みをやわらげようとする人達がいる。
包帯を必要とするものに気づける人間になりたい。
自分が今何をしなければならないかをすぐ判断して実行できる彼らがまぶしい。
誠実で芯がある彼らに出会えて、その輪よ広がれと声高く叫んでいた。
ジュンク堂書店 滋賀草津店 山中真理さん
だいぶ疲れていたんだな私。
好きな仕事のはずなのに、それでも気づかないうちにしんどいことが積み重なっている。
いつも本を持つ私の右手にも包帯を巻きたい。巻いてあげたい。
そんな風に自分にも優しく、そしてもちろん周りの人にも優しくなれる物語でした。
高校生くらいの若者にはもちろん、大人になって久しい私のような人達にも読んでほしい。
いつの間にか忘れていた“何か”を思い出すはずだから。
いまこの時にこの作品に出会えたことは私にとって“いいタイミング”でした。
六本松 蔦屋書店 峯多美子さん
前作から16年。急速に広がったネット社会を背景に、よりスケールの大きな話になっておもしろかった。
「包帯クラブ」の活動も、SNS等を使い、スピーディでよりワイドになるが、人々の心の根っこの部分は変わらないのだなぁと感じる。
成長したメンバーの姿を、また映像で観たいです。
ブックファースト エビスタ西宮店 ホリワキマユミさん
前作を読んだ当時、正直に言いますとささやかすぎる寄りそう心では傷ついた人や、傷を負っていることに気付かなかった人の心には足らないのではないかと感じていました。それから世界の様々な痛みが増えた今になって、ただ傷があることを人に知らせる、自分で知ることに意味があることに気が付きました。
ワラの助けを求めてくれてありがとう、という言葉は今だからこそ心に響きます。助けてと言えることは甘えではなく、弱さではないと教えてくれる今こそ世界に必要な物語です。
書泉ブックタワー 山田さん

天童荒太 包帯クラブ ルック・アット・ミー! The Bandage Club Look At Me!

天童荒太

包帯クラブ
ルック・アット・ミー!

The Bandage Club Look At Me !

四六判上製/336頁/ 2022年3月14日発売
ISBN:978-4-480-80507-2/定価:1760円(10%税込)
装丁:名久井直子 装画:田雜芳一

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特別ダブルカバー仕様で限定発売決定

天童荒太 包帯クラブ ルック・アット・ミー! The Bandage Club Look At Me!

包帯クラブ(ちくま文庫)

なんてことない毎日だけど、どこかで少しずつ傷ついている。ある日ふと、傷ついた場所に包帯を巻いてみたら、気持ちがすっと楽になった。それが「包帯クラブ」のはじまりだった──。少年少女たちは、戦わない形で、自分たちの大切なものを守ることにした。いまの社会をいきがたいと感じているすべての人に語りかける長編小説。2006年発表、映画化もされた話題作。

文庫/240頁/ 2013年6月10日発売
ISBN:978-4-480-43015-1/定価:550円(10%税込)
ダブルカバー デザイン:名久井直子 装画:田雜芳一

購入する 『包帯クラブ』(ちくま文庫)刊行時特設サイト 「包帯クラブ」とぼく 松田哲夫

天童荒太(てんどう・あらた)

1960(昭和35)年、愛媛県生れ。1986年、「白の家族」で野性時代新人文学賞を受賞。映画の原作、脚本を手がけたのち、1993(平成5)年、『孤独の歌声』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。1996年、『家族狩り』で山本周五郎賞を受賞。2000年、『永遠の仔』で日本推理作家協会賞を受賞。2009年、『悼む人』で直木賞を受賞。2013年、『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。他に『あふれた愛』『静人日記』『ムーンナイト・ダイバー』『ペインレス』『巡礼の家』『迷子のままで』などがある。前作に当たる『包帯クラブ』は2006年に刊行、30万部のベストセラーになり、映画化もされた。