2017年6月6日朝日新聞で紹介されました

朝日新聞 承諾番号:18-1228
朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

目次

挿画/箸井地図_A
挿画/箸井地図_B
挿画/箸井地図_C
挿画/箸井地図_D

はじめに──「友人重視指向」の日本の高校生

第1章 人は一人では生きられない?
一人でも生きていける社会だからこそ〈つながり〉が難しい
「親しさを求める作法」が、昔とは違う
第2章 幸せも苦しみも他者がもたらす
二種類の人と人とのつながり
人は一人でも生きていけるが、一人だけではなんとなく空しい
「自己充実」──幸福のモメントその一
「他者との交流」──幸福のモメントその二
  ①交流そのものの歓び
  ②他者から承認される歓び
他者=自分以外のすべての人間
「見知らぬ他者」と「身近な他者」
他者の二重性
  ①「脅威の源泉」としての他者
  ②「生のあじわいの源泉」としての他者
人は他者の二重性に振り回される
第3章 共同性の幻想──なぜ「友だち」のことで悩みは尽きないのか
なぜいない人の悪口を言うのか──スケープゴートの理論
心が休まらない「メール即レス」
同調圧力──友情が脅迫になる
ネオ共同性──現代の新たな圧力
同質性から並存性へ
「一年生になったら」──「同質的共同性」指向の原点
昔は「同質的共同性」だけでよかった
「やりすごす」という発想──無理に関わるから傷つけあう
「ルサンチマン」は誰の心にも生じることがある
適切な距離は人によって違う
第4章 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」
「ルール関係」と「フィーリング共有関係」に分けて考えよう
「フィーリング共有関係」だけで考えるといじめはなくならない
「フィーリング共有関係」の負の部分
ルールは「自由のため」にある!
誰かをいじめると、自分がいじめられるリスクが生まれる
だから「気に入らない人とも並存する作法」が大切
ルールは必要最小限にしたほうが、ルール関係は築きやすい
第5章 熱心さゆえの教育幻想
先生は生徒の記憶に残らなくてもいい
「話せばわかる」も幻想
個性教育よりもまずやるべきこと
第6章 家族との関係と、大人になること
家族をとらえる二つのキーワード──「定位家族」と「生殖家族」
親の「包摂志向」と子どもの「自立志向」がぶつかりあう思春期
大人になるということ
君たちには無限の可能性もあるが、限界もある
第7章 「傷つきやすい私」と友だち幻想
目上の人との距離感
異質な他者とのつきあい
「傷つきやすい私」とのつきあい方
「友だち幻想」
恋愛こそ幻想を持ちやすい
第8章 言葉によって自分を作り変える
関係が深まらない「コミュニケーション阻害語」
  ①「ムカツク」と「うざい」
  ②「ていうか」
  ③「チョー」「カワイイ」「ヤバイ」
  ④キャラがかぶる、KY(空気読めない/空気読め)
言葉を得なければ、世界も自分もとらえられない
読書は対話能力を鍛える
苦しさを通して得られるもの
楽しても楽しくない

おわりに──「友だち幻想」を超えて

読者・著名人の声

お互いを縛る、窮屈な友だち関係になっていませんか?

自分たちの「関係」を見つめなおす視点を、菅野さんは鮮やかに提示してくれます。
西研(哲学者)
近しい関係こそ大切だと思っているから、十分気をつかっていたつもりなのに、うまくいかないのはなぜだろう。この本を読んで、その理由がわかった。(読者)
冷静なまなざしは残しつつ、こんな風に自分の身の上話を交えながら読者に優しく語りかけてくれる社会学者に初めて出会った。読みながら心の底のモヤモヤが晴れていく。「人づき合いは苦手だ。でも、一歩踏み出してみよう」そんな勇気が湧いてくる1冊に出会えた。(読者)

担当編集者よりひとこと

本書は、社会学を専門とする著者が、人間関係で初めてつまずきを感じる多感な年頃の中・高校生に向けて書いたものです。他者との距離感についてもう少し敏感になることで、もっと豊かな関係を築くことができると説いています。読後、老若問わず、深く共感する声が寄せられています。と同時に、初学者向けに社会学を紹介するテキストとしても定評があり、中学から大学の課題図書や入試問題文として繰り返し使われています。
友だちは何よりも大切。でも、なぜこんなに友だちとの関係で傷つき、悩むのだろう。
人と人との距離感覚をみがいて、上手に“つながり”を築けるようになるための本。
ISBN:978-4-480-68780-7/定価:本体740円+税/プリマー新書
挿画/箸井地図

菅野仁<span>(かんの・ひとし)</span>

菅野仁(かんの・ひとし)

1960年宮城県仙台市生まれ。89年東北大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得。東北大学文学部助手などを経て、96年宮城教育大学教育学部助教授、06年より同大学教授。16年より同大学副学長(学務担当)を兼任。専攻は社会学(社会学思想史・コミュニケーション論・地域社会論)。G.ジンメルやM.ウェーバーなど古典社会学の現代的な読み直しをベースとし、「“自分の問題”として〈社会〉について考えるための知的技法の追究」をテーマに、考察を続けている。著書『18分集中法──時間の「質」を高める』(ちくま新書)、『ジンメル・つながりの哲学』(NHKブックス)、『愛の本──他者との〈つながり〉を持て余すあなたへ』(PHP研究所)、共著に『社会学にできること』(ちくまプリマー新書)、『コミュニケーションの社会学』(有斐閣)、『いまこの国で大人になるということ』(紀伊國屋書店)、『はじめての哲学史』(有斐閣)など。2016年、没。

ちくまプリマー新書

 「ちくまプリマー新書」は「プリマー=入門書」という名にふさわしく、一般の教養新書と比べ、よりベーシックで普遍的なテーマについて、若い読者の人たちにもわかりやすい表現を用い、学校でも家庭でも学べない大事なことを「近所のおじさん、おばさん」のような立場から、わかりやすくまっすぐに伝えています。
 この「ちくまプリマー新書ガイドブック」では、「学び」を軸に6つのテーマをたてて、これまで刊行してきた多彩なラインナップの中から、テーマ毎に選りすぐりの本を紹介しています。これらの本の多くがすでに多くの学校で推薦図書として、あるいは試験問題のテキストとして定番的に読まれているものだということを付け加えておきます。このガイドブックが皆さんと「ちくまプリマー新書」との良い出会いのきっかけになることを願っています。

「ちくまプリマ―新書」は一冊ごとに表紙の図柄が変わります
装幀=クラフト・エヴィング商會