emergency) evacuation: refuge)「世界一受けたい授業」又吉直樹先生紹介で大反響!!2018.4.14 OA

「みんな仲良く」のプレッシャーとさようなら

友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える

ちくまプリマー新書

菅野仁(かんの・ひとし)

25万部突破!

ニュース

2018年8月2日毎日新聞「特集ワイド」
で紹介されました

毎日新聞社に無断で転載することを禁止します。

2018年6月4日読売新聞「ひらづみ!」
で紹介されました

読売新聞社に無断で転載することを禁止します。

2018年5月19日朝日新聞で紹介されました

朝日新聞 承諾番号:18-2541
朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

2017年6月6日朝日新聞で紹介されました

朝日新聞 承諾番号:18-1228
朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

目次

挿画/箸井地図_A
挿画/箸井地図_B
挿画/箸井地図_C
挿画/箸井地図_D

はじめに──「友人重視指向」の日本の高校生

第1章 人は一人では生きられない?
一人でも生きていける社会だからこそ〈つながり〉が難しい
「親しさを求める作法」が、昔とは違う
第2章 幸せも苦しみも他者がもたらす
二種類の人と人とのつながり
人は一人でも生きていけるが、一人だけではなんとなく空しい
「自己充実」──幸福のモメントその一
「他者との交流」──幸福のモメントその二
  ①交流そのものの歓び
  ②他者から承認される歓び
他者=自分以外のすべての人間
「見知らぬ他者」と「身近な他者」
他者の二重性
  ①「脅威の源泉」としての他者
  ②「生のあじわいの源泉」としての他者
人は他者の二重性に振り回される
第3章 共同性の幻想──なぜ「友だち」のことで悩みは尽きないのか
なぜいない人の悪口を言うのか──スケープゴートの理論
心が休まらない「メール即レス」
同調圧力──友情が脅迫になる
ネオ共同性──現代の新たな圧力
同質性から並存性へ
「一年生になったら」──「同質的共同性」指向の原点
昔は「同質的共同性」だけでよかった
「やりすごす」という発想──無理に関わるから傷つけあう
「ルサンチマン」は誰の心にも生じることがある
適切な距離は人によって違う
第4章 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」
「ルール関係」と「フィーリング共有関係」に分けて考えよう
「フィーリング共有関係」だけで考えるといじめはなくならない
「フィーリング共有関係」の負の部分
ルールは「自由のため」にある!
誰かをいじめると、自分がいじめられるリスクが生まれる
だから「気に入らない人とも並存する作法」が大切
ルールは必要最小限にしたほうが、ルール関係は築きやすい
第5章 熱心さゆえの教育幻想
先生は生徒の記憶に残らなくてもいい
「話せばわかる」も幻想
個性教育よりもまずやるべきこと
第6章 家族との関係と、大人になること
家族をとらえる二つのキーワード──「定位家族」と「生殖家族」
親の「包摂志向」と子どもの「自立志向」がぶつかりあう思春期
大人になるということ
君たちには無限の可能性もあるが、限界もある
第7章 「傷つきやすい私」と友だち幻想
目上の人との距離感
異質な他者とのつきあい
「傷つきやすい私」とのつきあい方
「友だち幻想」
恋愛こそ幻想を持ちやすい
第8章 言葉によって自分を作り変える
関係が深まらない「コミュニケーション阻害語」
  ①「ムカツク」と「うざい」
  ②「ていうか」
  ③「チョー」「カワイイ」「ヤバイ」
  ④キャラがかぶる、KY(空気読めない/空気読め)
言葉を得なければ、世界も自分もとらえられない
読書は対話能力を鍛える
苦しさを通して得られるもの
楽しても楽しくない

おわりに──「友だち幻想」を超えて

絶賛の声、ぞくぞく!

  • まずは目次を見てほしい。友だち、人との付き合い方のすべてが書かれています。

    この本に書かれているのは、 生きていくために大切なことのすべてです。

    人間関係とは何か。どうすればいいか。カンタンで深い答えがここにあります。
    齋藤孝さん(明治大学教授)
  • わたしは、人付き合いが苦手。

    でも「他者と共存することはできる」とこの本は教えてくれました。多くの人が独りでいたいし、皆といたい……。 そんな矛盾の原因と対処法を教えてくれる本です。
    壇蜜さん(タレント)
  • 近いと大変で遠いとさびしい他人との「間合い」のとり方。 共感という幻想から自由になる方法。刊行から十年の「現代の古典」には、

    生きる上で大切な「心の智慧」が詰まっている。

    茂木健一郎さん(脳科学者)
  • 私たちは世間という幻想の中に住んでいる。中でも厄介な「友だち」について、これほど明快に解説した本は他にない。

    読めば心が軽くなる。世界がスッキリ見えてくる。

    小島慶子さん(エッセイスト)
  • かつて同調圧力に服する共同体的な作法は、生存戦略と結びついたリアリズムであった。だがシステムが生存戦略を用済みにした今、意外にも若者の同調圧力は強くなるばかり。作法を知らずに多様性が不安なのが背景だ。本書は不安を超えるべく新たな作法を示す。

    これを読めばあなたの人生は変わるはずだ。

    宮台真司さん(社会学者)
  • お互いを縛る、窮屈な友だち関係になっていませんか?

    自分たちの「関係」を見つめなおす視点を、菅野さんは鮮やかに提示してくれます。
    西研さん(哲学者)
  • 菅野さん、こんな素晴らしい本を残してくれて、本当にありがとうございました。この本は、これからもずっと、

    多くの若者の心に届き続けるに違いありません。

    苫野一徳さん(哲学者/教育学者)
  • 「既読スルー」「即レス」といった言葉が関係性を操る言葉として浸透してしまったように、

    人間関係という幻想にわざわざ輪郭を与え、わざわざ傷ついている。

    10年前の本が、今改めて読まれているのは、「幻想」の強要が、いよいよしんどくなってきたからなのだろうか。
    武田砂鉄さん(ライター)朝日新聞「売れてる本」2018年5月19日付
  • 友だちの多い子を理想化してしまいがちな

    大人たちにも読まれるべき本だと思う。

    朝比奈あすかさん(作家)読売新聞「ひらづみ!」2018年6月4日付
  • 人付き合いは複雑で、その万能薬・特効薬はおそらくない。しかし、困った時に頼りになり、

    安心を得られる常備薬のようなメッセージが、本書の所々に記されている。

    小林直之さん(編集者/文芸評論家)河北新報「とうほく本の散歩道」2018年6月17日付
近しい関係こそ大切だと思っているから、十分気をつかっていたつもりなのに、うまくいかないのはなぜだろう。この本を読んで、その理由がわかった。(読者)
冷静なまなざしは残しつつ、こんな風に自分の身の上話を交えながら読者に優しく語りかけてくれる社会学者に初めて出会った。読みながら心の底のモヤモヤが晴れていく。「人づき合いは苦手だ。でも、一歩踏み出してみよう」そんな勇気が湧いてくる1冊に出会えた。(読者)
書評「友だちの哲学」苫野一徳さん

「友だちの哲学」

 この本は、人間関係を生きやすくするための、ちょっとしたヒント集……なんてものではまったくありません。中学生でも読めるくらいやさしい言葉で書かれながらも、19〜20世紀ドイツの社会学者ジンメルや、その同時代の哲学者フッサールの現象学をはじめとする、菅野さんの深い学問的教養と人間洞察力がすべてのページに染み渡る、すぐれた“哲学書”とさえ呼ぶべきものです。

●友だちは脅威?

 友だち、それは時に大きな「脅威」になる存在です。一見仲良しグループに見える友だち同士も、その内実は、いつか自分が仲間外れにされるんじゃないかとビクビクし合っている関係だったりすることがある。友情という名のもとに、「私たちは同じだよね」と、過剰な同質性を迫ってくる存在でもある。

 その一方で、友だちは「生の味わいの源泉」にもなりうる存在です。自分を認めてくれたり、支えてくれたり、何かに共に熱中できたりする、そんな「生の味わいの源泉」としての友だち。

 特に若い人たちは、この友だち関係の“二重性”に、いつも多かれ少なかれ振り回されながら生きています。

 じゃあ、私たちはどうすれば、「脅威」としての友だち関係ではなく、「生の味わいの源泉」としての友だち関係を築いていくことができるのだろう?

 これが、本書のすぐれた問いです。

 この問いに対する菅野さんの“答え”もまた、やっぱりとてもすぐれたものです。

 「同質性」から「並存性」へ。

 気の合わない人と無理に友だちでいようとすると、やっぱり息がつまります。でも、学校やクラスなんかでは、「みんなで仲良く」とか言われてしまう。その結果、子どもたちはむしろますます追いつめられてしまう。

 「みんなで仲良く」というのは、同じ価値観や感受性、感情を共有する関係、つまり「フィーリング共有関係」を迫る言葉だと菅野さんは言います。でも私たちは、いつでも本当に「フィーリング」を共有する必要なんてあるんでしょうか? それって結局、私たちをますます息苦しくする関係なんじゃないでしょうか?

●ルールを共有する

 菅野さんが提案するのは、「ルール関係」を底に敷いた友だちづきあいです。それはつまり、「同じであること」を求め合うのではなく、どんなに合わない人も、とりあえず存在だけは認めた上で、お互いに上手に調整し合う関係です。

 「フィーリング」を共有できる友だちは、いたらいたでもちろんとてもいいものです。でも、誰もがそんな友だちになれるわけじゃない。そんな時は、無理にフィーリングを合わせようとするのではなく、最低限のルールを共有することで、お互いの心地よさを尊重し合う必要がある。そう菅野さんは言うのです。

 「あの子ちょっと苦手なんだよね」と言う子どもに、親や先生は、「そんなこと言わずに仲良くしなさい」なんて言ってしまいがちです。でも、むしろ大人には、「どうしても気が合わないんだったら、ちょっと距離を取ってみたら?」と言えるセンスが必要だと菅野さんは言います。お互いを過度に苦しめる関係なら、ちょっと離れてみる。これもまた、「ルール関係」としての友だちづきあいの一つの大事なあり方なのです。

●言葉を手に入れるということ

 この本が“哲学書”としてすぐれているのは、上に見たような、「並存性」や「生の味わいの源泉」といったさまざまな「言葉」を、私たちにふんだんに提供してくれるところです。菅野さん自身、こんなことを言っています。

言葉というのは、自分が関わっていく世界に対していわば網をかけて、その世界から自分たちなりの「意味」をすくいとることによって、自分たちの情緒や論理を築き上げていく知的ツールなのです。(p. 143)

 この本で語られる、「同質性から並存性へ」といった多くの言葉を手に入れることで、読者はきっと、より豊かな友だち関係を模索していくことができるはずです。

 私事ですが、菅野さんと私は、哲学の研究会で何年もご一緒してきた“友だち”でした(大先輩ですが、あえてそう言いたいと思います)。

 密かに感じていたのは、菅野さんはとても繊細な方だということ。若い頃は、やさしくて、細やかな気遣いができるからこそ、かえって人間関係にも苦しんだことがあったんじゃないかなぁ。そんなふうに思っていました。

 そんな菅野さんのやさしさに、私自身何度も救われたことがありました。仕事の関係で、お互いにずいぶん住む場所が離れてしまってからも、私のちょっとした変化に敏感に気がついて、「一徳君、もしかして、今ちょっと精神的にきつい状況なんじゃない? ちゃんと休んでね」なんて声をかけてきてくれる方でした。

 ガンとの戦いは、とてもつらいものだったと思います。でも、そんな闘病中も、周囲にそれを気づかせないくらい、菅野さんはいつも飄々と笑っていた——。

 菅野さんが亡くなってから、ご家族と、親しい学問仲間たちでお別れ会を開きました。

 集った仲間たちは、みんな間違いなく、菅野さんにとっての「生の味わいの源泉」としての友だちでした。

 菅野さん、こんな素晴らしい本を残してくれて、本当にありがとうございました。この本は、これからもずっと、多くの若者の心に届き続けるに違いありません。

担当編集者よりひとこと

本書は、社会学を専門とする著者が、人間関係で初めてつまずきを感じる多感な年頃の中・高校生に向けて書いたものです。他者との距離感についてもう少し敏感になることで、もっと豊かな関係を築くことができると説いています。読後、老若問わず、深く共感する声が寄せられています。と同時に、初学者向けに社会学を紹介するテキストとしても定評があり、中学から大学の課題図書や入試問題文として繰り返し使われています。
友だちは何よりも大切。でも、なぜこんなに友だちとの関係で傷つき、悩むのだろう。
人と人との距離感覚をみがいて、上手に“つながり”を築けるようになるための本。
ISBN:978-4-480-68780-7/定価:本体740円+税/ちくまプリマー新書
挿画/箸井地図

菅野仁<span>(かんの・ひとし)</span>

菅野仁(かんの・ひとし)

1960年宮城県仙台市生まれ。89年東北大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得。東北大学文学部助手などを経て、96年宮城教育大学教育学部助教授、06年より同大学教授。16年より同大学副学長(学務担当)を兼任。専攻は社会学(社会学思想史・コミュニケーション論・地域社会論)。G.ジンメルやM.ウェーバーなど古典社会学の現代的な読み直しをベースとし、「“自分の問題”として〈社会〉について考えるための知的技法の追究」をテーマに、考察を続けている。著書『18分集中法──時間の「質」を高める』(ちくま新書)、『ジンメル・つながりの哲学』(NHKブックス)、『愛の本──他者との〈つながり〉を持て余すあなたへ』(PHP研究所)、共著に『社会学にできること』(ちくまプリマー新書)、『コミュニケーションの社会学』(有斐閣)、『いまこの国で大人になるということ』(紀伊國屋書店)、『はじめての哲学史』(有斐閣)など。2016年、没。

ちくまプリマー新書

「ちくまプリマー新書」は「プリマー=入門書」という名にふさわしく、一般の教養新書と比べ、よりベーシックで普遍的なテーマについて、若い読者の人たちにもわかりやすい表現を用い、学校でも家庭でも学べない大事なことを「近所のおじさん、おばさん」のような立場から、わかりやすくまっすぐに伝えています。
 この「ちくまプリマー新書ガイドブック」では、「学び」を軸に6つのテーマをたてて、これまで刊行してきた多彩なラインナップの中から、テーマ毎に選りすぐりの本を紹介しています。これらの本の多くがすでに多くの学校で推薦図書として、あるいは試験問題のテキストとして定番的に読まれているものだということを付け加えておきます。このガイドブックが皆さんと「ちくまプリマー新書」との良い出会いのきっかけになることを願っています。

「ちくまプリマ―新書」は一冊ごとに表紙の図柄が変わります
装幀=クラフト・エヴィング商會