知のバイブル、はじめての増補改訂 2009年の貴重な録音テープを発掘「東大特別講義」初収録

新版 思考の整理学 外山滋比古 著/アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。/2014年1月~2023年12月 直近10年文庫ランキング 東大生協・京大生協調べ/刊行から40年読み継がれて287万部ロング&ベストセラー/

増補

未公開「東大特別講義」を新たに増補します。
2009年7月1日、外山滋比古さんが東京大学で行った講義「思考の整理学を語る」の音声テープが見つかりました。
参加した100名を超える現役東大生に向けた熱い言葉の数々を初めて収録します。

内容見本:増補

改訂

文字サイズを大きくしてゆったり組みなおし、挿絵も刷新してより読みやすくなります。
(旧版:12Q/41字×17行 ⇒ 新版:13.2Q/38字×16行 文字の大きさは1.1倍に)

内容見本:改訂

時代を超えた 不朽のバイブル 『思考の整理学』とは?

『思考の整理学』は1983年に刊行、1986年に文庫化した学術エッセイです。

自分の頭で考え、アイディアを軽やかに離陸させ、思考をのびのびと飛行させる方法とは。

広い視野とシャープな論理で知られる著者が明快に提示します。

2008年に東大・京大生協の書籍販売ランキングで1位を獲得して以来たびたび1位を獲得し、根強い支持を得ている「思考法」入門書です。

先生と教科書に引っ張ってもらうグライダー型ではなく、エンジンを積んで自分の頭で考え、自力で飛びまわれる飛行機型の人間こそ、これからの時代には必要なんじゃないかな。 外山滋比古
思考を深めるキーワード/朝の頭はそれだけで能率がいい――P.24/思考の整理法としては、寝させるほど大切なことはない――P.40/発想のもとは、個性である――P.60/つんどく法――P.94/いかにうまく忘れるか――P.131/とにかく書いてみる――P.139/声を出してみると、頭が違った働きをする――P.158

東大生の声(外山滋比古講演会「思考の整理学を語る」より)

東大生の声(外山滋比古講演会「思考の整理学を語る」より)

ロングセラーのひみつ

文庫化された1986年から2007年まで21年間で16万部のロングセラーとなっていましたが、2007年に盛岡市さわや書店松本大介さんの「もっと若い時に読んでいれば……」という書店店頭のポップをきっかけに注目を集め、2008年には東大・京大生協の書籍販売ランキングで1位を獲得したことから、“東大・京大で1番読まれた本”のフレーズが生まれました。
このフレーズを帯で使用したことにより売上が更に加速し、2009年には累計発行部数が100万部を突破。異例の快挙に大きな反響を呼びました。同書はその後も変わらず毎年新たな読者を増やし続け、2016年には、文庫化から30年目にして200万部突破という偉業を成しとげるなど、まさに時代を超えたバイブルとして読み継がれています。
『思考の整理学』大ヒットの舞台裏にあった人間ドラマ!
きっかけとなった POP 誕生秘話を公開中
松本大介著『本屋という「物語」を終わらせるわけにはいかない』特設サイト

松本大介さん「もっと若い時に読んでいれば……」という書店店頭のポップ

お知らせ

外山滋比古(とやま・しげひこ)

1923-2020年。愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論やエッセイを多数執筆した。40年以上にわたり学生、ビジネスマンなどを中心に圧倒的な支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(筑摩書房)他、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

外山滋比古(とやま・しげひこ)近影

新版 思考の整理学

外山滋比古

「東大・京大で1番読まれた本」として知られ、刊行以来40年以上読み継がれる
〈知のバイブル〉の増補改訂版。
2009年の東京大学での特別講義を新たに収録し、文字を大きく読みやすくした。
自分の頭で考え、アイディアを軽やかに離陸させ、思考をのびのびと飛行させる方法とは?
――広い視野とシャープな論理で知られる著者が、自らの体験をもとに提示する
恰好の「思考法」入門書。

定価:693円(10%税込)/ISBN: 9784480439123/ちくま文庫

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東大・京大生が根強く支持する異例のロングセラー 思考の整理学 外山滋比古

外山滋比古さん一周忌『思考の整理学』エッセイ賞

みなさんがお持ちの『思考の整理学』は何刷ですか?Twitterで募集中!
見に行く!
知識偏重から
思考の伝達へ
伝達の整理学

伝達の整理学

ISBN:978-4-480-43564-4
定価:704円(10%税込)/ちくま文庫

受験国語が苦手だった人は
「なるほど!」と膝を打つ
「読み」の整理学

「読み」の整理学

ISBN:978-4-480-42380-1
定価:616円(10%税込)/ちくま文庫

人生の折り返し点を通過したら、
発想にも転換が必要!
ライフワークの思想

ライフワークの思想

ISBN:978-4-480-42623-9
定価:616円(10%税込)/ちくま文庫

「思いつき」を形にするための
実践的トレーニング法
アイディアのレッスン

アイディアのレッスン

ISBN:978-4-480-42685-7
定価:594円(10%税込)/ちくま文庫

表現は理解されるたびに変化する。
画期的な読者論
異本論

異本論

ISBN:978-4-480-42749-6
定価:638円(10%税込)/ちくま文庫

空気が人を育てる?!
斬新な教育エッセイ
空気の教育

空気の教育

ISBN:978-4-480-42794-6
定価:682円(10%税込)/ちくま文庫

ことばの使い方次第で、
人生が変わることもある
おしゃべりの思想

おしゃべりの思想

ISBN:978-4-480-43101-1
定価:682円(10%税込)/ちくま文庫

個性的なアイディアを生み出す
思考トレーニング入門
知的創造のヒント

知的創造のヒント

ISBN:978-4-480-09177-2
定価:616円(10%税込)/ちくま学芸文庫

ことわざによって、
あなたの思考は再び整理される
ことわざの論理

ことわざの論理

ISBN:978-4-480-09088-1
定価:858円(10%税込)/ちくま学芸文庫

『思考の整理学』
日常生活実践編
知的生活習慣

知的生活習慣

ISBN:978-4-480-06809-5
定価:880円(10%税込)/ちくま新書

愛情をこめて子を導く
教育術の真髄
家庭という学校

家庭という学校

ISBN:978-4-480-06885-9
定価:814円(10%税込)/ちくま新書

『思考の整理学』
待望の続編!
忘却の整理学

忘却の整理学

ISBN:978-4-480-43870-6
定価:748円(10%税込)/ちくま文庫

子育てを後悔しないための一冊!
幼児教育でいちばん大切なこと<br>ーー聞く力を育てる

幼児教育でいちばん大切なこと
ーー聞く力を育てる

ISBN:978-4-480-87847-2
定価:1,430円(10%税込)

2009年の東京大学での講義を新収録、
文庫版よりもさらに大きな活字のワイド版。
ワイド新版 思考の整理学

ワイド新版 思考の整理学

ISBN:978-4-480-81578-1
定価:1,760円(10%税込)

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松本大介さん(さわや書店)が外山滋比古さんにインタビュー!

このインタビューは2008年2月に収録されたものです。
松本大介さん(さわや書店)が外山滋比古さんにインタビュー!

外山滋比古『思考の整理学』(ちくま文庫)21年目のブレイクの謎

何を隠そう、2007年、筑摩書房で最も売れた本は、『思考の整理学』、1986年刊のちくま文庫でした。もとは1983年「ちくまセミナー」というシリーズの1冊として刊行された本で、ロングセラーとして読み継がれていた本でした。しかし刊行から20年以上を経て再び脚光を浴びるきっかけを作ったのは、北国盛岡の老舗・さわや書店に勤める弱冠30歳の書店員、松本大介さんの手書きPOPでした。
 著者である外山滋比古さんたっての希望で、著者と書店員、珍しい組み合わせの対面が実現しました。この機会に、お2人に対談していただき、『思考の整理学』の古びることのない魅力を探っていただきました。
僕はいま三十歳ですが、「考えること」を考えるという機会が増えて、この『思考の整理学』という題名にパッと惹かれたんですね。先生があとがきでも触れられていますが、なかなかそんな余裕がありませんでした。
もっと若いときに読んでいれば」というポップのコピー、あれは、大変感心しました。ああいうキャッチフレーズは見たことがないですよ。名文句ですね。しかも、それを本屋さんの方が言っていらっしゃるというのは大変説得力があるだろうと思っていたら、大変な効果がありました。例えば、あれが普通の宣伝文で「これで、考えることができる」というようなジェスチャーの大きい言葉だと、「ふ~ん」と思うのでしょうけれども、あれは呟きのように、しっかり実感が込もっているでしょう。そういう意味で、あの言葉は傑作だと思います。
 出版社の営業というのは、少なくとも著者としては姿があまり見えないわけで、そういう人たちが、本を売ろうというか、読者に広めようとした言葉が、非常にセンスがいいと感心しました。
僕はこの本が二十年前の本だということを知らずに読んでいたんです。読んでから最後を見て、「ああ、二十年前に出た本なのか」ということに気づきまして、全く色褪せないということを感じました。
 いまの時代はインターネットの普及もありますが、スピードが求められますよね。しかし、先生のご本では、「時機を熟成させろ」と。これは、いまの時代にすごく大切なことなんじゃないかと思ったので、「売りたい」ということに行き着きました。
 最近では僕も、ちょっと立ち止まって熟慮する時間を設けているかもしれません。
僕は、なるべく長生きをする本であってほしいと思って書いています。
 このように、新しい命があるような売れ方をするというのは、本を書く人間としては大変いい気持ちですね。今また多くの人が買ってくれているというのは、読んでくださる側にも、何かそういうものを求めている新しい世代が現れているのではないかということを感じて、大変心強いような、自分としては嬉しいような気がします。
ホッとしました。これは二十何年間、いままでずっと生きてきた本ですよね。僕が余計なことをしたのかな、「先生、もしかしたら……」と思っていたりもしたので、いまのお言葉を聞いて、本当によかったです。ありがとうございます。
長生きする本というのは、書こうと思って書けるわけではないけれども、それが偶然ということや、皆さん方が応援してくださったこともあって、ちょっと普通の人も驚くような、リバイバルみたいなものが起こるというのは、非常に嬉しく思います。
 高校入試のための準備の学参に、最近『思考の整理学』が、頻繁に引用されています。だいたい千字ぐらいの文章で、設問をつけて、高校の試験を受ける中学生に読ませるんですね。この本を書いたころは大学院や大学の学生が卒業論文をどう書いていいかわからないと苦労していて、剽窃論文を書く者もいました。それではいかん、自分の頭で考えて書かなくては、じゃどうするか。
 学校は知識を伝えることを主なる目的にしていますから、本を読むことが主です。物を覚えて記憶したら、そのままどんどん仕事ができるという考えに立っている。基本的にそんなことはないですよ。本などいくら読んでも、すべての知識を頭の中に入れることはできない。
 自分の頭で物を考え出す力というのはどうしたら得られるのか。自分で模索しながらこんなことをしてみると、効果があるかなというのを、一つ一つ脈絡なく並べました。ですから一貫していなくて、あちこち飛んでいます。どこから読んでもいいわけです。途中でやめて、また次を読んでも一向に構いません。偶然いい思いつきというのがあると、それをもとに、どうしてそのようになったのかということをよく考えて、自分の生活の中から出てきた一つの知恵みたいなものを書いたわけです。
先生の本を読んで、モヤモヤしていたものがスッキリとしました。「言ってもらった」というか、そこが整理学だろうなと感じました。
 『思考の整理学』を読んで引き込まれた部分が、グライダー型人間と飛行機型人間のところだったんです。本屋の目線といいますか、書店の目線として、ここを一ページでも読んだ人は買ってくれるだろうなと思いました。
学校は、グライダーを作ることをやっているので、「学校はダメだ」ということを言いたかったのですが、それを言うと学校の立場もなくなるし、反感が強いでしょうから、とにかくグライダーと飛行機ということで逃げて、グライダーよりは、危険だけれども、墜落したりしてうまくいかない場合が充分あるけれども、飛行機というものがあるのだと。どちらかというと飛行機のほうがいいのではないかということで、いまのように知識だけで、本を読めば人間はどんどん賢くなっていくというのは、一種の迷信です。ことに戦後は、点数というものを非常に重視しますが、点数に絡むのは記憶です。覚えていることを答案に書けば点数がいいわけです。ですから、いわゆる優等生ではない人のなかに、考える力を持っている人がたくさんいるはずです。グライダーではなく飛行機の人は、ちょっと見ると、「飛行機はダメだ、グライダーのほうがいいのだ」と、いまは一般にそう思っている。そこに対して、カッコわるくても何でもいいから、とにかく自分で飛んでみる。飛ぶ力をどうしたらつけられるか、それが問題です。
 あのなかで、飛行機とグライダーの例えを思いついたときは、ちょっといい気持ちでしたね。ただ学校教育を批判するのではなく、我々みんなが反省すべきだと言いたかった。ことにコンピュータが出てきまして、コンピュータというのはグライダー人間の極致みたいなもので、非常に記憶力がいい。再生力も抜群です。人間はどんなに記憶力がよくても、コンピュータには及びません。昔のようにコンピュータがないときは、グライダー人間でも充分社会に貢献できたと思いますが、これからは、そういう人間の代わりにコンピュータがどんどん仕事をするようになります。しかしコンピュータは考えることができない。忘れることができない。あのなかにも「忘れる必要がある」と書いてありますが、つまり、コンピュータができないことを我々はこれからやるのだという気持ちが多少あったので、一種の自己主張ですが、なるべくどぎつい形ではなくて、自分が経験したことで「こうですよ」というレポートのような形で書いたので、サラッと読んでもらってもいいのではないかと思います。
各章毎に問題提起というか、「これでいいの?」ということが出てきます。例えば、「忘れることの重要性」などは、普段は忘れてはいけないと思うわけですが、忘れることがいかに大切かということになってくると、「ああ、そうか」と納得する部分がありますよね。
 外山先生はいつも対比で物事を書かれます。今度の『読みの整理学』(外山著、ちくま文庫)もそうですが、対比することによって理解しやすい。まさに、自分の思っていることをただ書くのではなくて、よりみんなが理解しやすいような形で書かれているのが、ワーッと売れることにも繋がったのでしょうか。
一つだけでず~っといくのではなくて、道草ではないですけれども、ちょっと横に寄って、前のところを眺めて、また戻る。行ったり来たりしていると、なんとなく読む人の頭も、著者と話し合いをしているような感じがしますよね。一方的にしゃべるのではなく、読者と一緒に考えて、読者もうまく読んでくだされば話に乗ってきて、「そうだ」とか、「そうじゃないんじゃないですか?」とか、そういうことを考える。ただ知るのではなくて、そういうことが物を考える基礎になると思います。
 そういう読者がたくさん現れて、現代の若い人たちに対してちょっと敬意を表したいという気持ちです。