神奈川県民でもないのに大洋ホエールズの頃からベイスターズのファンである。
最近、親会社が変わって色々改革をされたお陰で、すっかり大人気球団になった。
横浜スタジアムのチケットも取りにくいとか。
もう私が応援しなくても…と思うが、やはり贔屓チームとして気にしている。
私が一番熱を入れて応援していたのは、常に最下位を争っていた時代だった。
甲子園での対タイガース戦は混み合っているので行くのはしんどいなあ、
と思っていたところにセ・パ交流戦が始まった。
関西のタイガース以外のセリーグ球団のファンにとってこれは福音であった。
大阪や神戸でバファローズ対ベイスターズ、というカードを見ることができるのである。
ある年、大阪のドーム球場のグッズショップで、「SAEKI 10」と背中に書かれたTシャツを見つけた。
SAEKIとは、佐伯貴弘選手である。
彼はもともと26番の背番号をつけていたのだが、一時期なぜか10番をつけていた。
その時に作られたTシャツを、大阪ドームのショップはぬかりなく仕入れていたわけである。
佐伯選手ファンの私はちょっと「買おうかな?」とサイズを確認した。
サイズは150だった。成人女性は着られないこともないがちょっと太るとなかなか見苦しい、
という微妙なサイズである。できたらキッズに着てほしい。
私は購入を見送ることにした。
しかしサイズ150を着こなせるファンはいなかったらしく、そのTシャツはなんと次の年まで売れ残っていた。
しかも白とグレーの2色あったのである。
私は意を決してグレーを購入することにした。なぜグレーかというと何となく好みである。
私は体重を増やさないようにしながらシーズンを過ごした。
そしてまた次の年、なんと白のSAEKI10はまだ売れ残っていたのである。
これはもう私が買うしかない。来年また売れ残った白のSAEKI10をここで見るのはつらすぎる。
私の手元にはサイズ150のSAEKI10Tシャツが2枚揃った。
選手のTシャツはいろいろあるが、活躍している間は観戦の度に着て行くので、
1シーズンでヨレヨレになったりする。
佐伯選手はその後背番号が26に戻り、何年か後に移籍してしまった。
2枚のSAEKI10のTシャツは、その後あまり着る機会もなく、きれいなままである。
何かあったらいつでも着られるように、体形は維持しようと思っている。