筑摩書房

はじめての体系的な「イギリス英語総合教材」もうひとつの「世界英語」を、最良の文法学習とセットで地肉化する。

スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル 英語のハノン　初級編　イギリス英語版

「添え物」ではないイギリス英語を！

　今日、世界中でさまざまな英語が話されています。ただし、同じ英語なのですから、基本的な文法は共通です（文法が違ってしまえば、もはや英語ではなくなります）。「さまざま」なのはアクセント（発音）であり、その代表がアメリカ英語とイギリス英語であることは、言うまでもないでしょう。

　戦後の日本では、アメリカ英語が主流となり、学校の教科書で扱われる音声も、その大半がアメリカ英語です。ですから、イギリス英語に触れる機会はほとんどなく、多くの学習者にとって、イギリス英語は、どことなく遠くて手の届かない「高嶺の花」であるようです。もちろん、イギリス英語に憧れる学習者も少なくなく、さまざまな教材が作られていますが、根幹となる学校教育がほぼ独占的にアメリカ英語で行われている以上、いわば「添え物」としてイギリス英語を学ぶものにならざるを得ません。

　この音声は、『英語のハノン　初級』のイギリス英語版です。「初級」のパターン・プラクティスは、中学（および高校の一部）で学習する「英文法」の全体系を網羅しています。つまり、イギリス英語でハノンを学ぶということは、あらゆる「英文のパターン（型）」をイギリス英語で発話練習できるということにほかなりません。その意味で、この音声は、これまでのようなアメリカ英語の「添え物」ではなく、「学校文法」を一からイギリス英語で学び直すことを可能にするものであり、はじめての体系的な「イギリス英語総合教材」だと言えます。

日本人のお手本となる「RP」（容認発音）

　アメリカ英語はあまり地域差がなく、アメリカのほぼ全域でGA（General American／一般米語）と呼ばれる英語が使われています。しかし、イギリス英語には、実にさまざまな変種があります。

　この音声では、RP（Received Pronunciation／容認発音）と呼ばれる英語を採用しています。英国王室やBBCニュースで聞かれる、いわゆるイギリスの「標準語」です。ただ、イギリス英語のさまざまな発音は、日本語とは違って、階級の指標にもなるもので、RPは「上流の英語」とされます。近年、RPはposh（気取っている）として避けられる傾向があるとされますが、それはあくまでイギリス国内における発音事情であり、外国人としてイギリス英語を学ぶのなら、「礼儀正しく、折目正しく」RPを使うように努力することが望ましく、また印象もよいとされます。「もっとも魅力的な英語のアクセント」として、しばしば世界的な調査の第一位に輝くのもRPです。

　この音声のナレーターであるマイケル・リースさんとエマ・ハワードさんは、NHK WORLD-JAPANをはじめ、日本国内のイギリス英語シーンを代表する「RPのツートップ」です。RPとひとくちに言っても、実際にはかなりの幅があり、時代的な変化もあります。収録にあたっては、お二人と一つ一つ丁寧に話し合いながら、あまりposhになりすぎず、日本人が「お手本」とできるRPを目指しました。ただし、RPは「教養ある知識人の英語」でもありますから、それにふさわしい態度が必要であることも、忘れないようにしましょう。

TOEIC®やTOEFL®のリスニング、IELTS™の対策にも

　TOEIC®のリスニングに、アメリカ英語、イギリス英語、カナダ英語、オーストラリア英語、ニュージーランド英語の5種類の英語が使われることは、よく知られています（ニュージーランド英語をオーストラリア英語に含めて4種類とされることもあります）。TOEFL®も同様の方針を取っており、これらのテストで「アメリカ英語以外のパートをどう対策していいかわからない」という人も多いのではないでしょうか。

　実は、アメリカ英語とカナダ英語はそれほど大きい差はなく（アメリカ人やカナダ人自身、お互いに区別がつかないこともあります）、オーストラリア英語とニュージーランド英語はイギリス英語に慣れていれば問題なく聞き取ることができます。「自分はイギリス英語に興味はなく、アメリカ英語を学びたい」という方も、普段の学習の一部にこの音声を取り入れることで、受験テクニック的な「付け焼き刃」ではないTOEIC®やTOEFL®のイギリス英語対策ができるでしょう。

　また、TOEFL®と並んで広く留学の際に用いられるIELTS™（アイエルツ）は、ケンブリッジ大学英語検定機構やブリティッシュ・カウンシルなどによって運営されており、イギリス英語が中心となるテストです。そのことから、ついIELTS™を敬遠してしまう留学希望者も多いのですが、本格的なIELTS™対策に入る前に、あるいはそれと並行してこの音声をやり込めば、IELTS™受験の基礎となる足腰と地力を養うことができるはずです。

「英語のハノン 初級 イギリス英語版音声」についてのご注意 （必ずお読みください）

  • 「英語のハノン 初級 イギリス英語版音声」は、音源のみの有料販売です。ドリルとして使用するためには、別売りの『英語のハノン 初級』の書籍本体が必要です。なお、『英語のハノン 初級』ドリル用音声は、通常版（アメリカ英語版）が、本ウェブサイトより無料ダウンロードできます。あわせてご活用ください。
  • 「英語のハノン 初級 イギリス英語版音声」は私的な使用を除き、複製を禁じます。また、本音源の譲渡・転売・配布は一切これを認めません。
  • 「英語のハノン 初級 イギリス英語版音声」について、いかなる理由があろうとも一切の返金には応じられません。
  • 「英語のハノン 初級 イギリス英語版音声」と通常版音声（アメリカ英語版）の異同、ならびに特色については、下記小冊子の記述をご参照ください。
  • 「英語のハノン 初級 イギリス英語版」小冊子（下記よりダウンロード可）は、どなたでも無料でダウンロードできます。
まずはこちらの小冊子をお読みください（無料配布）。
通常版（アメリカ英語）とイギリス英語ってどこが違うの？
そもそも「イギリス英語」って何？
『英語のハノン 初級』で、この音源をどう活用するの？
この小冊子で全てお答えします。

試聴用音源

以下は試聴用の音源です。エマ・ハワードさん、マイケル・リースさんの美しいイギリス英語を、ぜひ身体で感じ取ってください。カッコ書きのページ数は書籍『英語のハノン 初級』のものです。

    Track No. Unit 1.9（pp.46-47）＊1)の英文が変更されています。小冊子をご参照ください。
  • スロースピード
  • ナチュラルスピード
    • Track No. Unit 2.4（pp.54-55）
  • スロースピード
  • ナチュラルスピード
    • Track No. Unit 3.7（pp.74-75）＊1)の英文が変更されています。小冊子をご参照ください。
  • スロースピード
  • ナチュラルスピード
    • Track No. Unit 13.7（pp.211-212）
  • スロースピード
  • ナチュラルスピード
    • Track No. Unit 14.2（pp.216-217）＊3)の英文が変更されています。小冊子をご参照ください。
  • スロースピード
  • ナチュラルスピード

音声ストリーミング

ブラウザの音声ファイル再生プレーヤーよりご利用ください。

■パソコン

OS: Windows10以上（最新版）／macOS Catalina10.15以上（最新版）
ブラウザ: Microsoft Edge（最新版）／Mozilla Firefox（最新版）／Google Chrome（最新版）／Safari（最新版）
※Microsoft Internet Explorer 11はマイクロソフト社によるサポート・ポリシーに従い、推奨環境の対象外となります。

■タブレット・スマートフォン

OS: Android 10以上／iPhone iOS 14以上／iPadOS 14以上
ブラウザ: Safari（最新版）／Google Chrome（最新版）
インターネット環境:  Wi-Fi環境を推奨

ナレーター紹介

イギリス英語版音声のナレーターをつとめてくれたマイケル・リースさんとエマ・ハワードさんより、
メッセージが届きました！

Michael Rhys（マイケル・リース）

Michael Rhys has been providing professional British voiceovers to leading companies and broadcasters for over 20 years.
Michael has voiced over 50 international television commercials, hundreds of corporate productions and an extensive amount of broadcast content including news, current affairs programming and documentaries.
Michael can be heard regularly on Japan’s state broadcaster NHK as an English language news readers for the domestic news programs News 7 and News Watch 9, and on NHK World where he has been the ident voice for the channel and is a narrator for regular programs such as Asia Insight, Side by Side and Face to Face.
He has voiced Characters in both theatrical release and television animations and well as for many international video games.

Emma Howard（エマ・ハワード）

Born and raised In Norfolk, Emma moved to London at the age of 17 to train for three years at Mountview Academy of Theatre.
After graduating she worked in professional theatre (West End, Touring the UK), before arriving in Japan. In Japan she has worked exclusively in TV and narration.

音声のご購入

『英語のハノン 初級 イギリス英語版音声』は、以下の外部サイト（note）でご購入になれます。リンク先の案内に従ってお買い求めください。

音声は4分割での販売になります。「初級」のドリルすべてに対応するためには、以下の4つの音声をすべてお買い上げいただく必要があります。何卒ご了承くださいませ。

中村佐知子

横山雅彦（よこやま・まさひこ）

1964 年兵庫県生まれ。京都外国語大学外国語学部英米語学科卒業。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士前期課程修了。現在、関西国際大学国際コミュニケーション学部教授。専門は、地域研究(アメリカ)、英語コミュニケーション論、身体論。著書に、『高校生のための論理思考トレーニング』『「超」入門!論理トレーニング』(ちくま新書)、『大学受験に強くなる教養講座』『完全独学!無敵の英語勉強法』『英語バカのすすめ──私はこうして英語を学んだ』(ちくまプリマー新書)などがある。糸東流空手道師範八段。

<span>スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル</span>英語のハノン 初級

横山雅彦／中村佐知子 著

スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル英語のハノン 初級

机上の英文法を、使える英語に高めるための究極パターン・プラクティス！　ピアノの教則本「ハノン」の名にちなみ、英語を自然に話すことを可能にするドリル満載。

ISBN: 978-4-480-81582-8　定価: 1980円（10％税込）　発売日: 2021/04/07

購入する 英語のハノン　初級　特設ページ

<span>スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル</span>英語のハノン 中級

横山雅彦／中村佐知子 著

スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル英語のハノン 中級

既刊『英語のハノン　初級』の続編。初級で扱った日常会話を、高校や大学で使うもう一段レベルが高い話し言葉にブラッシュアップするためのドリル満載。

ISBN: 978-4-480-81685-6　定価: 1870円（10％税込）　発売日: 2021/12/13

購入する 英語のハノン　中級　特設ページ

<span>スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル</span>英語のハノン 上級

横山雅彦／中村佐知子 著

スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル英語のハノン 上級

文構造の理解と体得を促す学習法『英語のハノン』の極点になる上級。450本のプラクティスドリルでさらに洗練された高度な英語をマスターする。

ISBN: 978-4-480-87913-4　定価: 1980円（10％税込）　発売日: 2022/04/07

購入する 英語のハノン　上級　特設ページ

<span>コミュニケーションのための英会話スーパードリル</span>英語のハノン フレーズ編

中村佐知子／横山雅彦 著

コミュニケーションのための英会話スーパードリル英語のハノン フレーズ編

ハノン・メソッドによる「英会話」教本の極点。オリジナルダイアログ（会話文）20篇で表現のバリエーションが飛躍的に増える！ハノン初心者から使える一冊。

ISBN: 978-4-480-81688-7　定価: 1980円（10％税込）　発売日: 2023/3/1

購入する 英語のハノン　フレーズ編　特設ページ
シリーズTOPへ戻る