食物漫遊記

種村 季弘

画にかいた餅を食べる話、辿りつけない料理屋の話、鯨飲馬食と断食絶食の話などなど、食物をめぐる滑稽譚、怪異譚のかずかず。
【解説: 吉行淳之介 】

食物漫遊記
  • シリーズ:ちくま文庫
  • 770円(税込)
  • Cコード:0195
  • 整理番号:た-1-1
  • 刊行日: 1985/12/04
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:240
  • ISBN:4-480-02021-7
  • JANコード:9784480020215
種村 季弘
種村 季弘

タネムラ スエヒロ

種村 季弘(たねむら・すえひろ):1933-2004年。東京都生まれ。東京大学文学部卒業。ドイツ文学者。該博な知識人として文学、美術、映画から魔術、神秘学にいたるまで多彩なジャンルにわたり執筆活動を展開した。著書に『ビンゲンのヒルデガルドの世界』(芸術選奨文部大臣賞、齋藤緑雨賞受賞)、『書国探検記』、『魔術的リアリズム』など、翻訳書に『パニッツァ全集』(全3巻)などがある。

この本の内容

画にかいた餅を食べる話、辿りつけない料理屋の話、鯨飲馬食と断食絶食の話、人を食い人に食われる話など、食物をめぐって人びとが演じる滑稽譚、怪異譚のかずかず。エンサイクロペディストによる、ひと味ちがう美味随筆。

この本の目次

嘘ばっかり
絶対の探求―岡山の焼鳥
一品大盛りの味―尾道のママカリ
狐の嫁入り―愛宕下の豆腐
薬喰は禁物―横浜の牛肉
画餅を食う話―駒込の洋食
気違いお茶会―麻布の紅茶
飢えを見せる人―雑司ヶ谷の料理店
食うか食われるか―フライブルクのアラブ・パン
天どん物語―蒲田の天どん
笑食会ふたたび―鎌倉のきのこ
幻の料理―向島のどぜう
東は東、西は西―銚子の亀甲万
市場のユートピア―築地のうどん
家の中のロビンソン・クルーソー

読者の感想

2014.3.19 うましま

何かを食べた話よりも、食べてない話のほうが印象に残る、不思議な本。


ウメボシを見るとヨダレが出る。まさしく「パブロフの犬」なのだけど、イヌには文字が読めない。ヒトであるワタシには読める。だから実物を見ずとも「ウメボシ」という文字を読み、思い描けば、ヨダレが出てくる。

これは、つまり、言葉のちから。

読んで想像する力があれば、実際に食べなくても(むしろ、わざと(?)食べてないほうが)楽しいってこともある。・・・おなかはすくけど・・・。

この本を読んでそんな事を思いました。

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