シェイクスピア全集20 じゃじゃ馬馴らし
軽快な人気喜劇を新訳で!
ヴェローナの熱血紳士ペトルーチオがパドヴァのじゃじゃ馬娘キャタリーナと結婚し、その「調教」に乗り出す。軽快な喜劇。
【解説: 前沢浩子 】
ヴェローナの熱血紳士ペトルーチオは、パドヴァの大金持ちのじゃじゃ馬娘、舌鋒鋭いキャタリーナをあの手この手で口説き落とし、結婚にこぎつける。そしてじゃじゃ馬の「調教」に乗り出すのだが…。キャタリーナの妹ビアンカとその求婚者たちを交えながらくんずほぐれつの舌戦を繰り広げる軽快な喜劇。
2011.6.09 ハル
ナイス。ちくま文庫は初めてだったが、ページ構成にゆとりがあって読みやすく、翻訳もわかりやすかった。シェイクスピア劇ではおなじみの罵詈雑言もシャープな切れ味。それにうれしいのが、本文の下に解説がついている点だ。意訳されている部分や、英国のことわざのもじりを、原文と共に紹介・解説してくれている。本作だが、これまた実に珍妙なストーリーで劇中劇という設定になっている。登場人物が多すぎて、全部把握するには再読が必要だろうが、大筋は分かった。じゃじゃ馬キャタリーナの、ああ言えばこう言うスタイルの悪態が実に痛快。こういうドタバタ喜劇も、悲劇とはまたひと味違う面白さがある。
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