「奥の細道」をよむ

長谷川 櫂

「かるみ」という境涯。

流転してやまない人の世の苦しみ。それをどう受け容れるのか。芭蕉は旅にその答えを見出した。芭蕉が得た大いなる境涯とは――。全行程を追体験しながら読み解く。

「奥の細道」をよむ
  • シリーズ:ちくま新書
  • 924円(税込)
  • Cコード:0292
  • 整理番号:661
  • 刊行日: 2007/06/05
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:256
  • ISBN:978-4-480-06366-3
  • JANコード:9784480063663
長谷川 櫂
長谷川 櫂

ハセガワ カイ

1954年生まれ。俳人。俳句結社「古志」前主宰、朝日俳壇選者、季語と歳時記の会(きごさい)代表。90年、『俳句の宇宙』でサントリー学芸賞、2003年、第五句集『虚空』で読売文学賞受賞。著書『日本人の暦』(筑摩選書)、『「奥の細道」をよむ』(ちくま新書)、『四季のうた』『俳句的生活』(以上、中公新書)、『一億人の俳句入門』『句会入門』(以上、講談社現代新書)、『震災歌集』『震災句集』(中央公論新社)など。

著者からのメッセージ

松島の松[全文を読む]

この本の内容

芭蕉にとって、『おくのほそ道』とはなんだったのか。六百里、百五十日に及ぶ旅程は歌仙の面影を移す四つの主題に分けられる。出立から那須野までの禊、白河の関を過ぎてみちのくを辿る歌枕巡礼、奥羽山脈を越え日本海沿岸で得た宇宙への感応、さまざまな別れを経て大垣に至る浮世帰り。そして芭蕉は大いなる人生観と出遭う。すなわち、不易流行とかるみ。流転してやまない人の世の苦しみをどのように受け容れるのか。全行程を追体験しながら、その深層を読み解く。

この本の目次

第1章 「かるみ」の発見
第2章 なぜ旅に出たか
第3章 『おくのほそ道』の構造
第4章 旅の禊―深川から蘆野まで
第5章 歌枕巡礼―白河の関から平泉まで
第6章 太陽と月―尿前の関から越後まで
第7章 浮世帰り―市振の関から大垣まで
エピローグ―その後の芭蕉

読者の感想

2007.10.15 松岡

大変興味深く読みました。長谷川櫂さんの「古池」理論が芭蕉の別の句で“傍証”されたという印象を受けました。
「尿前の関」「白河の関」「市振の関」を境にして歌仙の四つの部分に分かれるという説明は大変明確で説得性があると思いました。

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