愛読の方法
本ばかり読んでかえってバカになる人間が後を絶たない――。書かれたものへの軽信を免れ、いかに生きるべきかという問いへと真っ直ぐいたる「愛読」の方法をとく。
本が読まれなくなり、基本的な教養すら欠いた人間が世に溢れるようになった―こう嘆かれるようになって久しい。でも、本を読めば人は賢くなれるものだろうか。もちろん、否である。見栄でするやたらな読書は、人をどこまでも愚かにする。私たちには、文字に書かれたものを軽信してしまう致命的な傾向があるからだ。どうすれば、このような陥穽から逃れられるのか?ショーペンハウエル、アラン、仁斎、宣長など古今にわたる愛読の達人の営みに範をとり、現代人が本によって救われる唯一の道を示す。
第1章 本とは何であったか(本などなくてもいい
「人文系」は無用か? ほか)
第2章 文字という“道具”を考える(“道具”が出現したこと
生存競争に勝つための道具と自然の働きのなかに入り込むための道具 ほか)
第3章 生きる方法としての読書(デカルト『方法序説』
デカルトの愛読者アラン ほか)
第4章 愛読に生きよ(字義を忘れる道
仁斎から徂徠へ ほか)
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